○ローマ字のつづり方について
昭和29年12月28日
文収第75号総務部長通達
原文縦書き
各/部課(局,室)長/かい所長/
国語を書き表わす場合に用いるローマ字のつづり方については,昭和12年9月21日内閣訓令第3号をもつてその統一を図り(いわゆる訓令式),これが実行を求められたところであるが,その後,再びいわゆるヘボン式,日本式など,いくつかの方式が並び行われるようになり,官公庁等の事務処理,一般社会生活,または教育,学術のうえにおいて多くの不便があつたので,これが統一と単一化をはかるため,このたび,昭和29年12月9日内閣告示第1号をもつて国語審議会の建議の趣旨を採択した「よりどころとすべきローマ字のつづり方」を告示し,同日内閣訓令第1号により今後各官庁においてローマ字で国語を書き表わす場合には,このつづり方によるとともに広く各方面に,この使用を勧めて,その制度の趣旨が徹底するように努めることを希望された。
よつて本県においても,これを採用することとしたから,執務上の参考として次のつづり方法を活用されたい。
なお昭和12年9月21日内閣訓令第3号は,廃止されたから申し添える。
ローマ字つづり方
まえがき
1 一般に国語を書き表わす場合は,第1表に掲げたつづり方によるものとする。
2 国際的関係その他従来の慣例をにわかに改めがたい事情にある場合に限り,第2表に掲げたつづり方によつてもさしつかえない。
3 前2項のいずれの場合においても,おおむねそえがきを適用する。
第1表
〔( )は重出を示す。〕
kya kyu kyo a i u e o sya syu syo ka ki ku ke ko tya tyu tyo sa si su se so nya nyu nyo ta ti tu te to hya hyu hyo na ni nu ne no mya myu myo ha hi hu he ho rya ryu ryo ma mi mu me mo gya gyu gyo ya (i) yu (e) yo zya zyu zyo ra ri ru re ro (zya) (zyu) (zyo) wa (i) (u) (e) (o) bya byu byo ga gi gu ge go pya pyu pyo za zi zu ze zo da (zi) (zu) de do ba bi bu be bo pa pi pu pe po |
第2表
sha shi shu sho tsu cha chi chu cho fu ja ji ju jo di du dya dyu dyo kwa gwa wo |
そえがき
前表に定めたもののほか,おおむね次の各項による。
1 はねる音「ン」はすべてnと書く。
2 はねる音を表わすnと次にくる母音字またはyと切り離す必要がある場合にはnの次に,を入れる。
3 つまる音は,最初の音字を重ねて表わす。
4 長音は,母音字の上に<をつけて表わす。なお,大文字の場合は母音字を並べてもよい。
5 特殊音の書き表わし方は自由とする。
6 文の書きはじめ,および固有名詞は語頭を大文字で書く。なお,固有名詞以外の名詞の語頭を大文字で書いてもよい。
(例) 1
sannin(三人) sinbun(新聞) tenki(天気) denpo(電報)
(例) 2
gen'in(原因) kin'yobi(金曜日)
(例) 3
gakko(学校) kitte(切手) tyotto(ちよつと)
(例) 4
ne<^>san(ねえさん) ryo<^>ri(料理) o<^>kii ook<^>ii(大きい)
(例) 6
Kyo wa kin'yobi desu(きようは金曜日です)
Tokyo(東京) Huzisan(富士山)