5名の若手農業者が6次産業化(2018年11月)

境町
株式会社フェルミエ・オネット

写真1:地元レストラン「GOOD DAY」に協力してもらい、レストランでの使用イメージの検討会を実施(右・左

(写真1:地元レストラン「GOOD DAY」に協力してもらい、レストランでの使用イメージの検討会を実施(右・左))

境町は県西部に位置し、都心から50km圏内にある首都圏の農産物供給基地で、米・麦等の普通作やレタス・カリフラワー等の露地野菜を経営の主体とした地域です。平成28年9月に境町の若手農業者5名が、自ら生産した農産物を加工・販売する会社(株)フェルミエ・オネットを設立しました。

※フェルミエ・オネットはフランス語で「正直な農家」という意味

玄米を使ったジェラートの開発

(写真2:富山県氷見市の川田食品(株)を訪問し、打合せと製造工場の見学(左)完成したジェラート(右))

(株)フェルミエ・オネットのメンバーは、商品コンセプトを固めるために、検討会をたびたび開催する中で、農産物を多く使用したジェラートを開発することを決めました。また、自分たちが生産している農産物の味をはっきり出すために、牛乳の代わりに米から作られた「ライスミルク」を主原料としました。ライスミルクは欧米を中心に普及しており、牛乳や豆乳に代わる第三のミルクと言われています。

当初は自分たちで製造しようと、試行錯誤し試作を重ねましたが、専門的な技術や機械がないことから、なかなか納得のいく味に仕上げられませんでした。そのため、ジェラート専門の製造会社である富山県の川田食品(株)と連携し、商品を開発することができました。また、地元の農業者ともコラボし、イチゴや紅茶フレーバーの商品開発も行いました。

地元企業との連携と販路開拓

(写真3:アグリフードEXPO東京2018出展のようす)

販路開拓と実需者ニーズの把握のため、平成28年から毎年アグリフードEXPO東京に出展しています。
その際に試食とアンケート調査を実施していますが、「乳」や「卵」を原材料に使用していないメリットがあることから、病院やホテル等の関係者が多く集まり、関心の高さが伺えました。また、飲食店向けの2Lの業務用商品をPRするために、飲食店で提供した場合のメニュー案を、地元のレストランに作成してもらう等、地元企業との連携も行っています。また、認知度の向上を積極的に行った結果、今年度は地元フリーペーパーの他、JAが発行している全国誌「家の光」等からも取材を受けました。

長く愛される会社になるために

今後も、(株)フェルミエ・オネットは販路の確保等の営業や、民間企業との連携を図りつつ、「さらに良いモノを提供する」を企業理念に持って、会社経営のさらなる発展を目指します。



県西農林事務所坂東地域農業改良普及センター

2018年10月26日