落葉果樹の植付け-根付き早い秋植えで-(2017年11月)

柿の木に登る猿のイラスト

茨城の気象条件には、どのような果樹が適しているのでしょうか。茨城県内の気象観測地点における年平均気温は12~14℃程度、過去の最低極温は地域により異なりますがマイナス7~マイナス5℃程度です。

のような自然条件で安定して果実を生産できるのは落葉果樹です。秋になると葉が紅葉して落葉するカキ、クリ、ナシ、ブドウ、リンゴなどです。これに対して、ミカンなど常緑果樹のカンキツ類は寒さに弱く、茨城県内での栽培適地は限られています。

そこで今回は、茨城県内で広く栽培できる落葉果樹の苗木の植付け方法を紹介します。植付け時期は、秋植え(11月中旬~12月上旬)と春植え(2月下旬~3月上旬)があります。秋植えの方が、根づきが早く翌春の初期生育が良いので秋植えを基本にします。ただし、冬の寒さが厳しい地域では凍害が心配なので春植えにしましょう。

畑に新しく植える場合は、植付け前に完熟堆肥および土壌改良資材をまいて土づくりを行います。植え替えの場合は、連作障害などによる生育不良が心配なので、過去に樹があった場所を避けるように植え付けます。植付け場所は、直径100センチメートル、深さ50センチメートルの範囲を掘り起こして、腐葉土などの完熟堆肥、ようりん、石灰などをよく混ぜて埋め戻します。

苗木は徒長気味の長大なものを避けて、枝が硬く締まって充実したものを選びましょう。植えつけまで根を乾かさずに管理して、根が長い場合は適宜切りつめます。

植える場所の準備ができたら、そこに苗木の根を四方に広げるようにして、根がかくれる程度の土をかぶせて浅植えにします。苗木の接ぎ木部は地上部に出して、深植えとならないように注意しましょう。

植え付け後、十分にかん水して土が乾燥しないように、敷きワラなどで表面を覆います。また、苗木は支柱に固定し、高さ80~100センチメートルで切り戻します。翌春には、新芽が力強く伸びだすことでしょう。美味しい果実を成らせるにはこれからが本番、楽しみながら育てましょう。

専門技術指導員室N.K

2017年11月27日