○茨城県公衆浴場法施行条例

昭和48年7月20日

茨城県条例第36号

茨城県公衆浴場法施行条例を公布する。

茨城県公衆浴場法施行条例

茨城県公衆浴場法施行条例(昭和37年茨城県条例第13号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この条例は,公衆浴場法(昭和23年法律第139号。以下「法」という。)第2条第3項及び第3条第2項の規定に基づき,公衆浴場の設置の場所の配置の基準並びに浴場業を営む者(以下「営業者」という。)が公衆浴場について講じなければならない換気,採光,照明,保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準について定めるものとする。

(定義)

第2条 この条例において「普通公衆浴場」とは,温湯,潮湯,温泉等を使用して同時に多数人を入浴させる公衆浴場であつて,その利用の目的及び形態が主として地域住民の日常生活において保護衛生上必要な施設として利用されるものをいう。

2 この条例において「その他の公衆浴場」とは,専ら保養,娯楽その他の目的をもつて設けられる公衆浴場であつて,普通公衆浴場以外のものをいう。

(平5条例9・一部改正)

(配置の基準)

第3条 新たに普通公衆浴場を設置しようとする場合の設置の場所の配置の基準は,既設の普通公衆浴場との直線距離が,市にあつては300メートル以上,町村にあつては400メートル以上とする。ただし,次の各号の一に該当する場合は,この限りでない。

(1) 工場,事業所,学校等がその従業員等の福利厚生施設として普通公衆浴場を設置するとき。

(2) 災害により普通公衆浴場が滅失したため,その場所に当該普通公衆浴場の営業者が施設を復旧するとき。

(3) 既設の普通公衆浴場を譲り受け,その他既設の普通公衆浴場を使用する権原を取得して,普通公衆浴場を設置するとき。

(4) 常時浴用に供し得る温泉を利用する普通公衆浴場を設置するとき。

(5) 土地の状況,人口密度その他の理由により知事が必要と認めたとき。

(昭61条例13・一部改正)

(普通公衆浴場の衛生及び風紀の基準)

第4条 普通公衆浴場の営業者が講じなければならない換気,採光,照明,保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準は,次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 入浴施設(脱衣室及び浴室をいう。以下同じ。)は,娯楽室,マッサージ室,アスレチック室等の付帯施設と明確に区画すること。

(2) 入浴施設は,男女に区別し,相互に,かつ,外部から見通しができない構造とすること。

(3) 入浴施設には,換気を図るため直接外気に面した開閉のできる窓を設けること。ただし,これにかわる適当な換気装置のあるときは,この限りでない。

(4) 入浴施設の採光又は照明は,床面において50ルクス以上とすること。

(5) 下足場,廊下,便所その他入浴者が直接利用する場所(入浴施設を除く。)の採光又は照明は,床面において20ルクス以上とすること。

(6) 衣類,下足その他携帯品を安全に保管できる設備を浴場内に相当数設けること。

(7) 脱衣室には,紙くず入れを備えること。

(8) 脱衣室に洗濯機,乾燥機,自動販売機等を設置する場合は,脱衣室の機能に支障を来さないようにすること。

(9) 脱衣室は,次に掲げる構造とすること。

 各脱衣室の床面積(洗濯機,乾燥機,自動販売機等を設置する部分の面積を除く。)は,13.2平方メートル以上とすること。

 床面は,リノリウム,板等の不浸透性材料とすること。

(10) 浴室は,次に掲げる構造とすること。

 各洗い場の床面積は,13.2平方メートル以上とすること。

 床面は,コンクリートその他の不浸透性材料を用い,適当なこう配をつけ,汚水を停滞させないこと。

 側壁は,床面から1メートル以上の高さまでコンクリートその他の不浸透性材料を用いて造ること。

 浴槽は,次に掲げる構造とすること。

(ア) 床面積は,浴室ごとに3平方メートル以上とすること。この場合において,1浴室に2以上の浴槽を設けるときの主たる浴槽については,2平方メートル以上とすること。

(イ) 縁の高さは,洗い場の床面から0.15メートル以上とすること。ただし,洗い場での使用水及び浴槽からのいつ水が浴槽内に流入しないための適切な措置が講じられている場合は,この限りでない。

