ここから本文です。
更新日:2020年1月14日
霞ヶ浦に流入する河川から取水する土地改良施設において,※「循環かんがい」,水管理の節水等により環境負荷の削減効果の検証を行います。これらにより,霞ヶ浦の水質汚染の原因となる窒素やリン等を作物吸収,土壌吸着,脱窒作用の促進と流出量の削減により,最終的には浄化した水を霞ヶ浦に流すことで,水質浄化を図ります。
※「循環かんがい」とは:下記イメージ図をご覧ください。
平成20年度から平成29年度に実施した「農業排水再生プロジェクト事業」では,霞ヶ浦沿岸で取水,排水する土地改良施設を活用した循環かんがいにより,流出負荷(全窒素)約40%の削減効果がありました。
平成30年度から新たに実施する「水田水質保全対策モデル事業」は,対象地を霞ヶ浦流域全体に広げ,新たな対策(水管理の改善,啓発活動等)へ取組拡大することによって,より一層の効果が期待できます。
(1)自動給水栓
稲の育成状況に応じて,水の供給をパソコンやスマートフォンから遠隔制御し,きめ細やかな水管理が可能になります。これにより,不要な水のかけ流し等を防ぎ,汚れの原因となる水の排水を抑えます。また,多数の水田や飛び地の水田の水管理を,人が直接操作せずに済むため,水管理労力の削減及び大規模営農を可能にします。
↓自動給水栓による水田への給水状況
(2)落水口(水位調整器)
水位調整管の上げ下げのみで,水位を自在に調節できます。代掻き時等に水位調整管を上げることにより,窒素やリンを多く含んだ濁水の流出を抑え,「水田の脱窒作用」の効果がより大きく発揮されます。
(3)用水機場の※「インバーター制御」化
霞ヶ浦流域の河川から取水し,各水田へ送水している用水機場のモータを※「インバーター制御」化することにより,水を多く必要としない期間や各水田の蛇口の開閉状況に応じたモータの運転が可能になります。
※「インバータ制御」とは:電圧や周波数を制御し,家電製品や産業用機械に使われるモータの回転速度を無段階で連続的に変化させる装置です。従来の用水機場のモータにおいては,一定の回転数で運転していましたが,これにより水需要に応じた回転数でモータを動かすことができます。
このページに関するお問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください