筑西市・桜川市
JA北つくば東部レタス部会
(写真1:収穫の様子)
筑西市、桜川市では、古くからパイプハウスでのこだまスイカやトマトの栽培が盛んに行われています。近年注目されているのが、ハウスで栽培される冬どり(12~3月どり)のレタスです。
輪作品目として導入
(写真2:ハウス冬どりレタス現地講習会の様子(上)ハウスレタス目揃え会の様子(下))
当地域では、長年続けてきたこだまスイカ栽培において、連作障害対策が課題となっていました。また、こだまスイカ(春~初夏収穫)+抑制トマト夏~秋収穫)の作付体系では、冬期の無収入期間があることが経営上の不安要因となっていました。
そこで、スイカ+トマトの作付体系に組み入れられる、冬期収穫の作物としてレタスの導入が始められました。
厳寒期の要望が高まり部会の結成へ
(写真3:調整作業の様子(上)ラップ機での包装(下))
ハウスレタス栽培は、筑西市で平成15年頃から数名が取り組んできましたが、市場や実需者から関東産の厳寒期(1~2月どり)レタスの要望が強くなっていたこともあり、平成19年に筑西市、桜川市の生産者17名により「JA北つくば東部レタス部会」が結成されました。
こだまスイカ栽培の保温のノウハウや資材を活用できる作物であり、さらに共同利用の自動包装機(ラップ機)を導入した共選共販体制の確立によって、部会員の出荷作業の負担が軽減されたことで、冬どりハウスレタスはこだまスイカ農家の関心を集めました。平成26年には生産者49名が15ヘクタールに作付けし、販売額1億円を越える産地まで拡大しました。
高品質安定生産を支える栽培技術
(写真4:ハウス内でのトンネルがけと生育の様子)
形が良く歩留まりも良いレタスを作るには、まず品種選定が重要です。しかし、全国でも例の少ないハウスレタス栽培に関する知見は多くありません。そこで、部会では積極的に品種比較試験を実施し、より生産性の高い品種の選定に取り組んでいます。また、冬どりレタスの栽培はハウスのみの状態から、ハウス内での二重トンネルがけまで、気温に合わせて様々な作型となります。凍害防止に保温を要する一方で、高温は形状不良球の原因となるため、天候やレタスの生育ステージ合わせた細かい温度管理を行っています。
このように、産地独自とも呼べる高度な栽培技術を確立したことで、新品目のレタス導入による施設野菜経営の改善・発展が年々図られています。
筑西普及センター