○茨城県興行場法施行条例

昭和59年7月12日

茨城県条例第52号

茨城県興行場法施行条例を公布する。

茨城県興行場法施行条例

茨城県興行場法施行条例(昭和36年茨城県条例第3号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この条例は,興行場法(昭和23年法律第137号。以下「法」という。)に基づき,興行場の設置の場所及び構造設備の基準その他法の施行に関し必要な事項について定めるものとする。

(構造設備等の基準)

第2条 法第2条第2項の規定に基づく興行場(以下「施設」という。)の設置の場所及び構造設備の基準については,次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 施設は,排水が極めて悪い等入場者の衛生に支障をきたす場所には設置しないこと。ただし,その周囲が耐水性の材料による排水溝を設けるなど排水が容易に行え,かつ,清掃が容易にできる構造であり,及び施設の床面が,コンクリートその他の不浸透性材料で覆われ,又は床が地盤面から45センチメートル以上の高さにある等防湿上有効な措置が講じられている場所にあつては,この限りでない。

(2) 施設全般の構造設備は,次のとおりとする。

 施設は,ねずみ,昆虫等の侵入を防止するため,外部に開放されている窓,給気口,排気口等に金網等を設けること。

 施設は,清掃及び排水が容易に行える構造であること。

 施設のうち,入場者が興行を見,又は聞くために利用する場所(以下「観覧室」という。)は,舞台等興行に直接関係する場所を除き,食堂,ロビー,便所,売店等とは,隔壁等により区画すること。

 食堂,売店及び食品販売設備は,便所の付近その他不潔な場所に設けないこと。ただし,次室を設けた水洗便所の付近に設ける場合は,この限りでない。

(3) 観覧室は,入場者の移動,着席及び出入り並びに清掃及び消毒が容易にできる構造設備であることのほか,入場者の衛生及び観覧に支障が生じないよう十分な広さ及び高さを有し,かつ,適当な数及び広さの出入口並びに適当な数及び広さの観覧席(興行を見聞きするための入場者のいす席,座席及び立見席をいう。以下同じ。)を備えること。

(4) 空気環境に係る構造設備は,次のとおりとする。

 施設には,内部の汚染空気の排除,温度・湿度の調整等衛生的空気環境を確保するため,適正な機械換気設備(空気を浄化し,その流量を調節して供給(排出を含む。)をすることができる設備をいう。)又は空気調和設備(空気を浄化し,その温度,湿度及び流量を調節して供給(排出を含む。)をすることができる設備をいう)を設けること。

 場内の機械換気設備又は空気調和設備(以下「機械換気設備等」という。)は,次により設けること。

(ア) 換気能力は,床面積1平方メートル当たり毎時40立方メートル以上のもので,清浄な外気を常時給気又は排気できる機能があること。ただし,空気調和設備が設けられているときは,衛生上支障がない限度まで軽減することができる。

(イ) 施設内に設けられた観覧室,調理室,便所,食堂等の各室に係る機械換気設備等は,それぞれ専用(独立系統)であり,他の系統と区別されていること。また,調理室にあつては,汚染空気を直接施設外に排出できるよう局所排気装置を設けること。

(ウ) 観覧室における機械換気設備等は,次により設けること。

観覧室の規模等

設置する機械換気設備等

床面積が400m2を超えるもの又は地下に観覧室があるもの

空気調和設備又は第1種機械換気設備

床面積が150m2を超え400m2以下のもの

空気調和設備,第1種機械換気設備又は第2種機械換気設備(甲)

床面積が150m2以下のもの

空気調和設備,第1種機械換気設備又は第2種機械換気設備(甲)(乙)

備考

1 第1種機械換気設備とは,給気用送風機と排気用送風機との併用による機械換気設備をいう。

2 第2種機械換気設備とは,給気用送風機と自然排気口との組合せによる機械換気設備をいい,次のようにさらに区分する。

甲:排気を直接施設外に排出するもの

乙:排気を廊下その他の部屋を通して,間接に施設外に排出するもの

(5) 照明設備は,次のとおりとする。

 観覧室には,床面から0.8メートルの高さのすべての所において照度100ルックス以上になるような照度機能を有する照明設備を設けること。

 観覧席には,映写中又は演劇中であつても,客席の床面のすべての所において照度0.2ルックス以上になるような照度機能を有する照明設備を設けること。

 観覧室を除く入場者の利用する場所は,床面から1メートルの高さのすべての所において照度100ルックス以上になるような照度機能を有する照明設備を設けること。

(6) 便所の構造設備は,次のとおりとする。

 設置場所は場内とすること。ただし,他の用途を主とする建築物の一隅に設置された小規模施設等であつて,当該施設に近接して入場者の需要を満たすことができる適当な規模を有する便所が利用できる場合は,この限りでない。

 各階ごとに,男子用及び女子用に区画して設け,入場者にその旨が明らかに分かるように表示してあること。ただし,上下階から等距離にある中間階に設置する等入場者の利便を損なわないと認められる場合は,各階ごとに設置しなくてもよい。

 便所の出入口は,直接観覧室に開口しない構造であること。ただし,次室を設けた水洗便所であつて衛生上支障がない場合は,この限りでない。

 床面及び腰張りを含む床面から1メートル以上の所までの内壁は,不浸透性材料を用いて築造され,清掃が容易に行える構造であること。

 便器は,陶磁器製等不浸透性材料で造られているものを使用すること。

 施設内の各階における便器の数は,次のとおりとすること。

(ア) 各階の観覧室の床面積(イのただし書で認められる場合にあつては,主として当該便所を利用する入場者に対応する階の観覧室の床面積の合計とする。)に応じ,次のとおり設けること。

