地域ぐるみで「奥久慈なす」のブランド力強化(2019年3月)

常陸大宮市・大子町
JA常陸大宮地区なす部会

(写真1:黒いダイヤと評される「奥久慈なす」)

「奥久慈なす」は常陸大宮市、大子町、常陸太田市、那珂市、ひたちなか市の広域五市町を産地とし、露地作を中心に周年出荷されています。昼夜の大きな寒暖差の中で育ったナスは、皮は濃い紫色で柔らかく、身が締まっており、市場からは「黒いダイヤ」と高く評価されています。また、出荷規格の統一が徹底されており、平成28年3月に、県北地域初の茨城県青果物銘柄産地に指定されました。
産地では、ブランド力強化のため、生産部会とJA・市町・県関係機関が連携して、生産および販売の拡大を推進してきました。
今回は、JA常陸大宮地区なす部会(常陸大宮市・大子町 生産者73名)の取り組みを紹介します。

新規栽培者の確保・育成

(写真2:施設ナス圃場でのICTを活用した現地研修会)

担い手の高齢化が進むなか、地域を挙げて、JA回覧板や市町広報誌等で新たな栽培者の募集を行っています。栽培希望者への個別推進や、定年帰農者対象の農業入門講座でナス栽培を積極的に提案しています。その結果、毎年4~7名が新規で栽培を開始しています。加えて、平成28年からは部会における就農希望者の受入れ体制を整備しました。これまで、先進農家において研修生2名が受入れられ、就農定着しています。
栽培開始者には、早期の経営安定のため、部会や関係機関より重点指導が行われています。

月一回の講習と生産者同士の情報交換

(写真3:整枝せん定の管理が行き届いた圃場)

部会では、適正な整枝せん定、肥培管理、病害虫防除の徹底、GAPの推進など、月1回の講習会を実施しており、生産者同士の情報交換が活発に行われています。講習会の参加者からは、「良い管理技術を実際に見たり聞いたり実習することで、自分の経営に役立てることができた」などの声が聞かれ、ベテラン農家も新規栽培者も日頃の課題解消の場として活用しています。
また、さらなる収量確保のため、露地作ではトンネル栽培が推奨され、次年度は一割を超える生産者が導入する予定です。また、一部の施設栽培者は、炭酸ガス施用や養液土耕栽培、天敵利用などの新技術を積極的に導入しています。

レシピやオリジナルロゴマークを作成

(写真4:東京都内量販店での販売PR活動(左)JA常陸女性部と神保シェフとの「奥久慈なす」レシピ情報交換会(右))

出荷規格を徹底するため、目揃会を出荷開始期の6月と出荷最盛期の8月に実施しています。
また、量販店での産地PRや市場の要望調査を行い、出荷形態や規格の改善について情報交換を行っています。
平成30年には、JA常陸が「奥久慈なす」として地域団体商標登録を行いました。併せて、レシピ作成やオリジナルロゴマークを決定し、新たな販促ツールとして活用していく予定です。
県北地域の重要品目として期待されている「奥久慈なす」です。
生産者一人一人の工夫と努力のもと、産地一体となってブランド力の強化と産地の活性化をめざします。



茨城県県北農林事務所 常陸大宮地域農業改良普及センター

2019年02月26日