土のpHを測定‐弱酸性の土壌が最適‐(2018年1月)

自分の畑のpH(ピー・エイチ)を測定したことはありますか?
土が酸性かアルカリ性かは、一般にpHという指数で示され、0~14の数値で表します。pH7が中性で、それより小さな数値は酸性、大きな数値はアルカリ性です。

作物が育つ土とは

多くの作物はpH6.0~6.5の弱酸性の土壌でよく育ちます。pHが低く酸性に傾きすぎると、石灰や苦土などが欠乏しやすくなったり、土のアルミニウムが溶け出して根の生育を妨げたりします。
また土には、雨やかん水で養分が流れることを防ぐ保肥力があり、pHが低くなるとこの保肥力が弱まります。逆にpHが高くアルカリ性に傾きすぎると、ホウ素やマンガンなどの微量要素の吸収が妨げられ、欠乏しやすくなります。

土のpHを測定してみよう

pHの測定について、厳密な方法は高価な機器が必要なので、ここではpH試験紙を使った大まかな方法をご紹介します。土のpHのだいたいの目安としてご活用ください。なお、pH試験紙は、インターネット通販などで千円程度で購入できます。
土は、移植ゴテなどを使って採取して洗い桶などの容器でよく混和します。この土を20グラム量りとって、ペットボトルなどのフタの出来る容器に入れ、蒸留水(pH7程度を確認した水道水でも可)50ミリリットルを加えて、フタをして1分程度よく振り混ぜます。その後、液の濁りがおさまるまで静に置いておき(30分程度)、この液にpH試験紙を浸して色の変化を色見本と見比べてpHの値を読み取ります。

土の健康を管理する

土のpHは、作物を育てるうえで最も基本的な指標であり、高くても低くても良くないという点で「人の体温」に例えることが出来ます。皆さんが健康の目安に体温を測定しているように、土の健康維持はpHを測定して管理しましょう。pHが低い場合は炭酸カルシウムなどの石灰資材を施用し、高い場合は石灰資材の施用を控えましょう。

専門技術指導員室Y.F

2018年01月29日