今年の菜園利用計画-連作障害や病害虫考慮-(2016年1月)

今年の菜園利用計画を立てましょう

一年間の栽培計画を立てることは、限られた畑を無駄なく効率的に活用するうえで非常に大切なことです。その際、日当たりや連作障害、病害虫防除などの対策を考慮する必要があります。背の高い野菜は日当たりの都合上、いつも北側または西側に作付けしがちです。その場合でもトマトやナス(ナス科)、キュウリ(ウリ科)、エンドウ(マメ科)、トウモロコシ(イネ科)などを計画的にローテーション(輪作)し、同じ科のものが続かないよう工夫しましょう。

なお、トマトやキュウリなどの果菜類では接ぎ木苗がホームセンターなどで販売されています。昨年育ちが悪かった、途中で枯れてしまったという場合には土壌伝染性の病害が疑われますので、これを回避するために接ぎ木苗の利用を考えてみてください。

堆肥の種類と土づくり

おいしい野菜をたくさん収穫するための第一歩は土づくりです。冬の間に完熟した堆肥を施しておきましょう。1平方メートルあたり2~3キログラム程度、土の表面がうっすら覆われる位に散布し、耕耘しておきます。堆肥は家畜ふんと植物質(もみ殻、稲わら、おがくずなど)を混合して腐熟させて作られたものが市販されていますが、原料となる家畜ふんの種類によって性質が違います。鶏ふん堆肥はチッソ、リン酸、カリなど肥料成分の含有が総じて高く、しかも分解が早いため、その効果は化成肥料に似ており、使いすぎないよう注意が必要です。一方、牛ふん堆肥はチッソ、リン酸の含有率が低く、分解には長期間かかるため、肥料としての効果は小さく、土をフカフカにする物理的改善効果が期待できます。豚ぷん堆肥は大まかに言って両者の中間的な性質です。

コンポスターなどを利用して野菜クズや落ち葉などで自家製堆肥を作る場合には、十分に腐熟してから使うようにしてください。臭いが残っているような未熟なものは根を傷めたり、病害虫の発生を助長したりするので、絶対に使用しないようにしてください。

専門技術指導員室H.K

2016年01月25日