床面積

便器数の割合

300m2以下

15m2ごとに1個

300m2を超え600m2以下

20個+(床面積-300m2)につき20m2ごとに1個

600m2を超え900m2以下

35個+(床面積-600m2)につき30m2ごとに1個

900m2を超えるとき

45個+(床面積-900m2)につき60m2ごとに1個

(イ) 男子用及び女子用の便器の数は,原則として同数であること。ただし,施設の業種,規模又は用途により男子用又は女子用の便器の数の割合を適宜変えることができる。

(ウ) 男子用の便器は,小便器5個ごとに大便器1個を設けること。ただし,座便式便器等小便器と大便器とを兼用できる場合は,その割合を適宜変えることができる。

 窓又は換気設備を設けた水洗式とすること。ただし,当該施設が公共下水道処理区域以外の地域にあつて,浄化槽放流水の排水先がない場合又は放流水を排水することにより排水先に衛生上支障を生じる場合は,改良便槽とすることができる。

 改良便槽とする場合は,便所の窓その他の開口部には,こん虫の侵入を防止するための設備を設けること。

 清浄な水を供給できる流水式手洗設備を設けること。

(平3条例7・令元条例7・一部改正)

(衛生措置の基準)

第3条 法第3条第2項の規定に基づき興行場について営業者が講じなければならない衛生措置の基準については,次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 施設内外は,必要に応じ補修を行い,常に清潔に保つこと。

(2) 施設全般の管理は,次のとおりとする。

 施設におけるねずみ,昆虫等を駆除するため,規則で定めるところにより定期に巡回点検及び駆除作業を実施するとともに,その実施記録を作成し,これを2年以上保存すること。

 入場者が利用する場所は,規則で定めるところにより定期に消毒を行うとともに,その実施記録を作成し,これを2年以上保存すること。

 設備及び器具は,規則で定めるところにより定期に保守点検を行い,常に適正に使用できるよう整備すること。

 便所は,常に清潔にし,臭気を著しく発散させないよう管理すること。

(3) 機械換気設備等の管理及び空気環境の基準は,次のとおりとする。

 機械換気設備等は,次により適正に管理すること。

(ア) 規則で定めるところにより定期に保守点検し,故障,破損等がある場合には,速やかに補修し,常に機能を設計どおりに保持し,かつ,使用できるよう整備すること。

(イ) 適切に清掃し,常に清潔に保つこと。

 空気環境の基準は,次のとおりであること。

(ア) 炭酸ガス濃度は,1,500ppm以下であること。

(イ) 観覧室における浮遊粉じん量は,1立方メートル当たり0.2ミリグラム以下であること。

 空気調和設備が設けられている施設における空気環境の基準は,に加え,次のとおりであること。

(ア) 温度は,摂氏17度から28度の範囲に保つこと。なお,冷房する場合には,外気との温度差は7度以内とすること。

(イ) 相対湿度は,30パーセントから80パーセントの範囲を常に保つこと。

(ウ) 施設内における浮遊粉じん量は,1立方メートル当たり0.2ミリグラム以下であること。

(エ) 気流は,毎秒0.5メートル以下であること。

 及びの基準に係る測定は,必要に応じ実施するとともに,その実施記録を作成し,これを2年以上保存すること。

(4) 照明設備は,次に定めるところにより適正に管理すること。

 規則で定めるところにより定期に保守点検し,機能どおり適正に保持すること。

 照度は,規則で定めるところにより定期に測定するとともに,その実施記録を作成し,これを2年以上保存すること。

(5) その他の衛生管理については,次のとおりであること。

 入場者に事故等が発生した場合は,入場者の救護について迅速かつ適切に対応できる体制を確立しておくこと。

 従業者の衛生管理に努めること。

 従業者のうちから,公衆衛生に関する責任者(以下「衛生責任者」という。)を定め,衛生管理にあたらせること。

 営業者又は衛生責任者は,施設の管理が衛生的に行われるよう従業者の衛生教育に努めなければならないこと。

(6) 入場定員については,その旨を入場者が容易に見えるような箇所に掲示し,定員以上の入場者を入場させないこと。

(令元条例7・一部改正)

(基準の緩和等)

第4条 知事は,季節的又は一時的に仮設して営業を行う興行場又は屋外に面した観覧席を有する興行場等については,その特性に応じ,衛生上支障がないと認められる範囲で,前2条に定める基準の一部を緩和し,又は適用しないことができる。

1 この条例は,昭和59年10月1日から施行する。

2 この条例の施行の際限に法第2条第1項による知事の許可を受けて業として経営している興行場については,当分の間,なお従前の例による。

(昭和61年条例第48号)

この条例は,昭和61年11月1日から施行する。

(平成元年条例第58号)

この条例は,平成元年11月1日から施行する。

(平成3年条例第7号)

この条例は,平成3年4月1日から施行する。

(平成8年条例第18号)

この条例は,平成8年4月1日から施行する。

(平成12年条例第9号)

(施行期日)

第1条 この条例は,平成12年4月1日から施行する。

(令和元年条例第7号)

この条例は,令和元年7月1日から施行する。

茨城県興行場法施行条例

昭和59年7月12日 条例第52号

(令和元年7月1日施行)

体系情報
第7編 生/第3章 環境衛生/第1節
沿革情報
昭和59年7月12日 条例第52号
昭和61年10月6日 条例第48号
平成元年10月23日 条例第58号
平成3年3月15日 条例第7号
平成8年3月28日 条例第18号
平成12年3月28日 条例第9号
令和元年6月27日 条例第7号