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更新日:2022年12月9日

マツ材線虫病

害樹種:アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ。その他のマツはほとんど枯れない

マツノマダラカミキリとマツザイセンチュウの関係を表したイラスト

生態と被害
ツノザイセンチュウが松に寄生するのは、媒介昆虫のマツノマダラカミキリが松の小枝をかじる(後食)時である。地面を通して、あるいは根からの侵入は確認されていない。
入したマツノザイセンチュウは、樹脂道などを破壊しながら増殖し、松を弱らせる。枯れる松の60%ぐらいは年内に、40%ぐらいは年を越して葉が変色する。変色が始まると、ほとんどの松は1~2カ月で全葉を褐変させる。
マツノマダラカミキリは、6~8月頃、弱った松に再び飛来し、樹皮下に産卵する。ふ化した幼虫は、材内で越冬し、翌年の6~7月頃成虫になり飛び出る。この時に、材内にいるマツノザイセンチュウを多数体に付けて、まだ枯れていない松に媒介する。媒介の時期は、普通6~7月である。

マツザイセンチュウとマツノマダラカミキリの写真

防除法
枯れを予防するには、マツノマダラカミキリによる媒介(後食)を防ぐのが最も効果的である。具体的には、6月上旬から20日おきに2~3回程度薬剤を、枝葉全体にしたたり落ちる程度に散布する。葉が変色してからでは効果は無い。樹幹注入剤で予防する方法もあるが、難しいので専門業者に任せたほうがよい。
枯れた松は、他の松に被害が及ぶのを防ぐため、3月頃までに伐倒し、焼却する。また、松くい虫用伐倒木駆除剤を、規定量散布しても良い。

 

登録農薬(2014年4月現在)

名称 適用作物 適用病害虫 希釈倍数 散布液量 使用時期 使用回数
スミパイン乳剤 まつ(生立木) マツノマダラカミキリ成虫 150~200倍 3リットル/本(樹高10m) 成虫の発生初期及び発生最盛期直前 6回以内
スミパインMC まつ(生立木) マツノマダラカミキリ成虫 50倍 3リットル/本(樹高10m) 成虫発生初期 3回以内

この他にも登録薬剤はあるが、ここでは代表的なものを掲載した。

※実際に薬剤を使用する場合は農薬販売店等に相談するか、下記のページで最新の農薬登録情報を確認してください。
JPP-NETホームページへhttp://www.jppn.ne.jp
林水産消費安全技術センター農薬検査部ホームページへhttp://www.acis.famic.go.jp/index.htm

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農林水産部林業技術センター 

〒311-0122 茨城県那珂市戸4692

電話番号:029-298-0257

FAX番号:029-295-1325

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