耕作放棄地再生に取り組んだ産地-神栖市-(2014年3月)

神栖市
ハサキグリーンファームズ研究会

(写真1:ユーカリの収穫)

ハサキグリーンファームズ研究会は、神栖市波崎地区のユーカリを中心とした花き生産・出荷組織です。現在の会員数は10名で、センリョウ・ワカマツの栽培農家が中心です。しかし、センリョウ・ワカマツは正月用の枝物のため、出荷作業が年末に集中します。そこで、研究会新たな作物としてユーカリを導入することにより、労働力の分散化を図り、農業経営の安定化を目指しています。

オリジナル品種の導入

ユーカリは、コアラの餌というイメージが強いですが、研究会で栽培しているのは切枝を観賞用として楽しむものです。
種から育てる実生苗での栽培が一般的ですが、同じ品種の中でも葉の形が異なるなど均一な品質を確保することが困難です。そこで、研究会では葉の色形も美しい品種のメリクロン苗を導入した結果、揃いも良く、品質は格段に向上しました。メリクロン苗から栽培したユーカリは「シルバーウェーブ」と命名して、オリジナル品種として出荷しています。

神栖市に合った栽培方法を検討

写真:茨城県花き研究会の現地検討会の視察の様子

(写真2:茨城県花き研究会の現地検討会の視察の様子)

ユーカリは苗木はもちろん、成木でも原因不明で突然枯れてしまうことがあり、安定した栽培が難しい作物です。研究会では先進産地の調査・研修などを通じて、栽培技術の情報収集に努めています。
また、需要に合わせた出荷を行うためのせん定方法の工夫にも取り組んでいます。

耕作放棄地の活用

対策事業を活用して耕作放棄地を再生した圃場も活用しています。
今後も耕作放棄地を活用して栽培面積を拡大していくことを目指しています。

新たな品目への挑戦

(写真3:イタリアンルスカスの栽培の様子)

研究会では、ユーカリの他にイタリアンルスカスの栽培にも取り組んでいます。この他にもミモザやオリーブなどの品目にも挑戦し、新たに栽培する作物を模索しています。
今後も、葉物・枝物を中心とした特色のある産地づくりや、地域の担い手として活躍が期待されています。

鉾田地域農業改良普及センター

2014年02月26日