新規就農者と大学生の力で盛り上がる折笠観光ぶどう園(2019年5月)

日立市
折笠ぶどう部会

(写真1:折笠ぶどう部会では、定期的に部会員の圃場を巡回しながら、講習会を行っています)

JA常陸 折笠ぶどう部会(部会員5名、栽培面積1.8ha)は、日立市のブドウ産地の一つであり、昭和40年代後半から栽培を行っています。
近年では、折笠のブドウの良さを広く知ってもらうための販売会、付加価値を高めるための大学生と連携したロゴマークの制作、農商連携によるブドウ輸出を行うなどブランディングに積極的に取り組んでいます。

「日出づる潮騒の丘」の果樹園

折笠ぶどう部会は、海に近く夏でも涼しい気候を活かし、41種に及ぶ多品種のブドウ栽培に取り組んでいます。
「日出づる潮騒の丘」で栽培された濃厚でジューシーなブドウとして人気があり、そのほとんどは果樹園の庭先で販売が終了します。

関係機関との協力でタイへでの販路拡大

日立市の6次産業化・農商工連携事業の一環として、市内水産加工会社である小松水産(株)の協力を得て、平成29年度にタイへのブドウ輸出を試行しました。小松水産(株)の現地法人を通じて、タイの高級和食レストラン5店舗に合計11房を納品し、タイのブドウより甘くてジューシーであるとの評価を得ました。
平成30年度は、タイ語で制作した広報資料を準備しPRに努めるなど関係機関と協力・連携して販路を開拓し、38房を輸出しました。

茨城キリスト教大学との連携

(写真2:ロゴマークを活かした、おしゃれなパンフレットができました)

平成29年度より、茨城キリスト教大学地域貢献サークルHEMHEMの協力を得て、折笠ぶどう部会の産地PR活動を行っています。
Facebookでの情報発信により、若者目線で消費者へのアプローチを図っています。HEMHEMのアイデアを反映したロゴマークやパンフレットの作成(タイ用・国内用)、消費者へのPR活動は、折笠ぶどうのブランディングに貢献しています。制作したパンフレットとのぼりを使用して、十王物産センター「鵜喜鵜喜」で試食・販売会を開催しました。
ブドウの味はもちろんのこと、HEMHEMのPR活動により消費者の好評を得ました。

(写真3:HEMHEMのおかげで大盛況だった、折笠ぶどう部会による鵜喜鵜喜での試食・販売会)

技術支援とサポートで新規就農者が定着

折笠ぶどう部会は、他産地と同様生産者の高齢化、人手不足が顕在化しています。産地の維持と活性化には、折笠ぶどうの知名度を高め需要を増加する必要があります。また、新たな担い手や新規就農者の定着を促す取り組みや、果樹園の拡大に資する取り組み等を並行して行っていく必要があります。
小さな産地ながら、過去8年の間に3名(部会員2名、準会員1名)の新規就農者を受入れています。部会員が親身になって技術的支援や里親のようなサポートを行った結果、産地に新規就農者が定着しています。

6次産業化で新たな振興

(写真4:折笠のブドウをタイへ輸出しました。販路拡大のため、小松水産(株)の協力を得て、タイの実需者に対して商談を行いました)

タイへのブドウ輸出の実績やロゴマークを今後どのように活かして折笠ぶどうの価値を高めるか、また、第三者の意見を含めた産地の現状と課題を見える化し、今後の取り組み方針を定めるため、6次産業化プランナーの支援を受けています。

GAPに関する意識醸成

産地の拡大、競争力強化、ブドウの品質保証等を推進するうえでは、今後、GAP等に対応した取り組みが必要となると考えられます。
そのため、研修会等への参加を通じて、産地全体で、まずは「GAPをする」のGAPに関する意識醸成に努めています。

 

茨城県県北農林事務所 経営・普及部門
(常陸太田地域農業改良普及センター)

2019年05月07日