果菜類の初期管理-「わき芽かき」は確実に-(2015年5月)

連休にかけて野菜苗を定植された方も多いと思いますが、植えたままでは品質の良い果実は実りません。そこで、今回は5月上旬頃定植した露地野菜(果菜類)の株づくりや果実の付け方などの初期管理について説明します。

トマト(大玉)

トマトのイラストと半分にカットしたトマトのイラスト

わき芽を順次かき取って1本仕立てにします。わき芽かきは晴天日を選んで小さいうちに行って傷口を小さくし、すぐ乾くようにします。特に花房(花が付いた房)のすぐ下のわき芽は勢いが良いので、取り遅れないようにします。第1花房(最初に付いた花房)を確実に着果させることがその後の生育のバランスを保っていく上で非常に重要ですので、ホルモン(トマトトーン)処理をして確実に着果させます。花が3~5花くらい咲いたとき、片手で開花した花だけを指の間から出して、つぼみや新芽にかからないように霧吹きなどを使って1花房につき1回だけ散布します。着果数は1段目3個、2段目以降4個が目標です。これ以上着果した場合には早めに摘果します。なお、ホルモン剤を使用する際にはラベル等を必ず確認して使用してください。

ナス

ナスのイラスト

1番花が咲いた枝(主枝)と、1番花の下から出たわき芽(側枝)2本の計3本を伸ばした3本仕立てにします。それ以下のわき芽は早めにかき取り、株元の風通しを良くします。1番花を着果させたままにすると株に負担がかかるため、もったいないようですが摘果して、株づくりを優先させます。

キュウリ

キュウリのイラスト

立ち作り(支柱を立てて縦に誘引していく方法)では、5節くらいまでのわき芽(子づる)と雌花は早めに除去し、以降の子づるは1~2節で摘心していきます。摘心したところから出たわき芽(孫づる)も混まないように適宜数節で摘心していきますが、この時、必ず勢いの良いつるを2~3本残すようにして樹勢を保つようにします。古い葉や病気による被害が大きい葉を週1回くらい摘葉しますが、一度に多くの葉を取ると株への負担が大きいので、1回あたり2~3枚にとどめます。

専門技術指導員室H.K

2015年05月25日