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更新日:2021年2月10日
日本三大民謡「磯節」の発祥地のひとつとも言われるひたちなか市は、民謡をはじめ、日本伝統の文化が息づくまちです。10回目の開催を迎える「子ども伝統文化フェスティバル」を前に、参加する全12団体の活動を取材し、本市の誇る伝統文化の魅力を伝える特集を企画していきました。
時代の変化とともに生活から遠いものになっていく伝統文化。それを未来につなごうと何十年もの間、情熱を注いできた伝承者たち。そうした想いに真剣なまなざしで応え、大人顔負けの演奏演舞を披露する子どもたちの姿は、心に迫るものがありました。取材で意識したのは、練習や地域行事での発表、祭りでの活躍など、さまざまな場面に足を運ぶことです。撮影しながら、関わる人たちへのインタビューを重ね、伝統文化に込められた意義を、多角的に見て感じることのできる紙面を目指しました。
また、取材を通して改めて感じたのは、今、このまちに住む人たちが、大切にしているまちの伝統も魅力も、大切に思う人たちがいなければ、守れなくなってしまうということです。私たちは、まちを想う人たちと一緒に紙面をつくり、ともに住む喜びが見つかる、人がつながるきっかけとなる広報紙を届けることができれば、未来のまちをつくる力になると信じています。
今回の特選という結果は、伝統の灯を大切につないできた人たちと、小さな守り手たちが輝いていたからこそ。取材に協力してくれる方々への感謝の気持ちを忘れず、今後も、積極的にまちに出ていきたいと思います。
広報紙は自治体の事業や施策を伝えるとともに、地域の魅力を発進したり住民同士の交流を促したりする役割があります。印刷物としての広報紙の重要性は変わりません。インターネットなどと補完し合いながら編集者の思いを的確、効果的に伝える工夫が求められます。どんなに内容が充実していても、読みづらかったり難しかったりしては読者には読まれません。親しみのある記事や見やすい紙面が、住民の興味や関心を引き出し、地域への愛着を育むことにつながります。
特選の「市報ひたちなか」1月10日号は、10回目となる「市子ども伝統文化フェスティバル」を控えた参加団体の子どもたちや指導者を取り上げました。豊かな表情の写真をふんだんに使った訴求力の高い秀作です。「受け継がれる伝統」から「つないでいく伝統」へと展開した紙面構成も巧みで、テーマの広がりを感じさせました。編集者の熱意が読者に伝わり、手に取った市民の関心が高まったと思います。
準特選の「広報もりや」8月10日号は、「新しい防災」をテーマに災害時に役立つ情報を整理して掲載しています。新型コロナウイルスの感染拡大も考慮した避難方法や在宅被害の際の備蓄について、写真や一覧表を効果的に用いています。防災の知識を○×のクイズ形式で問うページを設けるなど、市民の防災意識を高めようという企画の意図が具現化された紙面となりました。
入選は「広報古河」9月号▽「広報さかい」7月・8月合併号▽「広報とりで」8月1日号です。「広報古河」は、アンケート結果や大学教授へのインタビューなど多彩なトピックを取り上げ、地域のつながりや活動について市民とともに考えようという姿勢が伝わりました。「広報さかい」は、維持管理費ゼロの公共投資を「境町モデル」と銘打ち、グラフや図解をふんだんに使って分かりやすく解説しました。「広報とりで」は、若手生産者の声を拾って市の農業の現状に触れ、直売所や農園の利用も呼び掛けました。市民が農業を知る機会を提供し、地元の再発見に導く内容となっています。
地域での取り組みや防災知識などについて、テーマに沿った写真やデータを多用し、読者の目をひくとともに分かりやすく伝えようと試みている広報紙が目立ちました。日頃から、地域に密着して情報収集を行い、住民に読んでもらうことを念頭に置きながら編集している姿勢がよく伝わってきました。
特選の「市報ひたちなか」1月10日号は、「受け継がれる伝統」の特集でした。地域に伝わる民謡を伝承している活動などを取り上げていますが、なんと言っても登場する子供達や住民の生き生きとした表情をとらえた写真が印象的でした。写真の大小、レイアウトにもメリハリをつけて、思わず見入ってしまう工夫が凝らされていました。
準特選の「広報もりや」8月10日号は、コロナ禍での「新しい防災」をテーマに、防災時に役立つ情報を分かりやすく伝えています。災害時に実際に役立つように携行品リストや防災クイズ、ポリ袋で作る節水レシピなどを掲載し、住民の目線に立って大量の情報を整理して効果的に伝える内容になっていました。
入選の「広報古河」9月号、「広報とりで」8月1日号は、いずれも表情豊かな住民の写真を効果的に配置し、データも織り込み、趣旨がよく伝わってきました。「広報古河」は、地域活動がテーマでしたが、市の独自調査の結果も盛り込み、単なる紹介記事に終わらずに個々に考えさせる内容に仕立てていました。「広報とりで」は地域の農業に焦点をあて、数枚の写真を組み合わせるとともに、見出しもうまく使って農業従事者のインタビューに読者を引き込む工夫がなされていました。現状を伝える棒グラフも理解に役立ちました。また、「広報さかい」7・8月合併号は、公共施設の紹介という難しくなりがちな内容を、イラストや表、写真を大胆に配置し、視覚的に伝わるように仕立てているのに驚きました。分かりやすさを重視し、グラフや漫画などさまざまな手法を駆使しているのも好印象でした。
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