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更新日:2000年7月24日

牛の飼育に歴史の違い-西の牛肉,東の豚肉-

 平成10年5月1日紙上掲載

統計を注意深く眺めてみると、時々意外なデータに首をひねったり、「なるほど」と妙に納得したりすることがあります。
今回は日本各地域による食品の好みの偏りについて、平成8年家計調査を用いて、その傾向と原因を考えてみたいと思います。

まず,本県の特産品の「納豆」です。よく関西人は納豆が苦手という話を耳にしますが,統計的にはどのようになっているのでしょうか。
年間購入額で比べてみると,全国平均を100とすると関東では130,近畿では56と,確かに関東人は関西人の倍以上の納豆好きということがいえます。特に本県では、購入額はなんと219にもなり,毎年日本一となっています。本県が日本一の原因は、納豆の生産が全国に先駆け明治時代から始まったことにありそうです。(伝統型)

さて,縦に長い日本列島,納豆に限らず地方によって食味はバラバラのようです。グラフを見ると,同じ肉でも東日本では「豚肉」,西日本では「牛肉」が好まれていることがよく分かります。西日本で牛肉が多い原因は、戦後になって牛の飼育に乗り出した東日本に比べ、西日本では明治時代から牛の飼育が盛んに行われていることがあげられます。(歴史型)

次に,夏の果物の代表格の「すいか」や「メロン」はどうでしょうか。すいかには地域的な差は見られませんが,メロンは完全に東日本で多く食べられています。原因としてはメロンが本県や北海道の特産物であることが考えられます。(産地型)

さらに,輸入果物で見てみますと,「バナナ」はすいか同様全国的に偏りは見られませんが,「グレープフルーツ」は東日本で好まれています。一見,輸入果物に偏りがあるのもおかしな話ですが,これはグレープフルーツの出回る時期に中・四国,九州では夏みかんやネーブルオレンジが出荷されるためと言われれば,なるほどと納得させられます。(逆産地型)

最後に,少し意外なデータを紹介します。もうスーパーでは“初がつお”がお目見えしていますが,本県はかつおの購入額が全国第4位となっています。これは,土佐がつおの高知県や,戻りがつおの宮城県などに次ぐ購入額です。はっきりとした原因は不明ですが,地理的に両県の間に位置していることに関係がありそうです。(あえて名付ければ自然恩恵型)

かつおに限らず、本県は長い日本列島の真ん中に位置するため,全国各地の食べ物が容易に手に入ることが可能であり、知らないうちに家庭の食卓もバラエティーに富んでいるようです。普段気が付かないところで自然の恵みを受けていることもあるんですね。

 

地方別食品消費額

 

 

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