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更新日:2000年7月24日
今回は,経済を人間の体に例えて話を進めていくことにします。第二次世界大戦の終結(1945年)を新生日本の誕生ととらえると,現在日本はまだまだ働き盛りの53歳。それでは,先ず今日まで日本経済はどの様な足取りで成長してきたのか振り返ってみましょう。
青少年期には,教室で担任の池田隼人先生から「所得倍増計画」の講義を受ける一方,グラフに見られるように,岩戸・いざなぎ景気など栄養を充分吸収し,27歳('72年)まで高度成長を続けます。偶然の一致か人間の体重も27歳まで増加を続けています。
その後,人間の成長が止まるのに時を同じくして,経済も安定成長期に突入。28歳('73年),35歳('80年)での石油危機はありましたが,ほぼ順調に3~5%の成長を続けてきました。
ところが,不惑(40歳)を過ぎる頃から,いくぶん経済の様子は変わってきたようです。必要以上の栄養を採り過ぎ,ついに糖尿病(バブル経済)という恐ろしい病気にかかってしまい,治療を続けながら今日を迎えています。
いまだにバブル後遺症が治らない日本経済。それでは,現在の景気を統計デ-タで眺めてみましょう。
先ず,我々が買い物や旅行など日常使うお金の合計である最終消費支出です。平成9年度は8年度に比べ1.2%の減少を示しました。
中には「我々一人ひとりの消費額なんて」と思われる方もいるかも知れませんが,これは全体では国内総支出の何と6割も占めるほど重要なものです。
次に,生産活動によって生み出される国内総生産(GDP)ですが,9年度は0.7%の減少となっています。わずか0.7%ととらえる方もいるかも知れませんが,額にすると何と3兆4千億円です。この国内総生産の伸び率は,別名経済成長率とも呼ばれます。言い換えればマイナス0.7%の経済成長です。これがマイナスになったのは,第1次石油ショック以来実に23年ぶり,本年度はさらにそれを下回るマイナス1.8%が予想されています。
このように,統計デ-タの示す景気も正に「低迷」しています。バブル崩壊からこれまでの7年間,政府は景気回復のためにさまざまな治療を行ってきましたが,依然「特効薬」を見い出せないでいることになります。これが本当の人間であれば「不幸にして…」ということになるのかも知れませんが,人間と経済の違いはいうまでもなく,人間の命に限りがあるのに対し経済は循環を繰返し,構造を変えながら永遠に発展していくという点です。現在の状況を,経済白書が云うように「創造的発展の基礎固め」と認識し,各自がいましばらく雌伏することが必要なようです。
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