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更新日:2020年7月27日

第5節生物多様性の保全と持続可能な利用

5-1生物多様性の保全

現状と課題

地球上に生命が誕生してから約40億年間,生物は相互に関わりあいを持ちながら,長い歴史を経て現在の多様な生態系を形成してきました。地球上の生物は,知られているだけで約175万種,未知のものも含めると約3,000万種にも及ぶと言われており,こうした多種多様な野生動植物は,生態系の重要な構成要素であるだけでなく,私たちの生活はこの豊かな自然に支えられてきました。

しかし,開発や乱獲による野生動植物の絶滅や生息・生育地の減少,里地里山などの手入れ不足による自然の荒廃,一部の外来生物の定着や拡大による生態系や遺伝子の撹乱が深刻化していることに加え,地球規模で生じる地球温暖化による影響を受け,生物多様性の損失が懸念されています。

県では,レッドリストやレッドデータブックを作成し,県内に生息・生育する希少な野生動植物の状況を明らかにしていますが,絶滅のおそれのある野生動植物として選定されている種は,動物で263種(平成11年度),植物で578種(平成23年度)にのぼります。

生物多様性の保全を推進し,将来の世代に引き継いでいくためには,県民や民間団体,事業者,行政などさまざまな主体が生物多様性の保全の重要性について関心を持ち,それぞれの地域の特性に応じた活動を各主体間で連携・協働しながら行っていくことが重要です。

また,身近な自然の中に貴重な動植物が多数存在し,保全・保護を行うべき課題であることを県民が認識し,理解を深めていくための対策が必要です。

施策展開の方向

私達が将来にわたって生物多様性がもたらす恵みを享受できるよう,さまざまな主体と連携・協働しながら,本県における生物多様性の保全及び持続可能な利用に向けた取組を進めます。

具体的施策

1生物多様性地域戦略の策定

生物多様性の保全にあたって,行政はもとより,県民や事業者など,さまざまな主体の参画・連携が重要であることから,今後,一層の推進を図るため,県としての目標や施策の内容を明確に示した生物多様性地域戦略を策定します。

生物多様性の恵みを次の世代へ引き継ぐことができるよう,生物多様性の保全に対する直接的な取組に加え,地球温暖化対策や環境負荷の低減,環境教育の充実など,環境政策全般にわたる総合的な取組を推進します。

2野生動植物の保護・管理

県内の野生動植物について適切な保護・管理を行うため,生息・生育状況の実態把握を行うとともに,県の「鳥獣保護事業計画」に基づき,鳥獣の保護繁殖のための鳥獣保護区等の指定や鳥獣保護員による管理・保全など,引き続き鳥獣保護対策を推進します。

イノシシなど一部の野生鳥獣が県内に分布を拡大し,生態系だけでなく,生活環境や農林水産業への被害が深刻化していることから,特定鳥獣保護管理計画に基づき,被害防止や地域個体群の適切な保護管理をより一層図るとともに,狩猟者など,その担い手となる人材の育成・確保を図ります。

地域における多様な生態系の健全性を維持・回復するため,野生動植物の生息・生育環の保全・再生に向けた取組を引き続き実施し,生物多様性の保全を図ります。

多様な動植物の生息・生育の場として重要な湿地の保全を図るため,新たにラムサール条約登録に向けた取組を実施します。

3希少な野生動植物の保護

絶滅のおそれのある野生動植物の生息・生育状況の把握に引き続き努め,その状況に応じて必要な保護対策を講じるとともに,レッドリストやレッドデータブックの見直し検討を行います。また,レッドリストやレッドデータブックを活用し,県民や事業者等に広く希少野生動植物の保護について理解と配慮を求めます。

「茨城県希少野生動植物保護指針」に基づき,各種開発事業において,レッドリストやレッドデータブック掲載種をはじめとする希少野生動植物やその生息・生育環境について適切な保全措置や配慮が実施されるよう,引き続き助言・指導を行います。

4外来生物対策の推進

ミズヒマワリやオオキンケイギクをはじめとする外来生物が県内各地に蔓延し,地域の生態系等への影響が深刻化していることから,外来生物対策の基本指針を新たに策定し,国や市町村,地域団体等と連携を図りながら,定着の予防や必要な除去・防除対策に取り組みます。

外来生物の侵入や野生化を防止するため,県民に対する普及啓発を行います。

特定外来生物のうち,特に生態系への影響や生活環境被害等が懸念される外来生物については,防除実施計画に基づき,市町村等と連携を図りながら計画的な防除に取り組みます。

5生物多様性に対する県民理解の促進

生物多様性の保全と持続可能な利用の取組を推進するためには,さまざまな主体が生物多様性について関心を持ち,主体的な行動へと移していくことが重要です。生物多様性の重要性や日常生活とのつながりについて県民の理解が深まるよう,情報発信の強化や環境学習の充実に努め,保護意識の醸成や保全活動の促進を図ります。

