歴史ある産地で高付加価値キュウリの生産(2019年1月)

常総市
JA常総ひかり千石胡瓜生産出荷協議会

(写真1:箱詰めされた、品質の良い揃ったキュウリ)

常総市石下地区(旧石下町)は、中央に鬼怒川、東に小貝川、西に飯沼川が流れ、豊富な水量と肥沃な土壌を活かした一大水田地帯です。一方で、この豊かな土地を活かし、野菜経営も盛んに行われており、ハクサイ、レタス、ズッキーニをはじめ、多様な高品質野菜が生産されています。
特に、石下地区で生産されるキュウリは、「千石キュウリ」のブランド名で50年以上、消費者に親しまれている、県内屈指の老舗産地です。

豊作への思いを込めて

(写真2:元気に生育するキュウリ立毛のようす)

「千石キュウリ」は、隣接する旧千代川村(現下妻市)と旧石下町にまたがった産地で栽培されており、ブランド名の「千石」は地域の頭文字と豊作への願いを込めた「千石獲り・万石獲り」にあやかり、命名されました。産地の歴史は古く、昭和30年代の露地ネット栽培に始まり、昭和30年代後半から鉄骨ハウスでの施設栽培への移行、オイルショックや、昭和・平成の二度の水害を乗り越え、現在、21戸が、28haの栽培に取り組んでいます。
産地では、美味しいキュウリを消費者へ安定的に届けるため、加温作型(収穫期間:1~6月)と、抑制作型(同:9~11月)を組み合わせ、周年的に出荷しており、長年の経験から培った栽培技術と有機資材を積極的に利用した土づくりとが相まって、「千石キュウリ」は、味・品質とも、市場など実需者からも高い評価を受けています。

ブランド力を高める努力

(写真3:丁寧な選果の様子)

産地では、「千石キュウリ」の美味しさをさらに際立たせ、豊かな香りや味を消費者に楽しんで頂きたいと、朝どりキュウリの契約栽培にも取り組んでいます。早朝、収穫したキュウリを、各農家がコンテナに詰め、集出荷し、その日のうちに、都内スーパーの店頭に並ばせ食卓に届ける、この流通関係者と一体となった取り組みは、産地のブランド力をより高めています。
他の品目に比べ、差別化が難しいと言われるキュウリですが、このような生産者のたゆまぬ努力は、高付加価値キュウリ生産へとつながっています。

若手生産者が地域を活性化

(写真4:若手生産者による研究会「グリーンメイツ」の皆さん)

当産地においても、他産地同様、生産者の高齢化による、栽培面積や活性化など対策を講じなければならない課題があります。この対策の一環として、部会内には、若手生産者七戸を中心とした研究会「グリーンメイツ」が組織されており、日々研究や技術研鑽に励んでいます。
特に近年は、炭酸ガス施用をはじめとした環境制御や、薬剤抵抗性の発達しやすい難防除害虫への有効天敵「スワルスキーカブリダニ」を利用した試験栽培等の取り組みも始まり、成果の産地全体への波及や活性化が期待されています。
連綿と続く高い技術と、豊かな大地に育まれた「千石キュウリ」は、これからも茨城を代表する美味しいキュウリとして、消費者に親しまれていきます。

 

茨城県県西農林事務所 結城地域農業改良普及センター

2018年12月28日