市場から高い評価を受けるダイコン産地(2015年10月)

牛久市
JA竜ケ崎大根生産部会

写真:目揃会の様子

(写真1:目揃会の様子)

牛久市は茨城県の南部に位置し、東京から50キロメートル圏内にありながら、牛久沼に面した筑波山を臨める風光明媚な地域です。この地の台畑地帯において、JA竜ケ崎大根生産部会により、牛久の代表的なブランド野菜である「牛久河童大根(うしくかっぱだいこん)」が生産されています。

30年の歴史「牛久河童大根」

写真:収穫間近の秋大根圃場

(写真2:収穫間近の秋大根圃場)

牛久市でのダイコン栽培は、スイカの裏作として昭和61年に6名の生産者によって始まり、平成4年から「河童大根」のネーミングで出荷するようになりました。平成15年には園芸いばらき振興協会(現茨城県農林振興公社)の「園芸きらり産地コンクール」で茨城県知事賞を受賞し、17年には茨城県で初めて、ダイコンによる銘柄推進産地の認定を受けました。

現在、部会員23名で42ヘクタールを栽培するまでになりました。高品質で持続的な生産出荷をめざして優良品種選定や病害虫防除や作期延長等の栽培技術の向上等に取り組んでおり、茨城県銘柄産地認定の日も近いと期待されています。

共同洗浄選別施設の導入で規模拡大

写真:共同洗浄選別機

(写真3:共同洗浄選別機)

部会では、春ダイコン、秋冬ダイコンそれぞれで、栽培期間中の圃場巡回や、出荷が始まる際の目揃会で取引市場も交えて規格や出荷体制の意識統一を図っています。品質の揃った「牛久河童大根」は市場から高い評価を受けてきましたが、銘柄推進産地に認定された後も出荷量が需要に追いつかない状態で、市場からは産地の規模拡大が求められてきました。そこで、平成24年に共同洗浄選別施設を導入しました。これにより、出荷調整作業に費やしていた労力を栽培規模の拡大に向けることが可能となり、作付面積は大幅に拡大しました。

安全・安心でおいしいダイコンを出荷するために

(写真4:施設GAP内部監査の様子)

支部内には、主にレンコン料理の紹介や市場での試食会などの消費宣伝活動を行う女性部と、新品種の種レンコンの供給を担う霞ヶ浦蓮根経営研究会があり、それぞれ活発に活動しています。

部会では、優良品種の選定試験を毎年行い、出荷時期ごとに、生食用にふさわしい食味と食感にこだわった品種を栽培しています。また、使用農薬を減らした部会独自の防除基準を作成し、部会員全員が生産履歴記帳を行っています。さらに、平成25年からは施設GAPによる共同洗浄選別施設運営の改善を進めており、農場GAPも青年部を中心に始まっています。

こうした取り組みの積み重ねにより、部会では、消費者に安全・安心でおいしいダイコンを味わってもらえるよう日々努力しています。

稲敷普及センター

2015年09月30日