「安全・安心」と「甘さ」にこだわるナシ産地(2014年9月)

石岡市
JAひたち野石岡梨部会

写真:ナシの色や形を確認する目揃え会の様子

(写真1:目揃え会の様子)

JAひたち野石岡梨部会は、部会員46名で、栽培面積は31ヘクタールです。選果場からの市場出荷を中心とした販売を行っています。

選果場は、茨城県のほぼ中央に位置する柏原工業団地内にあります。常磐自動車道の石岡小美玉スマートインターチェンジが非常に近く、首都圏近郊という本茨城県農業の利点を十分に生かした産地です。

減農薬推進とGAP意識の高い産地を目指す

写真:合成性フェロモン資材の設置の様子

(写真2:合成性フェロモン資材の設置の様子)

合成性フェロモンは、ナシヒメシンクイ等害虫の交尾阻害を目的とした資材で、天敵や人体への影響が少なく、殺虫剤の削減を可能とするエコな資材です。部会で購入費に対して助成をし、導入面積を拡大しています。(写真は合成性フェロモン資材の設置の様子)

また今年度から、部会全員でGAPの取り組みを始めています。

糖度の高いナシを差別化販売

「幸水」を熟度を高めて収穫し、高糖度のナシとして差別化販売しています。

選果時には、熟度の判断材料となる果皮色をチェックし、基準に満たないものは除外します。また、部会で導入した非破壊糖度計を活用し、販売先への情報提供を徹底するとともに、高糖度のナシを生産するための検討を行っています。

担い手の高齢化と労力不足に対応する、ナシボランティア育成制度を設立

(写真3:ナシボランティア研修の様子)

ナシ栽培は、人工授粉、摘果、収穫等、集中的に労力を必要とする時期があります。この時期は、普段の家族労力だけでは十分な管理作業ができないこともあり、高品質安定生産の一つの障壁となっています。そこで平成25年度から、ナシボランティア育成制度を設立しました。

市報で募集した一般の方を一年間かけて技術養成し、2年目から部会員に派遣する取り組みです。他産業を定年退職された方など、現在4名のボランティアが産地の応援団として活躍しています。

新しいことにチャレンジする産地

ナシボランティアや高糖度ナシの生産・販売をはじめ、JAひたち野石岡梨部会は常に新しい取り組みにチャレンジしています。平成25年度からは、石岡市が推進している果樹ブランド化事業「いしおかフルーツプロジェクト」も始動し、茨城県で育成した新品種「恵水」も部会員の希望で78本の苗木が導入されています。(写真は茨城県育成新品種「恵水」)

今後も、茨城県ナシを牽引する先進的な産地として、ますますの活躍が期待されます。

(写真4:茨城県育成新品種「恵水」)

土浦普及センター

2014年08月27日