(ウ) 内側に踏段を設けること。ただし,浴槽が浅く,踏段を設けることを要しない場合は,この限りでない。

(11) 洗い場には,上がり湯用水栓及び湯栓を相当数備えること。

(12) 浴室には,洗い桶及び一人用の腰掛を相当数備えること。

(13) シャワー及び打たせ湯は,浴槽水を使用する構造でないこと。

(14) 循環ろ過器を設ける場合は,洗浄がしやすいものとし,浴槽水が循環ろ過器へ循環する前の位置に集毛器を設けること。

(15) 浴槽水として再利用するため浴槽からのいつ水を一時的に貯留する槽(以下「回収槽」という。)を設ける場合は,洗浄がしやすいものとすること。

(16) 停電その他非常の場合に使用するため,浴場内に安全な予備灯を備えておくこと。

(17) 排水溝及び汚水溜は,コンクリートその他の不浸透性材料をもつて構築し,かつ,随時清掃できるものとすること。

(18) 便所は,適当な場所に,男子用,女子用に区別して設置するものとし,流水式の手洗い設備を設けること。

(19) 階上に浴室を設ける場合は,その階下は鉄筋コンクリート造り,鉄骨造り又はレンガ造りとすること。

(20) サウナ室又はサウナ設備を設ける場合は,次に掲げるとおりとすること。

 サウナ室は,次に掲げる構造とすること。

(ア) 男女に区別し,相互に見通しができない構造とすること。

(イ) 床面,内壁及び天井は,耐熱性の材料を用いて築造すること。

(ウ) 床面は,適当なこう配をつけ,すきまがなく,清掃を容易に行うことができる構造であること。

(エ) 蒸気又は熱気の放出設備は,直接身体に触れないものとすること。

(オ) 室内の換気を適切に行うことができるものであること。

(カ) 適温を保つため,温度調節設備を備えること。

(キ) 室内には,入浴者の見やすい場所に温度計を備えること。

(ク) 室内を容易に見通すことができる窓を適当な場所に設けること。

 サウナ設備は,(エ)及び(カ)に準じた構造とすること。

(21) 屋外に浴槽を設ける場合は,次に掲げるとおりとすること。

 男女に区別し,相互に,かつ,外部から見通しのできない構造とすること。

 第10号イ並びに(イ)及び(ウ)に準じた構造とすること。

 屋外には,洗い場を設けないこと。

 浴槽に付帯する通路等は,脱衣室又は浴室から直接出入りできる構造であること。

(昭61条例13・平5条例9・平15条例27・一部改正)

(その他公衆浴場の衛生及び風紀の基準)

第5条 その他の公衆浴場の営業者が講じなければならない換気,採光,照明,保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置の基準は,次の各号に掲げる区分に応じ,それぞれ当該各号に定めるとおりとする。

(1) その他の公衆浴場(次号及び第3号に掲げるものを除く。)

 前条各号(同条第9号ア並びに第10号ア及び(ア)を除く。)に規定する基準によること。

 脱衣室の床面積は,9.9平方メートル以上とすること。

 浴室(サウナ室及びサウナ設備の設置場所を除く。)の床面積は,9.9平方メートル以上とすること。

 浴槽の床面積は,2.5平方メートル以上とすること。

 入浴者の休憩室,待合室等を設ける場合は,適当な広さを有し,共用の,かつ,開放的なものとし,ついたて等により仕切りを設けないこと。

 浴室内にサウナ設備を設ける場合は,1浴室につき5個以上とすること。

 貸しタオル,貸し下着類等の保管設備を適当な場所に設けること。

 従業員の休憩室は共用のものとし,適当な広さのものを1室設けること。

 浴場と住居は明確に区画し,それぞれに独立して出入口を設けること。

(2) 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項第1号に該当する公衆浴場

 前条第2号から第5号まで,第7号第9号イ第10号イ及び第16号から第19号まで,第20号イ並びに前号オ及びに規定する基準によること。

 個室の床面積は,6.6平方メートル以上とし,個室の数は,6室以上とすること。

 個室への出入口は中央に設け,幅0.7メートル以上かつ高さ1.7メートル以上とし,扉等を設けるときは,かぎをつけず,かつ,室内全部を見通すことができる大きさのガラス窓をつけること。

 個室内は,当該個室の出入口から見通しのできる構造とし,遮へい物等を設けないこと。

 個室内には,適当な広さを有する脱衣室及び入浴者の衣類その他携帯品を収納するための格納設備を設けること。

 個室内には,使用のたびに浴湯を取り替えることのできる浴槽又は湯及び水の出るシャワー並びに上がり湯用水栓及び湯栓を備えること。

 全個室内の照明用電灯は,個室外に設けられた一つのスイッチで同時に点滅できるようにすること。

 個室内には,マッサージ台を除き,直接入浴に必要のないものを置かないこと。

 個室への通路は,共用のものとすること。

 貸しタオル,貸し下着類等の保管設備は,個室以外の適当な場所に設けること。

(3) 温湯,潮湯又は温泉を使用して,妊婦,付添人を必要とする老人等を入浴させる公衆浴場であつて,貸切りの独立した部屋で入浴させる設備を有するもの

 前条各号(同条第2号第8号第9号ア第10号ア及び第20号並びに第21号を除く。)に規定する基準によること。

 浴室,浴槽及び脱衣室の床面積は,適当な広さを有すること。

(平5条例9・平10条例40・平15条例27・一部改正)

(営業者の遵守すべき事項)

第6条 営業者の遵守すべき事項は,次の各号に掲げるとおりとする。ただし,前条第2号に規定する公衆浴場については,第3号第4号第7号第8号第10号第18号及び第19号の規定は適用しない。

