梅の収穫の目安-表面や充実度で判断-(2017年5月)

梅の収穫はなにを目安にするの?

梅の実の写真

もう少しすると梅雨(つゆ)入りでしょうか。梅雨の由来は、梅の果実が熟す頃の雨だからと言うのも一説とか。5月下旬になると、「そろそろ梅酒や梅干しを漬け込む準備をしなくては・・・」と思いをめぐらすころかと思います。今回は、梅の収穫の目安をあらためて確認しましょう。

まず、梅酒、シロップ漬け用の青梅の収穫適期は、次の2つが目安となります。
『果実の外観』から判断します。果実表面の細かな毛が半分程度なくなり表面がツルツルしてきて、果実が丸みをおびてきた頃です。
せん定用ハサミなどで果実を種子ごと切り割り『種子の充実度合』から判断します。未熟果は種子の表面が白く種子内部がゼリー状です。適熟になると種子の表面が褐色となり種子内部が白色に固化しますので、その頃から収穫をはじめましょう。収穫は1本の樹でも周辺部が内部より早く熟す傾向があるので、樹の周辺部から大きい青梅を収穫しましょう。梅の果実は収穫するまで肥大しますので、何回かに分けて収穫すると良いでしょう。青梅用品種としては「白加賀」が有名ですが、品種を問わず加工できます。

一方、梅干し用の果実は、樹になった状態で完熟したものが最適です。梅の畑を草生栽培にして樹の下にネットなどを張っておくと、自然落果した完熟果実を楽に収穫できます。それを梅干しにすると果皮が薄く、果肉も柔らかく、風味も良いおいしい梅干しに仕上がります。また、完熟ではなくても果実が黄緑色~黄色になれば適熟と判断して梅干しに使えます。梅干し用の品種としては、やはり「南高」が美味しく仕上がるようですが、その他にも様々な品種で梅干しが作られています。ただし、品種によっては果実にヤニが溜まる生理的な症状があり、そのような果実および品種はあまり梅干しには適しません。果皮の外側にヤニがでている場合は取りのぞけばよいですが、果皮の内側(果肉の中)にヤニが溜まっていると梅干しにした時にヤニの部分が硬くなり食感が悪くなるからです。 梅の収穫や加工は、旬の今しか味わえない楽しみです。思う存分楽しみましょう。

専門技術指導員室N.K

2017年05月29日