花壇苗の発芽-水分や温度を適切に-(2017年3月)

3月になると日が延びて日差しも強くなり、日中の気温は10度を超えてきます。花壇苗の種まきにはまだ少し早い印象ですが、ハウスやトンネルなどの保温施設や屋内を利用して自前で苗を育ててみましょう。

苗が芽吹くイラスト

発芽適温は種類にもよりますが、20~25度くらいです。これよりも温度が多少低くても、日数はかかりますが発芽してきます。温度を取りたい場合は園芸の温床マットなどを利用します。

種まき用土は、保水性・排水性に優れ、無菌のものを用います。市販の種まき用土を使うと簡便です。容器は育苗コンテナやセルトレイ(128~200穴程度)を使うと良いでしょう。

うまく発芽させるには水分や酸素、種類ごとの適温、光条件(好光性か嫌光性か)などを整えることが重要です。好光性種子には、インパチェンス、ペチュニア、ベゴニアなどがあり、種をまいたら土はかけませんが、好光性種子でも乾燥を防ぐため薄く覆土をしたほうが良い場合があります。ジニア(ヒャクニチソウ)やビンカ(ニチニチソウ)など嫌光性種子は種をまいたら土をかけます。

種まき後の育苗管理については、発芽するまで適温を保ち、水分を十分に確保することが大切です。新聞紙を発芽容器の上にかけるなどして、湿度を保つと良いでしょう。好光性種子では、発根、発芽までは、種が流れないように容器の底から給水するか、霧吹きを使ってかん水します。

発芽後は日当たり、通風の良い環境の下で管理します。ハウスやトンネル内の気温が上がりすぎないよう、25度くらいになるよう換気します。かん水は土が乾かない程度にします。

肥料は用土に混ぜていない場合、本葉が出て生育が旺盛になってきたら、薄めの液肥(窒素成分が10パーセントなら2千~千倍くらい)を1~2週間に1回程度施用します。苗が大きくなったらポリポットなどに鉢上げして育成し、降霜の心配がほとんどなくなる4月下旬以降に花壇やプランターなどに定植します。

専門技術指導員室T.K

2017年03月27日