産地と町が一体となって発展する大子町「奥久慈りんご」(2016年3月)

大子町
JA常陸大子町りんご部会

(写真1:収穫期を迎えたリンゴ園)

久慈郡大子町は、日本三名瀑として数えられる「袋田の滝」、茨城県内最高峰の八溝山、豊かな清流が流れる久慈川など、茨城県内有数の自然、史跡があります。大子町の特産品は、米・チャ・コンニャク・リンゴ・しゃもなどあり、それぞれの生産・販売が町の観光産業が一体となって発展しています。

栽培技術向上と産地PRに力を入れた部会活動

写真3:リンゴの皮むき競争をしています。

(写真3:りんご祭りの様子(上)りんご狩りの様子(下))

JA常陸大子町りんご部会は、部会員49戸、栽培面積は約52ヘクタールで、家族労力中心の観光リンゴ園経営を主に行っています。部会には青年部もあり、若い後継者も多く、規模拡大に取り組むリンゴ園も少なくありません。

部会では、普及センターと連携して、摘果・夏季管理・せん定・防除の講習会、全園地巡回や果実品評会を開催するなど、生産技術および果実品質の向上に努めています。また、町と連携して、9月に茨城県内の直売所で産地PRをしたり、毎年10月には「奥久慈大子りんご祭り」を開催するなど、観光リンゴ園への集客に力を入れています。

消費者ニーズに合わせ、多種多様なリンゴ品種を栽培

写真上からシナノスイート、秋映、ぐんま名月

観光リンゴ園では、9~11月にかけて、早生種(さんさ、つがる)、中生種(早生ふじ、秋映、シナノスイート、陽光、シナノゴールド、ぐんま名月、こうとく)、晩生種(ふじ、王林)などを栽培し販売しています。

特に「ふじ」は、完熟で蜜が多く入り、他にはないおいしさと人気が高く、町のふるさと納税のお礼の品としても大変好評です。また、今年度から部会オリジナル品種の試作をし、果実特性調査や食味アンケートを行うなど、新たな取り組みを始めました。

 

 

 

 

(写真3:上からシナノスイート、秋映、ぐんま名月)

 

コンビニとの提携など加工で新たな展開を目指す

写真4:ジャムやジュース、パウンドケーキなどリンゴを使った加工品

(写真4:さまざまなリンゴ加工品)

近年、リンゴジュースやアップルパイなど、6次産業化に取り組むリンゴ園が注目されています。部会では、昨年に引き続きローソンと提携して「奥久慈りんご」アップルパイを期間限定で販売する予定です。また、昨年8月には町の地域おこし協力隊と連携した「奥久慈りんごしーどる」が完成、特色ある加工品として注目されています。

JA常陸大子町りんご部会は、良品質果実生産に加え、新たなリンゴ加工に挑戦しており、今後ますます特色ある観光リンゴ園産地としての発展が期待されます。

常陸大宮普及センター

2016年02月24日