新技術、新品種の導入で産地を活性化(2014年10月)

筑西市
北つくば下館梨共同選果場部会
JA北つくば関城梨選果場部会
JA北つくば関城梨部

(写真1:「筑西市梨月間」PRの様子)

茨城県県西部に位置する筑西市(旧下館市・旧関城町)、下妻市、八千代町は互いに隣接し、茨城県下最大規模の広がりをもつ一大ナシ産地を形成しています。当地域のナシ栽培の歴史は古く、旧関城町では安政4(1857)年、旧下館市は万延元(1860)年に栽培が開始され、茨城県の青果物銘柄産地に旧下館市(昭和60年指定)、旧関城町(平成3年)が指定されています。

7~11月までの出荷で労力分散と作期の拡大

写真:ナシ新品種「にっこり」目揃会の様子

(写真2:「にっこり」目揃会の様子)

品種は「幸水」「豊水」がほぼ80~90パーセントを占め、晩生の「あきづき」「新高」が残りを占めます。新品種として「にっこり」の導入が進んでおり、また「恵水」等の新品種が一部栽培されています。

作型は露地栽培の他に雨よけ簡易被覆栽培(昭和58年~)、無加温被覆栽培(平成5年~)、加温栽培(平成3年~)が産地の一部に導入され、労力分散と作期の拡大を図る有効な手段となっています。7月上旬の「ハウス幸水」~11月上旬の「にっこり」まで、約4か月間、首都圏を中心に出荷されます。

減農薬、減化学肥料栽培で安全・安心に努める

(写真3:性フェロモン剤設置の様子)

環境保全型農業の意識の向上と消費者ニーズを捉えた商品づくりを進めるため、性フェロモン剤利用による減農薬栽培や毎年の土壌診断を活用した減化学肥料栽培、有機物の利用等を実践しています。

出荷時には、農産物生産管理台帳の提出が条件となっており、安全・安心なナシの出荷に努めています。また、ハウス梨部会員は全員エコファーマーを取得しています。

部会全体のレベルアップのために

(写真4:大玉生産に向けた摘果講習会の様子)

産地としての品質目標は、「幸水」は2L以上70パーセント、糖度12度以上、「豊水」は3L以上、糖度13度以上とし、土づくり、整枝せん定、着果管理など安定した大玉生産を図るため各組織の生産部を中心に栽培講習会、査定会等を実施し、全体のレベルアップを図っています。

昨年度、「筑西市果樹産地協議会」を立ち上げ、「筑西市果樹産地構造改革計画」を策定し、早期成園化や作業の省力化、低コスト化、労働力確保体制の確立など、産地支援体制の充実・強化をはかっています。今後は、大苗育苗、樹体ジョイント仕立て栽培、根域制限栽培、新品種の導入等を積極的に行い産地の活性化を図る予定です。

筑西普及センター

2014年09月24日