環境指標

「生物多様性の保全」に関する取組の進行管理に,次の環境指標を活用します。

5-1環境指標

各主体に期待する取組

「生物多様性の保全」に関する取組を,県民,民間団体及び事業者とともに推進していくために,次のような取組が期待されます。

5-1各主体に期待する取組

5-1写真

5-2自然公園等の保護と利用

現状と課題

自然の風景地の保護ばかりでなく,そこに生息する野生生物の保護やそれらの生息環境の保全など,生物多様性の保全の観点から,自然公園は重要な位置を占めています。

本県においては,優れた自然の風景地の保護等とその利用の増進を目的とした自然公園として,水郷筑波国定公園と9ヶ所の県立自然公園があり,その総面積は90,896ha(平成23年度)と県土の14.9%を占めています(全国上位クラスは30%超,本県はほぼ中位にランクされる)。

また,「県自然環境保全条例」に基づき,自然環境保全地域として34ヶ所645ha(平成23年度),緑地環境保全地域として44ヶ所114ha(平成23年度)を指定し,自然環境の保全に努めています。

温泉は,県北の山間部及び太平洋沿岸に多く分布しており,源泉の数は146,そのうち利用している源泉は89(平成24年4月1日現在)であり,比較的泉温の低いものが多くなっています。

これらの個性豊かな優れた自然環境が人為的な影響により失われることのないよう適切に保全していくとともに,自然資源を活かした地域振興についても十分に配慮し,自然とのふれあいを求める県民のニーズに応えながら,安全で快適な利用を推進し,自然と人間との共生を目指していくことが必要となります。

施策展開の方向

優れた自然の風景地において,生物多様性の保全など自然環境の保護を図るとともに,適正な利用を推進するため,自然とのふれあいの場の整備や自然公園利用の質の向上に向けた取組を引き続き進めていきます。温泉についても,現地調査・利用指導を行うことで,適正利用を促進します。

また,県民に対する自然保護思想の普及啓発を引き続き推進します。

具体的施策

1自然公園の保護・管理と適切な利用

自然公園の優れた自然環境を保護するため,公園計画に基づく行為規制を行うとともに,各公園の特性に応じた管理の実施や,国定公園管理員や県立自然公園指導員による指導体制を強化するなど,引き続き自然公園内の適正な維持管理に努めます。

自然環境への関心や理解を深めるため,自然公園内において国定公園管理員や県立公園指導員による利用者への案内指導を行うほか,自然観察会など自然とのふれあいの場を提供します。

適正な公園利用を推進するため,安全で快適な公園利用施設等の整備を引き続き実施します。

さらに,各自然公園の自然環境や社会状況等の変化を踏まえ,自然公園の指定状況や公園計画の見直しを検討します。

2自然環境地域等の保全

自然環境保全地域や緑地環境保全地域について,自然保護指導員による指導管理や保全地域の所有者等への協力・要請を行い,天然林や市街地周辺の樹林地など優れた自然環境を維持している地域の保全に引き続き努めます。

里山や平地林など身近な自然環境を保全するため,自然環境の調査を随時実施するなど,新たな保全地域の指定に向けた取組を推進します。

3温泉の保護と利用

温泉源の保護を図るため,公益を害する恐れのある温泉掘削を防止し,過大な揚湯を規制するなど,環境保全に配慮し温泉の保護に努めます。

温泉の利用について,適宜,現地調査・利用指導を行うことで適正化を図ります。

環境指標

「自然公園等の保護と利用」に関する取組の進行管理に,次の環境指標を活用します。

5-2環境指標

各主体に期待する取組

「自然公園等の保護と利用」に関する取組を,県民,民間団体及び事業者とともに推進していくために,次のような取組が期待されます。

5-2各主体に期待する取組

5-3森林・平地林・農地の保全

現状と課題

森林は,水源のかん養や土砂流出防止等の県土保全,地球温暖化防止の役割などの様々な公益的機能を有しており,すべての生物を支え育む自然環境の基盤をなしています。

しかし,林業を取り巻く厳しい経済・社会情勢や,担い手の減少,森林所有者の森林・林業に対する意欲の低下等により,間伐などの適切な管理が行き届かない荒廃した森林が増えており,本来森林が有する公益的機能の低下が危惧されています。

また,県央部から県南西部にかけて分布している平地林は,私たちの生活に身近な緑であり,生活環境の保全や,環境教育・自然体験活動の場などとして大きな役割を果たしているほか,県土面積の約1月3日を占める農地も,農業生産の場としてだけでなく,豊かな自然環境や美しい景観などの地域資源を形成するものとして重要です。しかし,都市化の進展や開発,管理放棄による手入れ不足などにより,その減少と荒廃が進行しており,適正な保全と整備が課題となっています。

