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更新日:2015年4月1日

女性の労働(下)-“育児・介護”の充実急務-

 平成10年12月4日紙上掲載

前回は,本県の女性の労働力率(女性の15歳以上人口に占める就業者および完全失業者の割合)が戦後急激に減少していること,それは本県の産業構造の変化や進学率の向上などに要因があるということでしたが,今回は働く女性を取りまく本県の環境について見てみます。経済企画庁の「新国民生活指標」における“女性の働きやすさ指標”によれば,本県は総合で全国第44位と非常に低い結果にとどまっています。

これは,「女性就業率」や「男女賃金格差」など,女性が働くことに関する12の指標をもとに算出されています(グラフ1)。本県は,家庭婦人家事労働時間数の指標などは全国に比べて高く(2,5,11),一方で,男女間の賃金格差の指標が低くなっており(6),保育所定員数など“育児・介護”の指標(7~11)ではすべて全国平均を下回る結果が出ています。“育児・介護”指標が低くなっている背景には,本県は核家族世帯割合があまり高くない(57.87%・全国23位:平成7年国勢調査),多少は“育児・介護”について家庭内での世話がしやすく,ニーズとしてあまり多くないという事情があるのではないかと考えられます。

次に,これらの12の指標を「就業」「男女機会均等」「家事分担」「育児・介護」の4分野に分け,これをブロック指標として,北海道・東北,関東および本県を比べてみますと(グラフ2),関東ブロックは“男女機会均等”が高く,“家事分担”が低くなっています。また北海道・東北ブロックを見ますと,“育児・介護”が低く,“家事分担”が高くなっています。こうしてみてみると,本県は関東ブロックよりも北海道・東北ブロックに状況が似ていることが分かります。一般的に,大都市圏を抱えるブロックでは男性の通勤時間が長いことや片稼ぎ世帯が多いこともあって家事分担は低く,地方圏ではこれらと逆の理由で家事の分担は高いと考えられます。

現在,本県では多様な保育サービスの充実や民間育児サービスなど,子育てと仕事の両立を支援するための各種施策を積極的に実施しておりますが,このような統計指標からみると,本県が「女性にとって本当に働きやすい県だ」と言われるようになるためにも,今後とも“育児・介護”面での施策をより一層充実させていくことが望まれます。

グラフ1
グラフ2

  • 6男女賃金格差,11家庭婦人家事労働時間数については「マイナス指標」であり,グラフが大きければ大きいほど望ましい指標である。

 

  • <グラフ1・2ともに「新国民生活指標(経済企画庁)」より>

 

 

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