次世代が受け継ぐ魅力ある観光直売産地(2017年6月)

常陸太田市
JA 常陸常陸太田ぶどう部会

写真:青年部による摘粒講習会の様子

(写真1:青年部による摘粒講習会の様子)

常陸太田市は、茨城県内一のブドウの直売産地です。JA常陸 常陸太田ぶどう部会(部会員54名、栽培面積28ヘクタール)では、魅力ある観光直売の産地づくりのため、巨峰の高品質生産、雨よけ栽培や特色ある新品種の導入、産地PRなどに取り組んでいます。

魅力あるブドウ産地を目指す

写真:房づくり講習会の様子

(写真2:房づくり講習会の様子)

高品質安定生産のために雨よけ栽培の導入が図られ、全体の8割以上が施設化しています。また、雨よけ導入による農薬削減と生産履歴記帳の実施により、安全・安心な農産物生産に努めています。

ハウス栽培では、「シャインマスカット」をはじめ、多彩な欧州系品種を導入しています。併せて、従来の長梢せん定から作業の省力化を狙った短梢せん定への切り替えを行っています。

オリジナル品種「常陸青龍(ひたちせいりゅう)」の ブランド化

写真:黄緑色で大粒の常陸青龍の房

(写真3:常陸青龍)

「常陸青龍」は、昭和53年、常陸太田市内のブドウ農家において巨峰の実生から育成した黄緑色の品種です。

平成10~11年に部会青年部において果実・生育特性調査を行い、16年3月に品種登録されました。苗木は部会内で育成し、栽培面積は3.2ヘクタールまで拡大しています。

22年から専門学校の文化デザイナー学園と連携し、ロゴタイプやパッケージのデザインが誕生しました。普及センターと研究機関の連携により栽培技術マニュアルや販促資材のデザインが整い、25年8月に商標登録を行いました。

産地と関係機関が協力し「常陸青龍」のブランド化を推進しています。そして、地元企業との連携により、栽培した常陸青龍の一部は常陸青龍ワインとなり、消費者を楽しませています。

躍動する青年部

(写真4:品評会の様子)

常陸太田市内のブドウ経営の後継者7名で構成した青年部は、技術研鑽を中心とした活動を行っています。

平成28年度は、販売促進活動に力を入れようと、若い消費者へのPRを目的に婚活イベントを開催しました。参加者からは、「常陸太田の色々なブドウを食べ比べて、好みの品種が見つかった」などの声が聞かれ、産地の魅力を新しい切り口で伝えることができました。

輝くブドウ産地へ

主力品種である「巨峰」はもちろん、消費者嗜好の変化に合わせた種なし・皮ごと食べられる新品種の導入による多品種化をさらに推進していきます。

とりわけ「常陸青龍」の生産について、面積拡大とさらなる品質向上、安定生産を図り、その希少性を産地の販売戦略に活かします。

常陸太田の巨峰の収穫時期は、ハウス等施設で8月上旬~、露地で9月上旬~10月上旬となっています。

常陸太田普及センター

2017年05月30日