茨城県の普通作農業を支える県内一の種子産地(2017年10月)

石岡市
JAやさと採種部会

写真:ほ場管理の様子

(写真1:ほ場管理の様子)

石岡市八郷地区で46年にわたり、水稲・麦類の種子を生産しているJAやさと採種部会は、茨城県内の種子生産量のおよそ3割を担っています。

徹底した栽培・品質管理

平成27年度は、水稲、麦、ダイズの種子を約250ヘクタールの圃場で生産しました。圃場数は千筆を超えます。採種農家75名は、各自が管理するすべての圃場に最低3回は、異品種や突然変異した種子が混入しないように、異株抜きを行います。水田の全面に足跡が残るほど、圃場の中を歩いて管理します。また、病害ができるだけ発生しないように水稲は3回以上、本田の薬剤防除を行います。

写真:除草剤展示ほ効果確認会の様子

(写真2:除草剤展示ほ効果確認会の様子)

徹底して管理された圃場は、2度の審査を経ます。収穫後、厳しい外観品質検査や発芽試験等の生産物審査をクリアしたものだけが種子として流通します。

写真:小麦下見審査の様子

(写真3:小麦下見審査の様子)

耕うん同時畝立て播種栽培の導入

採種部会では、麦・ダイズでの生産を安定させるために、平成25年から耕うん同時畝立て播種栽培に取り組んでいます。この技術が導入されたことで湿害が軽減され、石岡市の水田での小麦の平均収量はおよそ2倍に増加し、茨城県平均をやや上回るようになりました。また、導入後は毎年、安定して契約数量を確保できるようになりました。

写真:耕うん同時畝立播種の様子

(写真4:耕うん同時畝立播種の様子)

高密度播種育苗栽培への取り組み

水稲は、毎年20圃場程度、新規の除草剤を試験し、巡回して効果を検討、導入しています。また、メーカーの協力により部会の主催で高密度は種育苗栽培の現地検討会を開催し、田植作業の実演を行いました。実証圃は、慣行の半分程度の苗数で生育は遜色ないことが確認されたことから、来年はさらに取り組みが広がる見込みです。

(写真5:密苗現地検討会の様子)

このような様々な取り組みは、役員会が中心となって、部会自らが企画、運営しています。

JAやさと採種部会は、これからも、茨城県内の普通作農業を種子の供給から支える責任ある産地として維持発展できるように、努力を続けています。

土浦普及センター

2017年09月28日