耕作放棄地再生に取り組んだ産地-北茨城市-(2014年2月)

北茨城市
峰岸果樹生産部会

北茨城市峰岸果樹生産部会(会員数14名)は、平成22年に耕作放棄地約2ヘクタールを再生させ、北茨城市から苗木代の助成を受け、イチジク、ブルーベリーなどを植付けました。この組合の特徴は、部会員すべてが、峰岸地区の有志で構成されていることで、年間30回以上の管理作業を部会員の共同作業でこなしています。

省力型樹形管理実証圃を設置

(写真1:「食と農のチャレンジ事業」で設置した、省力型樹形管理実証圃)

事業導入は、23年度に「食と農のチャレンジ事業」で省力型樹形管理実証圃を設置し、作業しやすい園地環境をつくりました。今年度は北茨城市の獣害対策協議会を通じて電気牧柵を導入し、頭を悩ませていた獣被害を最小限に抑えることができました。

生物農薬の試験導入

ブルドーザーで資材を運ぶようす。

(写真2:バーク資材を通路や株もとに敷き詰め、雑草対策と乾燥防止)

ブルーベリー・イチジク植付け時に、地元製材所から提供を受けたバーク資材を通路、株もとに敷き詰め、雑草対策・乾燥防止に役立てています。
また化学農薬を減らす取り組みとして、生物農薬の試験導入を行っています。

地域の子供たちへの食育支援と利用拡大

子供たちの思い出づくりとして、苗木植付け当初から地元明徳小学校と連携して食育体験を行ってきました。昨年7月には5年生(34名)全員を招いてブルーベリー摘み取り体験を行いました。1人1人にパックを手渡し摘み取り、収穫したブルーベリーは、土産として持ち帰ってもらい、家族団らんに役立ててもらいました。

写真:子供たちにブルーベリーの収穫作業を教える様子

(写真3:摘み取り体験の様子)

イチジクは、消費拡大の一環として毎年収穫期に、消費者を招いて加工・料理づくり講習会を開催しています。昨年は、生食以外の食べ方普及を目指してサラダ、甘露煮等を披露して好評でした。

販路拡大と加工品づくり

(写真4:消費者を対象にした、イチジクの加工・料理づくり講習会の様子)

イチジク、ブルーベリーは、昨年から本格販売を開始しました。イチジクの生果は庭先販売が中心で、硬めのものは市場からの注文に応じています。また、地元旅館・ホテルなどに甘露煮用の食材提供もしています。今後の計画は、販路拡大・ドライフルーツ等加工品への取り組みを推進していく予定です。

常陸太田地域農業改良普及センター

2014年01月29日