○茨城県暴力団排除条例
平成22年9月28日
茨城県条例第36号
茨城県暴力団排除条例を公布する。
茨城県暴力団排除条例
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 暴力団の排除に関する基本的施策(第6条―第11条)
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置(第12条・第13条)
第4章 暴力団員等に対する利益供与等の禁止等(第14条―第16条)
第5章 暴力団員等が利益供与を受けることの禁止(第17条)
第6章 不動産の譲渡等に係る措置(第18条・第19条)
第7章 雑則(第20条―第23条)
第8章 罰則(第24条・第25条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,暴力団が県民等の生活及び事業活動に不当な影響を与えている現状にかんがみ,本県からの暴力団の排除(以下単に「暴力団の排除」という。)に関し,基本理念を定め,並びに県及び県民等の責務を明らかにするとともに,暴力団の排除に関する基本的施策,青少年の健全な育成を図るための措置,暴力団員等に対する利益供与等の禁止その他必要な事項を定めることにより,暴力団の排除を推進し,もって県民の安全で平穏な生活の確保と社会経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 暴力団 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。次号において「法」という。)第2条第2号に規定する暴力団をいう。
(2) 暴力団員 法第2条第6号に規定する暴力団員をいう。
(3) 暴力団員等 暴力団員及び暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。
(4) 県民等 県民及び事業者をいう。
(5) 暴力団事務所 暴力団の活動の拠点である施設又は施設の区画された部分をいう。
(基本理念)
第3条 暴力団の排除は,暴力団が県民等の生活及び事業活動に不当な影響を与える存在であることを社会全体が認識した上で,暴力団を恐れないこと,暴力団に対して資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本として,県,県民等,関係機関及び関係団体の相互の連携及び協力の下に推進されなければならない。
2 何人も,暴力団と社会的に非難されるべき関係を持つことがないようにしなければならない。
(県の責務)
第4条 県は,前条の基本理念(次条において単に「基本理念」という。)にのっとり,県民等,関係機関及び関係団体と相互に連携協力して,暴力団の排除に関する施策を総合的に推進するものとする。
(県民等の責務)
第5条 県民等は,基本理念にのっとり,暴力団員等による不当な要求(次条において「不当要求」という。)に応じないよう努めるとともに,暴力団の排除に資すると認められる情報を知ったときは,県に対し,当該情報を提供するよう努めるものとする。
2 県民は,基本理念にのっとり,暴力団の排除のための活動に自主的に,かつ,相互に連携協力して取り組むよう努めるとともに,県が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するよう努めるものとする。
3 事業者は,基本理念にのっとり,その行う事業(事業の準備を含む。以下同じ。)に関し,暴力団との一切の関係を遮断するよう努めるとともに,県が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するよう努めるものとする。
第2章 暴力団の排除に関する基本的施策
(不当要求に対する措置)
第6条 県は,公務の適正かつ円滑な執行を確保するため,職員の職務執行における法令の遵守その他の職務執行の適正を確保するための体制の整備,不当要求に対する統一的な対応方針の策定その他不当要求を防止するために必要な措置を講ずるものとする。
(公共工事等に係る措置)
第7条 県は,公共工事その他の県の事務又は事業により暴力団を利することとならないよう,暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有する者を県が実施する入札に参加させない等の必要な措置を講ずるものとする。
(県民等に対する支援)
第8条 県は,県民等が自主的に行う暴力団の排除のための活動の促進を図るため,県民等に対し,情報の提供,助言,指導その他必要な支援を行うものとする。
2 警察本部長は,暴力団の排除のための活動に取り組んだこと等により暴力団から危害を加えられるおそれがあると認められる者に対し,警察官による警戒,資機材の貸付けその他の当該者の保護のために必要な措置を講ずるものとする。
(広報及び啓発)
第9条 県は,県民等が暴力団の排除の重要性について理解を深めることができるよう,暴力団の活動実態等の周知,暴力団の排除の気運を醸成するための集会の開催その他の広報及び啓発を行うものとする。
(国及び他の都道府県との連携)
第10条 県は,暴力団の排除に関する施策の推進に当たっては,国及び他の都道府県との連携を図るものとする。
(市町村への協力)
第11条 県は,市町村において暴力団の排除に関する施策が実施されるよう,市町村に対し,情報の提供,技術的助言その他必要な協力を行うものとする。
第3章 青少年の健全な育成を図るための措置
(青少年に対する教育等)
第12条 県は,学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する中学校,義務教育学校(後期課程に限る。),高等学校,中等教育学校,特別支援学校(中学部及び高等部に限る。)及び高等専門学校,同法第124条に規定する専修学校(高等課程に限る。)並びに同法第134条第1項に規定する各種学校(中学校又は高等学校の課程に準ずる課程に限る。)をいう。)において,生徒又は学生が暴力団の排除の重要性を認識し,暴力団に加入せず,及び暴力団員による犯罪の被害を受けないようにするための教育が必要に応じて行われるよう適切な措置を講ずるものとする。
2 青少年の育成に携わる者は,青少年が暴力団の排除の重要性を認識し,暴力団に加入せず,及び暴力団員による犯罪の被害を受けないよう,青少年に対し,指導,助言その他適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(平28条例33・一部改正)
(暴力団事務所の開設及び運営の禁止)
第13条 暴力団事務所は,次に掲げる施設の敷地の周囲200メートルの区域内においては,これを開設し,又は運営してはならない。
(1) 学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く。),同法第124条に規定する専修学校(高等課程を置くものに限る。)又は同法第134条第1項に規定する各種学校(小学校,中学校又は高等学校の課程に準ずる課程を置くものに限る。)
(2) 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設
