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更新日:2021年3月3日
1月7日、鹿島地帯特産指導所で、輪ギク生産者等、計19名が出席し、「鹿島地帯特産指導所 第5回農業改革実践会議 鹿島南部砂質地帯における輪ギクの養液土耕法現地検討会」を開催しました。
当地域は特有の砂質土壌を有し、肥料や水の流亡が多いため、他地域と同じ施肥量では切花ボリュームを確保するのが困難です。過剰になりがちな施肥により、生理障害の発生や環境への負荷が懸念されます。生育に最適な施肥を、無駄なく、省力的に行うためには養液土耕法が有効と考えられていますが、砂質土壌への適応性については不明な点も多いため、当会議で検討の運びとなりました。
今年度の結果では、火山灰土壌と同等の施肥量では、養液土耕法を用いても十分な生育が得られないことが分かりました。関係者の意見を参考にしながら、今後さらに検討をすすめていく予定です。
写真1:室内検討の様子
写真2:生育中のキクの栽培状況の確認
12月25日、神栖市波崎において、センリョウ生産者及び茨城県農業総合センター専門技術指導員等のセンリョウ関係者計13名が出席し、「鹿島地帯特産指導所 第4回農業改革実践会議 センリョウ優良系統の選抜に係る現地検討会」を開催しました。
播種から初収穫まで2~3年かかり、世代交代、選抜に長い年数を要するセンリョウの優良系統の選抜は、当所において昭和60年から行われています。H17年の4月からは試験圃場を所内から現地に移し、赤実13系統、黄実6系統、計19系統について、実つき、葉の色つや、結果枝数等の立毛審査を行いました。
立毛審査後は、近年相対での引きが強くなっている3・4等級を中心とした多収性の品種、耐病性の品種、赤・黄以外の果色を持つ品種の開発等について意見が出されるなど、有意義な検討を行うことが出来ました。
写真1:センリョウの生育状況の確認
12月3日、千葉県ちばみどり農協のピーマン栽培者を中心に14名の方々が来所されました。
当所ではピーマンの抵抗性品種を利用したPMMoVウイルスの発病抑制法と発病診断技術についての説明のほか、PMMoV抵抗性品種比較圃場や、養液土耕栽培による根域隔離栽培圃場、パプリカの品種比較圃場等を見学していただきました。
PMMoVウイルスの発病診断技術やピーマン苗の紙包み法、抵抗性品種、隔離床形状等についての熱心な質疑からは、臭化メチルが使用できなくなる中、差し迫ったウイルス病対策への危機感が窺われました。
写真1:ピーマンハウス内での説明
写真2:ピーマンハウス内での説明
11月21日、当所において、茨城県鹿行地区農業経営士および千葉県指導農業士の方々が、茨城県と千葉県の経営士の合同研修のため、当所に来所されました。
当所では「ピーマンを定植時に紙で根を包むPMMoVの防除法」や「ピーマンおよびパプリカの養液土耕栽培技術」、「無側枝性キクの養液土耕栽培」などについて、慣行栽培との違いや期待される効果、収量や作業性についての説明を行いました。
研修会ではピーマンやパプリカの収益性に関する質問や、養液土耕を導入した場合の費用など、質問が多く出され関心の深さが伺えました。
写真1:収獲したピーマんの品質確認
写真2:センリョウの生育状況の確認
写真3:キクの栽培状況の確認
11月9日、茨城県内の女性農業士で構成される「美望クラブ」から8名の方々が来所されました。当所では試験の実施状況について、ピーマンのPMMoV抵抗性品種比較圃場や、養液土耕栽培による根域隔離栽培圃場、パプリカの品種比較圃場、千両の品種選抜圃場、キクの養液土耕栽培圃場等を見学していただきました。
来所された女性農業士の方々は、普段あまり目にすることがない養液土耕やピーマン、パプリカ、千両、キクの品種、病害虫防除等について熱心に質問されていました。
写真1:センリョウの生育状況の確認
写真2:キクの栽培状況の確認
10月19日、当所において、ピーマンの生産者や関係機関担当者等計56名が出席して、平成19年度第1回農業改革実践会議ピーマン、パプリカ主要課題現地検討会を開催しました。
今回の検討会では「ピーマンの立ち枯れ症の原因究明と防除技術の確立」、「ピーマンの養液土耕を利用した根域隔離栽培による土壌病害虫防除技術」、「環境に配慮したパプリカの高品質安定多収技術の開発」に関する今年度の中間結果の発表と質疑応答を行った後、所内のハウスで実際の栽培を見ながら検討を行いました。
参加者からは立ち枯れ症の対策や隔離床の設置方法、天敵の導入方法について質問や意見がでて、活発な意見交換が行われました。
写真1:ピーマンの栽培状況の確認
写真2:収獲したピーマんの品質確認
写真3:室内検討の様子
10月16日、独立行政法人国際協力機構(JICA筑波センター)より、アジア・アフリカの13か国の研究者や普及員等16名が来所され、視察研修会を行いました。
当所では、鹿島地域の農業概況や、鹿島地帯特産指導所の試験研究機関としての役割や、ピーマン、パプリカの試験状況の説明と場内見学を行いました。
今回の研修が、参加国の将来の営農に少しでも生かされることを期待します。
写真1:ピーマンの栽培状況の確認
写真2:収獲したピーマんの品質確認
写真3:ハウス前での説明
鹿島地帯特産指導所において18年度の試験成績及び19年度の試験設計について検討会が行われ、生産者や関係機関などから51名の参加がありました。検討会はピーマン、パプリカ、センリョウ、輪菊の品目で計5課題発表し、質疑応答が行われました。
発表課題の「隔離床と養液土耕を組み合わせた新しい防除技術」では隔離床の栽培に伴うピーマンの食味の変化について、「エライザ法によるPMMoVの発病診断」では、エライザ診断の土壌採取法について、質問や要望が参加者よりあげられました。両課題は臭化メチルの新しい防除体系を開発する課題であり、臭化メチルが国際的に使用規制され、新しい防除体系が現場でも必要とされているため、高い関心が集まりました。
また、センリョウについては、特産指導所で育種した系統を現地圃場に移して適応性の試験を行ったところ、今年度3品種の有望系統を選抜することができました。センリョウの育種は、播種から収穫まで3年以上かかるため、他の作物より長い年数が必要です。そのため、有望系統を現地圃場で選抜できた意義は大きいと考えられます。今後は、有望系統の品質や収量について、生産者や市場などと検討を重ね、普及に向けて取り組んでいきます。
写真1:室内検討の様子
写真2:室内検討の様子
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