落葉果樹の植え付けについて(2018年11月)

 

親子で木の苗を植えているイラスト

 茨城の気象条件は、どのような果樹の栽培に適していると言えるでしょうか。
水戸地方気象台における、昨年の日平均気温の年平均は、14.2℃で、年間で最も低い気温は、マイナス6.2℃にもなります。このような低温に遭遇する自然条件下で安定した果樹生産を行うのに適しているのは、カキ、ウメ、ブドウをはじめとした落葉果樹です。もちろん、常緑果樹であるかんきつ類も栽培は可能ですが、比較的寒さに弱く、県内での栽培適地は限定されます。

 そこで今回は、落葉果樹の苗木について、一般的な植え方をご紹介します。
まず、植え付け時期は、秋植え(落葉後~12月上旬)と春植え(2月下旬~発芽前)の二通りあります。一般的には、秋植えの方が根の活着が早く、翌春の初期生育が良いので秋植えを基本にしますが、冬の寒さが厳しい地域では、凍害等を避けるため、春植えにすることも検討しましょう。
植え付け場所は、直径100cm、深さ50cm程度の範囲を掘り起こし、腐葉土や土壌改良資材を適量混和して埋め戻します。
苗木は、深植えにならないように気を付け、用意した植え付け場所の中央に、根を四方に広げて、しっかり土をかぶせます。必ず支柱を立て、苗木をしっかり固定しましょう。
また、接ぎ木苗(根を利用する台木部分に、目的の果実をならせる品種部分(穂木)を接いだ苗)の場合は、接ぎ木部分を埋めないよう、地上に出すようにします。

 なお、購入した苗木は、植え付けまで根を乾かさないことが重要です。定植するまでに時間がある場合は、束ねてある苗木を一本ずつばらして、根がすべて隠れるようにしっかり覆土して、仮り植えしておきます。
 苗木の定植時には、埋め戻した土がなじむよう、たっぷり水やりをしてください。また、春以降は、土を乾かしすぎないように、定期的な水やりをすることが大切です。
 樹を順調に生育させ、おいしい果実をならせるまでに必要な年数は、苗木の生育次第で大きく前後します。丁寧な管理を心掛けましょう。

専門技術指導員室N.A

2018年11月27日