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更新日:2021年2月10日

令和2年茨城県広報コンクール特選受賞感想文・講評
「映像部門」

感想:「何もない」と言えないまち
小美玉市企画財政部 企画調整課 シティプロモーション係 係長 中本正樹

 

 「あなたのまちには何がある?」と聞かれたとき、とっさに「何もない」と言ってしまいがちではないでしょうか。日本全国津々浦々そうなのかもしれません。

 このまちの暮らしを自分らしく楽しむ人。困難を力強く乗り越えようとする人。仲間たちと磨き合っている人。「あなたが必要」と言われてスイッチが入った人。こんな人たちと知り合ったらきっと、「何もない」とは言えなくなるはず。一歩踏み出そうとする人を放っておかず、良いところを見つけ、磨き合い、光をあてるまちなのだと胸を張る市民の姿を描いたのが、この「ダイヤモンドシティ小美玉2020-見つける。みがく。光をあてる。ー」です。動画のラストでは、「今度はあなたが輝く番」というメッセージを送り、「小美玉で自分の可能性を見つけ、磨き合いましょう。私たちは、一歩踏み出そうとするあなたを応援します」という想いを伝えています。

 コロナ禍で、改めて地元の魅力や暮らしに目を向ける人が増えました。「まちにマジになる人を増やす」小美玉市のシティプロモーションとして、このまちでどんな人が暮らすと幸せになるのかを明示していくことが必要だと感じ、シティプロモーション指針とブランドメッセージを基に映像化しました。

 地域の人による地域のための映像作品が特選に輝き、関わったたくさんの人たちがジブンゴトとして大いに喜んでくれています。特選に選んでいただきありがとうございました。

 

講評:つくば学院大学経営情報学部ビジネスデザイン学科 教授
兼 地域連携センター委員長 高嶋啓

 

特選 ― 小美玉市 《ダイヤモンドシティ小美玉2020-見つける。みがく。光をあてる。-》

 映像は、「このまちには何がある?」という、問いかけから始まり、魅力の「原石」を見つけるオープニングによって、小美玉市の魅力を映像の中に映し出していきます。直接市の名産などを言葉にせず、映像の中にリズムよく織り込みながら表現することで、この映像を観た者に、小美玉市に対して好印象を感じさせることでしょう。観る者を飽きさせないリズミカルな映像は、撮影・編集の技術も相まって、小美玉市の魅力を伝えたいという誠実さを感じさせる、特選にふさわしい映像となっています。

 準特選 ―つくばみらい市 《I LIVE IN TSUKUBAMIRAI.》

 特選の小美玉市と同様に、直接市の名産などを言葉にせず、映像の中にリズムよく織り込みながら表現する構成となっていて、自然と映像に引き込まれます。あえて、具体的な魅力を言葉にせず、つくばみらい市がこれからどのように発展していくのかを考えさせるという、観る者の感性を引き出すような、味わいのある映像です。

 入選 ― ひたちなか市 《ひたちなか市ネモフィラ-2020年春のストーリー“未来に向かって” -》

 息をのむようなネモフィラの青色が大変美しく、無人の映像に引き込まれてしまいます。しかしそれはコロナ禍のために花の咲く時期が休園となったためと気が付かされます。映像にあるメッセージから、一面のネモフィラを春に咲かせるための努力と、コロナ禍における社会状況を重ね合わせたメッセージによって、前向きな気持ちを感じさせます。

 入選 ―守谷市 《子どものこころのケア》シリーズ

 コロナ禍の困難な状況中で、子どもの心のケアという、向き合い方の難しい問題を抱えている子供を持つ親に、小児科の医師という立場から、大人がいかにして子供に寄り添うことが出来るのかを教えてくれます。「コロナ」という言葉を使わず保護者の心にも配慮した、よく考えられた作品です。

 入選 ― 龍ヶ崎市 《おうちで、さんさん館》シリーズ

 緊急事態宣言発令のために臨時休館となってしまった、龍ヶ崎市の子育て支援センター「さんさん館」の方々が、自宅で雰囲気を楽しむことが出来る問うコンセプトで作られたこの映像からは、センターの方々の優しい雰囲気が伝わってきました。作品数が23本と大変多く、一つ一つ丁寧に心がこもった映像となっていると感じました。

 

講評:東海大学文学部 広報メディア学科 教授 河井孝仁

 

 

 行政広報においては、広い認知獲得をめざすための取り組みなのか、情報を伝える対象をセグメントしたうえでターゲティングするための取り組みなのか、さらにターゲティングしたセグメントを引き込んで深く信頼、共感してもらうための取り組みなのかによって、その評価は異なる。

 

 今年度の茨城県広報コンクールに応募された映像作品のなかで、守谷市「子どものこころのケアシリーズ」は、一見したところ地味な映像であるが、不安を持つ子ども及びその親を対象に、信頼及び共感を形成できる的確な内容だった。単なる説明のためであれば必要ではない白衣と聴診器を医師が身に着けることによる信頼感、丁寧でゆっくりとした医師の言葉遣いなど、不安を軽減させる信頼と共感が十分に提供されていた。さらに字幕の活用も、理解を高めるための方法としてよく考えられていて秀逸である。

 つくばみらい市「I LIVE IN TSUKUBAMIRAl モチベーションムービー」及び小美玉市「ダイヤモンドシティ小美玉2020-見つける。みがく。光をあてる。」の二つの作品はシティプロモーションとして位置づけられる的確な作成意図を持った映像である。単なる自慢ではなく、まず「ない」ことをきっかけにした逆転の発想を活かし、住民の意欲を高める作品となっていることにも注目する。つくばみらい市の映像については、登場する市民の笑顔が印象的である。単に笑っているというよりも意思を持った表情に魅力がある。また、多様性への意識も高く評価できる点だろう。

 龍ヶ崎市の「おうちで、さんさん館」は手作り感があふれ、「映像」単体として考えれば高い評価は期待できない。しかし、その意図は明確であり、ターゲットとなるだろう3歳児にはとても嬉しい内容となっている。こうした取り組みも十分に評価できるものだ。一方で、どのような取り組みのための広報ツールとして映像を位置づけているのか、制作意図が理解しにくいものであったり、意図と内容が必ずしも適合していない作品も散見された。映像制作力にとどまらない広報力の今後の進展を期待したい。 

  

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