ブドウ栽培-雨よけで病気を抑える-(2016年6月)

ブドウのイラスト

「ブドウ大好き!」という人は、たくさんいることでしょう。最近では、「巨峰」等これまでの品種に加えて、「シャインマスカット」のような甘く皮ごと食べられる種なしブドウの人気が高まっています。ブドウの魅力にひかれて自分でブドウづくりを始める人もいますが、上手につくるには雨よけなどの対策をしっかり準備することが必要です。ブドウ栽培は細やかな管理作業が多く、果樹類のなかでも最も作業に時間を要する手間のかかる品目です。プロのブドウ農家の方々も、管理作業や病害虫対策で収穫までに気が抜けない日々が続きます。

ブドウは雨が大敵です。生育期がちょうど高温多湿の気候のため、雨で濡れることで病気にかかりやすくなります。そこで、パイプハウスやトンネルなどのビニル被覆できる施設の下で栽培することで、病気の発生を抑えて農薬などの使用も少なくできます。

ブドウは、5月下旬から6月上旬にかけて花が咲きます。咲いたときは小さい花ですが、日に日に果実が大きくなります。今からでも遅くはありません、ひと手間加えて美味しいブドウづくりを目指しましょう。

美味しいブドウづくりの基本は、樹の大きさや樹の勢いにあった適量の果実を実らせることです。葉で光合成された養分は、果実に移って糖分になりますが、限られた葉の数に対して果実が多すぎると果実1個あたりの糖分が少なくなります。葉の数に応じて、果実の数や大きさを調節することが大切です。一般的には、果実1房あたりの粒数は「巨峰」等が30粒、「シャインマスカット」等が50粒程度になるように粒をぬきます。そして、葉30枚あたり果実1房になるように余計な房を摘み取ります。もったいないようですが、果房が多すぎると糖度が高くならず、さらに黒色や赤色になる品種では色づきも悪くなります。また、葉が茂りすぎて葉が重なり暗くなると、果実の品質や翌年使用する花芽の分化にも悪影響を及ぼしますので、新しく伸びた枝は葉10枚を残しその先を摘み取り(摘心)ましょう。

 

専門技術指導員室N.K

2016年06月27日