秋の露地野菜作付け-食害や軟腐病対策重要-(2015年9月)

9月はキャベツ、ハクサイ、レタスなどの秋の露地野菜の作付け時期です。ハスモンヨトウやハイマダラノメイガによる食害や軟腐病の被害で野菜が収穫できなくなることもあり、注意が必要です。

葉に数百個の卵

ハスモンヨトウは野菜類、豆類、花き類、果樹など多くの作物を食害し、特にハクサイなどアブラナ科野菜やレタスの被害は甚大です。雌の成虫は葉に数百個の卵を産み付け、卵の塊は薄茶色の毛に覆われています。

ふ化したばかりの幼虫は群がって一斉に葉を食害し、葉が透けたようになります。その後、葉脈を残して葉を食べ尽くします。幼虫は、昼間は葉の裏や地面の近くに潜み、主に夜活動します。

卵やふ化したばかりの幼虫の集団を見つけたら、つぶすか葉ごと取り除きます。幼虫は薬剤の効果が低くなる前、小さいうちに防除することが肝心です。

3~5日でふ化

ハクサイ、ダイコンなどのアブラナ科野菜は、ハイマダラノメイガの幼虫の発生に注意します。雌の成虫は、卵を株元の葉や茎に1株につき1個から十数個ずつ産み付けます。3~5日でふ化し、幼虫が株の中心の柔らかい葉を食害するので芯が伸びなくなります。

食害を確認したら1週間ごとに2回程度薬剤を散布します。生育が進むと被害は少ないため、初期の対策が重要です。

傷口から感染

軟腐病の菌は土の中に生存し、ハクサイ、レタスなどの作物を栽培すると増殖します。菌は雨などで跳ね上がり作物に付着し、傷口から菌が伝染します。初めは地面に接する外葉がしおれて垂れ下がり、その後に株全体がしおれて枯死します。腐敗した葉などは独特の悪臭を放ち、診断の決め手になります。

草取りなどの際にはできるだけ葉を傷つけないよう注意します。台風などで作物が傷んだり、害虫が食害したりしたところから菌が感染しますので、台風の前後の薬剤散布を徹底してください。

 

専門技術指導員室T.O

2015年09月28日