施策展開の方向

林業の活性化や機能豊かな森林づくりなどを推進し,平地林をはじめとする森林の保全・整備を進めるとともに,農地の保全に取り組むなど,緑の自然環境を,引き続き県民のふれあいの場として利用していけるように,保全と活用を図ります。

具体的施策

1森林の保全と整備

間伐等,適切な森林整備の推進や林業担い手の確保・育成等による「林業の再生と元気な担い手づくり」,いばらき木づかい運動の展開等による「県産材の利用拡大と安定供給体制づくり」,県民参加の森林づくりや緑化意識の啓発等による「機能豊かな森林の育成と活力ある山村づくり」を柱に,木を植え,育て,伐採し,木材を有効利用する「緑の循環システム」を確立します。

2平地林の保全と活用

林地開発許可制度の適切な運用により,平地林の保全を図ります。

市町村が実施する平地林・里山林の整備に対し支援を行うとともに,その適正な活用を推進するほか,地域住民やボランティアによる森林づくりへの支援や森林環境教育の推進等により平地林・里山林の保全・整備・活用を進めます。

平地林の保全と活用のシンボルである「茨城県水郷県民の森」をはじめとした自然観察施設の適切な管理・運営を図り,自然環境に関する学習の場として活用を促進します。

県北地域の豊かな自然環境のもと,地域と触れ合いながら思い思いのスローライフを楽しむ「いばらきさとやま生活」を積極的に情報発信し,県北地域の魅力的なブランドイメージの構築と認知度の向上を図り,移住や交流・二地域居住を促進します。

3農地の保全

農業者の経営環境の改善や新規就農者への支援を進めるなど農業担い手の育成・確保に努め,地域の担い手への農地利用集積を促進するとともに,農地転用規制の厳格化等により優良農地の確保・保全を図ります。

化学合成農薬や化学肥料を削減する環境にやさしい営農活動を拡大するとともに,それらに取り組む地域の農村景観や生産環境の保全活動を一体的に進める「エコ農業茨城」を推進します。

環境指標

「森林・平地林・農地の保全」に関する取組の進行管理に,次の環境指標を活用します。

5-3環境指標

各主体に期待する取組

「森林・平地林・農地の保全」に関する取組を,県民,民間団体及び事業者とともに推進していくために,次のような取組が期待されます。

5-3各主体に期待する取組

5-3写真

5-4河川等水辺環境の保全と活用

現状と課題

本県は,大小多くの河川や霞ヶ浦などの湖沼,延長約190キロメートルに及ぶ海岸線・海食崖,自然砂丘など恵まれた水辺環境を有しています。これらの水辺環境は,多様な生態系を育み,自然の水質浄化機能など公益的機能を果たしています。

しかし,人口の増加や都市的土地利用が進んでいることで多様な動植物の生息・生育が失われるほか,自然環境の変化などが見られます。

近年では,水辺空間は,自然とふれあうニーズの高まりとともに,生活にうるおいを与えてくれる水と緑のオープンスペースとして大きな期待が寄せられていることから,環境に配慮し,各河川等の特性に応じた整備に取り組んでいく必要があります。

施策展開の方向

多様な動植物の生息・生育環境として重要な水辺環境について,河川,湖沼・湿地等,沿岸,海域等,それぞれの特性に応じて,引き続き保全・活用を図ります。また,それぞれの水辺環境や生態系に配慮した「多自然川づくり」を引き続き推進します。

具体的施策

1河川の保全と活用

各河川の特性に応じ,遊歩道等の整備,水生植物に配慮した自然石等による護岸工の採用等,水辺環境や生態系に配慮した河川整備を引き続き行います。

うるおいのあるまちづくりや地域振興に寄与する水辺空間づくりを引き続き推進します。

河川に係る広報活動をより一層充実し,河川環境に対する地域住民の意識向上に努めます。

2湖沼・湿地等の保全と活用

各湖沼・湿地等の特性に応じて,自然の状態の維持・保全に努めるとともに,自然環境や親水性に配慮した水際線整備を引き続き図ります。

民間団体の協力を得ながら水生植物帯の保全・再生を図るなど,水生植物の有する自然の水質浄化機能の向上に努めます。

3沿岸・海域の保全と活用

鹿島灘海岸の海岸侵食対策を引き続き推進するとともに,河原子海岸においては,周辺施設と一体となったレクリエーション空間を創出するため,階段護岸の整備を進めます。

自然に対し,人の手が加わることによって,生産性と生物多様性を高くする「里海」の保全と活用を推進します。

環境指標

「河川等水辺環境の保全と活用」に関する取組の進行管理に,次の環境指標を活用します。

5-4環境指標

各主体に期待する取組

「河川等水辺環境の保全と活用」に関する取組を,県民,民間団体及び事業者とともに推進していくために,次のような取組が期待されます。

5-4各主体に期待する取組

このページに関するお問い合わせ

県民生活環境部環境政策課環境企画

茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2933

FAX番号:029-301-2949

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