少数精鋭で高品質な輪ギクを生産(2015年5月)

神栖市
JAしおさい波崎菊部会

写真:選花風景

(写真1:選花風景)

神栖市は茨城県の南東端に位置し、海と利根川に挟まれた茨城県内でも珍しい砂質土壌地域です。ピーマン、センリョウ、ワカマツの主要産地として有名ですが、その中で当部会は高品質な輪ギクを生産し市場からも高い評価を得ています。

年間350万本以上を出荷

写真:生育の様子

(写真2:生育の様子)

JAしおさい波崎菊部会は、黄色品種を中心に周年で輪ギク栽培を行っています。部会員8名、総栽培面積4.5ヘクタールと規模は大きくありませんが、部会員全員が輪ギク専作農家であり、多くの圃場で年3作が行われ、年間350万本以上の輪ギクを周年出荷しています。部会員の士気も高く、新しい技術や品種の導入も積極的に行われており、平成24年に茨城県の銘柄産地に指定されました。

需要に適う品質の維持

写真:キク(黄色)

(写真3:こだわりの黄色)

当部会が生産する輪ギクは、7割以上が黄色です。これは、産地として存在感を示すための大きなこだわりです。常に新品種の試作に取り組み、商品性の高い品種を探求しています。またキクの需要期である3、7、8、9、12月の出荷に合わせて、出荷先の市場を招いて圃場巡回を実施し産地状況を確認します。求められている輪ギクの草姿について市場関係者から出される意見を参考に、消費者が求めている姿に仕上げていくよう栽培技術の向上に努めています。

布団資材の導入で燃油の使用量削減も

部会員全員がエコファーマーの認定を受けており、硫黄燻煙による病害予防対策をとり、化学農薬散布回数の削減に取り組むなど、環境に配慮した栽培を心がけています。また、省エネルギー対策として国内でも導入事例の少ない韓国式高断熱資材(通称 布団資材)を導入し、温室効果ガス排出につながる燃油の使用量削減にも取り組んでいます。

さらに、研究機関と連携し、他の花き類と組み合わせた花束作成時に排出されるゴミ削減につながる「アジャストマム」(※)の試験的な導入を進めており、持続可能な農業を積極的に推進しています。

(※)「アジャスト(合わせる)マム(菊)」と言う事で実需者の用途に合わせた出荷形態の事

写真:ビニールハウスに資材を設置しています。

(写真4:布団資材導入の様子)

鉾田普及センター

2015年04月29日