地域に先駆けたマーケティング経営(2014年1月)

八千代町
四季菜くらぶ

写真:四季菜くらぶ会員の集合写真。ひまわり畑で横一列に並んでいます。

(写真1:四季菜くらぶ会員の集合写真)

八千代町は関東平野のほぼ中央に位置し、東京都から60キロメートル圏内にある自然豊かな町です。ハクサイ、レタス、キャベツ、ネギ等の露地野菜の生産が盛んで、首都圏および地方都市への重要な青果物供給基地となっています。

この地において、レタス、ニンジン、ブロッコリー、ホウレンソウ等を計画的に生産、販売する体制を確立し、地域に先駆けてマーケティングを取り入れた経営を推進している組織があります。

八千代町における地域農業のモデル的法人

写真:四季菜くらぶの事務所

(写真2:四季菜くらぶの事務所)

農事組合法人「四季菜くらぶ」は、平成15年に発起人5名により立ち上げられ、販路の開拓や生産技術の向上、安定した出荷形態の実現に取り組んできました。現在は所属農家13戸となり、3名の職員も雇用しています(代表理事 中村清則氏)。

オリジナル肥料による適正施肥

生産においては、作物の生育にあわせた施肥設計を基本としています。このため、必要な肥料成分を無駄なく供給できるよう、肥料メーカーと共同で開発した、肥効タイプの違う数種類のオリジナル肥料を施肥体系に活用しています。

流通・販売とマーケティング

圃場・作業日ごとの生産履歴記帳も徹底されており、新鮮な農産物の提供するために集荷場では真空予冷施設等を使った予冷を行っています。また、取引先の求める品質に応えるよう、良食味品種の選定や加工歩留まり向上に適した栽培方法の研究等を行っています。

写真:真空予冷庫にフォークリフトで出荷簿物を運び込むようす。

(写真3:真空予冷庫で一気に冷やすことで新鮮さが長持ち)

さらに、販売専属の職員が注文に応じて生産者に出荷量や規格の情報を提供するなど、顧客の高い要望に迅速に応えられるシステムを確立しています。

育っている若い力

写真:フレッシュなレタスの収穫作業

(写真4:フレッシュなレタスの収穫作業のようす)

後継者育成にも熱心に取り組んでおり、構成員の約6割が後継者を確保しています。今後も、自然や八千代町の農業を守り続け、また、食を生産し供給し続ける社会的責任者の見識を持ちながら、組織の運営や発展、次世代を担う後継者の育成がますます期待されます。

結城普及センター

2013年11月27日