歴史ある産地で光圀が愛した茶の復活(2017年9月)

城里町
JA水戸古内茶生産組合

写真:茶畑の風景

(写真1:茶畑の風景)

古内茶は、奥久慈茶・猿島茶と並ぶ茨城三大銘茶のひとつに数えられています。古内茶の起源は古く、室町時代初期に栽培が始まったとされ、茨城県で最初に茶が栽培された場所と言われています。

内茶の産地である城里町古内地区は、山に囲まれた地形になっています。一日の寒暖の差がはげしく、夜から朝にかけて、冷え込みます。その中を藤井川の清流が流れているため、たびたび川霧が発生します。このことにより、茶畑は霧に覆われ太陽光が適度に遮られることにより茶葉のうま味がつくられるといわれています。

自園・自製・自販中心で、一番茶のみの販売

写真:審査会の様子

(写真2:審査会の様子)

JA水戸古内茶生産組合は、昭和47年に結成されました。現在、組合員は11名で、約11ヘクタールの茶が作付けされています。組合員の経営形態は、自園・自製・自販中心であり、一番茶のみの販売となっているのが特徴です。 組合では、毎年5月に審査会を開催し、各組合員が持ち寄った製品を価格ごとに審査し、古内茶としての品位の維持に努めています。また、地元城里町民祭りや水戸の梅まつり等々のイベントに積極的に参加・出店し、産地のPRと古内茶の販売促進に取り組んでいます。

光圀公ゆかりの茶復活へ

写真:清音寺にある「初音」の母木

(写真3:清音寺にある「初音」の母木)

かつて、徳川光圀公が愛した古内茶「初音」を復活させようと、当組合による取り組みが始まりました。 平成26年7月、城里町古内地区の清音寺に1本だけ残っていた母木から挿し穂約1000本を切り出し、組合員の圃場2か所と茨城県県山間地帯特産指導圃場の計3か所でそれぞれ挿し木し、育苗しました。(写真は清音寺にある「初音」の母木)

組合員と関係機関が連携し、適宜管理された苗木は、平成29年4月に、古内地区にある島家住宅(城里町登録有形文化財)に定植しました。約5年後に収穫可能となり、お茶として楽しむことができる予定です。

笠間普及センター

2017年08月31日