消費者ニーズに応えるオンリーワンのトマト産地(2018年4月)

北茨城市
JA常陸北茨城トマト部会

写真:ベルトコンベアからサイズごとに分けられたトマトを、コンテナに移す作業の様子。

(写真1:選果のようす)

北茨城市のトマト栽培は、栽培面積66aと小さな産地です。
JA常陸北茨城トマト部会は小室貞雄氏と吉久保憲章氏の2名で組織され、栽培暦は昭和47年からと長く、これまでに培った技術で味の濃いおいしいトマトづくりに努めています。
栽培しているのは、ファースト系のトマト(品種名ごほうび)です。
9月に定植し、12~7月まで収穫し、安全・安心で高品質なトマトを出荷販売しています。

写真:収穫期のトマト

(写真2:収穫期のトマト)

先端技術の導入で高品質・高収量

当地域では、隣接して高萩地区トマト経営研究会が設置されおり、当部会も研究会に参加し活動しています。毎年、研究会主催で会員相互の圃場を巡回し、栽培技術の検討をしています。
当部会の栽培の特徴は、多収穫栽培だけでなく、潅水を制限した栽培です。
大きさはM・S級の小玉ですが、果肉が硬く、粘質で酸味と甘みが調和し、とてもおいしいと評判です。
特に、果実の中心に星状の線が入ったトマトは糖度が高く濃厚な味となるため「レッドパワー」として差別化して販売しています。

写真:特産品レッドパワーの箱詰め(左)ほ場巡回による生育検討のようす(右)

(写真3:特産品レッドパワーの箱詰め(左)ほ場巡回による生育検討のようす(右))

また部会では全員がエコファーマーを取得し、堆肥を使った土づくりや土壌還元消毒の実施、土壌診断による適正な施肥管理等や養液土耕栽培の導入による施肥の省力化を図り、環境に配慮した農業にも取り組むとともに、おいしいトマト生産を目指しています。
平成22年からは多収栽培を目指して、炭酸ガス発生器、ヒートポンプ、環境測定器を導入し、現在、環境測定器によるハウス内環境の見える化にも取り組み成果を上げてきています。
ヒートポンプによる燃料費の削減や、炭酸ガスの日中施用による収量アップを実現しています。

写真:複合環境制御盤(左)炭酸ガス発生機(右)

(写真4:複合環境制御盤(左)炭酸ガス発生機(右))

差別化を図るためブランド名で販売

昭和63年から東京市場への出荷を始めました。現在は、契約販売を中心として東京の百貨店や地元スーパーとの直接取引を行う他、地元市場出荷やJA等の直売所で販売しています。
差別化を図るため、出荷箱にブランド名を入れて、糖度6度以上のレギュラー品は「レッドカルチャー」、糖度8度以上の高糖度トマトは「レッドパワー」のブランド名で販売しています。
レギュラー品のレッドカルチャーは4kg箱で、レッドパワーは2kg箱でM・S玉の小玉で満杯詰で出荷しています。

写真:ブランド名「レッドカルチャー」のトマトの箱詰め

(写真5:レッドカルチャーの箱詰め)

収益性を高める販売戦略を

当産地では今後も、東京の有名百貨店で販売できる食味の良い高糖度トマト「レッドパワー」の安定生産を図るとともに、レギュラー品である「レッドカルチャー」の生産量の増大を目指して収益性の高い販売戦略を展開していきます。

県北農林 経営・普及部門

2018年05月07日