高い意識を持ったナシづくり(2018年12月)

かすみがうら市
JA土浦霞ヶ浦梨部会

写真:収穫した梨

JA土浦霞ヶ浦梨部会は、部会人数20名で、霞ヶ浦湖畔の温暖な気候を活かし、県内でもいち早く露地栽培のナシの出荷が始まる産地です。
品種構成は幸水・豊水が中心で、部会では、地域の基幹作物であるナシ専作経営と、地域性を活かしたナシ・レンコンの複合経営に取り組む部会員がそれぞれ半数ずつとなっています。

温暖な気候を生かした有利販売

霞ヶ浦沿岸地域の温暖な気候により、近隣の他産地と比較してナシの開花時期が早い産地となっています。地の利を生かした早期出荷に加え、徹底した管理による大玉生産や、出荷計画作成のための見回り、生産者の輪番による厳格な選果を行うことで、県内でも高い平均単価を維持しています。
有利販売に向けた新たな取り組みとして、平成28年からすべての「幸水」の樹を対象に、出荷前に着果数を計測し、市場に対して、より正確な情報を発信する取り組みを始めました。

大玉生産を支える産地の生産指導体制

(写真1:「幸水」の目揃会のようす(左)見回り会等により、大玉生産に向けた栽培管理を徹底しています(右))

霞ヶ浦梨部会は、大玉生産が特徴の産地です。役員がリーダーシップを取り、部会員に栽培指導や連絡を行う体制が整備されており、部会全体で大玉生産のための早期着果管理が徹底されています。
毎年、せん定講習会・摘果講習会・圃場見回り会を開催するとともに、出荷時期には毎週役員会を開いて、品質や販売状況の確認を行いながら、品質の高い商品づくりに努めています。
病害虫防除ついては、部会で独自の防除基準を作成し、地域の発生状況に合わせた防除を行っています。また、部会員全員がエコファーマーの認定を受け、土壌診断に基づく有機質肥料の積極的な利用など、高い意識を持ってナシづくりをしています。

銘柄産地として一層の活躍を

かすみがうら市の霞ヶ浦地区は、平成17年度からナシの銘柄指定産地に指定されました。
以来約10年に渡り、現在も銘柄産地の指定を受け続けるナシ産地として、今後も、ますますの活躍が期待されます。

 

茨城県県南農林事務所 経営・普及部門
(土浦地域農業改良普及センター)

2018年11月27日