(3) 社会教育法(昭和24年法律第207号)第20条に規定する公民館
(4) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館
(5) 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館又は同法第29条に規定する博物館に相当する施設
(6) 前各号に掲げるもののほか,青少年の利用に供される施設で公安委員会規則で定めるもの
2 前項の規定は,この条例の施行の際現に運営されている暴力団事務所及びこの条例の施行後に開設された暴力団事務所であって,その開設後に同項各号に掲げる施設のいずれかが設置されたことにより同項に規定する区域内において運営されることとなったものについては,適用しない。ただし,ある暴力団のものとして運営されていたこれらの暴力団事務所が他の暴力団のものとして開設され,又は運営された場合は,この限りでない。
第4章 暴力団員等に対する利益供与等の禁止等
(暴力団の威力利用の禁止)
第14条 事業者は,その行う事業に関し,暴力団の威力を利用してはならない。
(暴力団員等に対する利益供与等の禁止)
第15条 事業者は,その行う事業に関し,情を知って,暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し,暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資することとなる金品その他の財産上の利益の供与(以下単に「利益の供与」という。)をしてはならない。ただし,法令上の義務又は情を知らないでした契約に係る債務の履行としてする場合その他正当な理由がある場合は,この限りでない。
2 前項に定めるもののほか,事業者は,その行う事業に関し,暴力団員等又は暴力団員等が指定した者に対し,不当に優先的な取扱いをしてはならない。
(取引の相手方等の確認)
第16条 事業者は,その行う事業に関する取引が暴力団の活動を助長し,又は暴力団の運営に資するおそれがあると認めるときは,当該取引の相手方及びその関係者が暴力団員等でないことを確認するよう努めるものとする。
第5章 暴力団員等が利益供与を受けることの禁止
第17条 暴力団員等は,情を知って,事業者から第15条第1項の規定に違反する利益の供与を受け,又は事業者に暴力団員等が指定した者に対する同項の規定に違反する利益の供与をさせてはならない。
第6章 不動産の譲渡等に係る措置
(不動産の譲渡等をする場合の措置)
第18条 県内に所在する不動産(以下この章において単に「不動産」という。)の譲渡又は貸付け(地上権の設定を含む。以下この章において「譲渡等」という。)をしようとする者は,当該不動産の譲渡等に係る契約を締結する前に,当該契約の相手方に対し,当該不動産を暴力団事務所の用に供するものでないことを確認するよう努めなければならない。
2 何人も,自己が譲渡等をしようとしている不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることを知って,当該不動産の譲渡等をしてはならない。
3 不動産の譲渡等をしようとする者は,当該不動産の譲渡等に係る契約において,次に掲げる事項を定めるよう努めなければならない。
(1) 当該不動産を暴力団事務所の用に供してはならない旨
(2) 当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは,催告をすることなく当該契約を解除し,又は当該不動産を買い戻すことができる旨
4 不動産の譲渡等をした者は,当該不動産が暴力団事務所の用に供されていることが判明したときは,速やかに当該不動産の譲渡等に係る契約を解除し,又は当該不動産を買い戻すよう努めなければならない。
(不動産の譲渡等の代理等をする者の責務)
第19条 不動産の譲渡等を代理し,又は媒介する者は,当該不動産の譲渡等をしようとする者に対し,前条の規定の遵守に関し必要な助言その他の措置を講じなければならない。
2 何人も,他人が譲渡等をしようとしている不動産が暴力団事務所の用に供されることとなることを知って,当該不動産の譲渡等を代理し,又は媒介してはならない。
第7章 雑則
(調査)
第20条 公安委員会は,次に掲げる行為を行った疑いがあると認められる者及びその関係者に対し,公安委員会規則で定めるところにより,その事実を明らかにするために必要な限度において,説明又は資料の提出を求めることができる。
(1) 第15条第1項の規定に違反する行為のうち次に掲げるもの
ア 暴力団の威力を利用することを目的とする利益の供与
イ 暴力団の威力を利用したことに対する利益の供与
ウ ア又はイに掲げるもののほか,暴力団の活動又は運営に協力することを目的とする利益の供与
(2) 第17条の規定に違反する行為のうち前号アからウまでに掲げるものに係るもの
(3) 第18条第2項又は前条第2項の規定に違反する行為
(勧告)
第21条 公安委員会は,前条各号に掲げる行為が行われた場合において,当該行為が暴力団の排除に支障を及ぼし,又は及ぼすおそれがあると認めるときは,公安委員会規則で定めるところにより,当該行為を行った者に対し,必要な勧告をすることができる。
(公表)
第22条 公安委員会は,第20条の規定により説明若しくは資料の提出を求められた者が正当な理由がなく説明若しくは資料の提出をせず,若しくは虚偽の説明若しくは資料の提出をしたとき,又は前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくその勧告に従わないときは,公安委員会規則で定めるところにより,その旨を公表することができる。
2 公安委員会は,前項の規定による公表をしようとするときは,公安委員会規則で定めるところにより,あらかじめ,当該公表に係る者に対し,意見を述べる機会を与えなければならない。
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,公安委員会規則で定める。
第8章 罰則
第24条 第13条第1項の規定に違反して暴力団事務所を開設し,又は運営した者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第25条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,前条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,同条の罰金刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には,その代表者又は管理人が,その訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか,法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
付 則
この条例は,平成23年4月1日から施行する。
付 則(平成28年条例第33号)
この条例は,平成28年4月1日から施行する。