(1) 公衆浴場の内外は毎日清掃し,清潔を保持するほか,適宜消毒及びねずみ,衛生害虫等の駆除を行うこと。

(2) 浴室で使用する湯水は,清浄なものを十分供給すること。

(3) 浴槽水は,次の基準に適合するよう水質を管理すること。ただし,薬湯,温泉等を使用するためこの基準(又はに限る。)によることが困難な場合であつて知事が衛生上支障がないと認めるときは,この限りでない。

 濁度は,5度以下であること。

 有機物(全有機炭素(TOC)の量)は1リットルにつき8ミリグラム以下又は過マンガン酸カリウム消費量は1リットルにつき25ミリグラム以下であること。

 大腸菌群は,1ミリリットルにつき1個以下であること。

 レジオネラ属菌は,検出されないこと。

(4) 浴槽水は,塩素消毒その他適切な消毒を行うこと。

(5) 浴槽水は,循環ろ過器によつて浴槽水を浄化することができる機能を有する浴槽(以下「循環式浴槽」という。)以外の浴槽にあつては毎日1回以上,循環式浴槽にあつては1週間に1回以上完全に換水すること。

(6) 浴槽水は,シャワー又は打たせ湯に使用しないこと。

(7) 使用時の浴槽は,浴槽水を満たしておくこと。

(8) 浴槽内は,循環式浴槽以外の浴槽にあつては毎日1回以上,循環式浴槽にあつては1週間に1回以上洗浄を行うこと。

(9) 集毛器その他の浴槽に付帯する設備は,適切に維持管理すること。

(10) 循環式浴槽にあつては,次に掲げる措置

 循環ろ過器は,1週間に1回以上塩素消毒その他適切な消毒を行うこと。

 浴槽と循環ろ過器との間で浴槽水を循環させるための配管は,1週間に1回以上塩素消毒その他適切な消毒を行うこと。

 回収槽を設ける場合は,定期的に回収槽の内壁の洗浄及び塩素消毒その他適切な消毒を行うこと。

 浴槽水は,1年に1回以上,第3号の基準に適合していることを確認するための検査(以下「検査」という。)を行い,検査の結果を検査の日から3年間保管すること。

 検査の結果レジオネラ属菌が検出されたときは,その旨を知事に報告すること。

 循環する浴槽水を浴槽内へ供給するための供給口が浴槽水の水面より上部にある場合は,入浴者の誤飲を防ぐため,供給口の周辺に飲用に適さない旨の表示をすること。

(11) 入浴者にかみそりを貸与する場合は,新しいものとすること。

(12) 入浴者にタオル,くし,ヘアブラシ等を貸与する場合は,新しいもの又は消毒したものとすること。

(13) 法第4条の規定による許可を受けた公衆浴場にあつては,温泉に含まれる物質又は薬湯に使用する医薬品の名称,成分,用法,用量及び効能を入浴者の見やすい場所に掲示すること。

(14) 浴室,脱衣室その他入浴者の利用する場所に,風紀を乱すおそれのある文書,図画,写真,広告物,図書,装飾設備等を掲げ,置き,又は設けないこと。

(15) 入浴料金,営業時間及び次条に規定する入浴者の遵守すべき事項を浴場内の見やすい場所に掲示すること。

(16) 従業員には,業務従事中常に清潔な衣服を着用させること。

(17) 従業員には,業務従事中風紀を乱し,又は乱すおそれのある行為をさせないこと。

(18) 7歳以上の男女は,混浴させないこと。

(19) 自主的な入浴施設の衛生管理を行うため,入浴施設衛生管理責任者を定めること。

(平5条例9・平15条例27・令3条例12・一部改正)

(入浴者の遵守すべき事項)

第7条 営業者が入浴者に遵守させなければならない事項は,次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 身体の汚れを洗つてから浴槽に入ること。

(2) 浴槽内で,タオル,手ぬぐい等を用いないこと。

(3) 浴室内で用便をし,又はさせ,その他不潔な行為をしないこと。

(4) 大声で歌い,騒ぎ,いたずらし,その他入浴者の迷惑となるような行為をしないこと。

(5) 風紀を乱し,又は乱すおそれのある行為をしないこと。

(平5条例9・平15条例27・一部改正)

(衛生等の基準の特例)

第8条 知事は,土地の状況その他特別な理由により,やむを得ないと認めるときは,衛生及び風紀上支障がないと認める限度において,第4条及び第5条に掲げる措置の基準を緩和することができる。

1 この条例は,公布の日から施行する。

2 この条例施行の際,現にこの条例による改正前の茨城県公衆浴場法施行条例(以下「旧条例」という。)の基準により許可をうけて営業している公衆浴場については,第4条及び第5条に掲げる基準にかかわらず,当分の間,なお従前の例による。

3 前項の規定にかかわらず,旧条例の基準により許可を受けて営業している公衆浴場を修繕し,改築し,又は増築する場合については,第4条及び第5条に掲げる基準を適用する。

(昭和61年条例第13号)

この条例は,昭和61年6月24日から施行する。ただし,第4条の改正規定は,公布の日から施行する。

(平成5年条例第9号)

(施行期日)

1 この条例は,平成5年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第1項の許可を受けている公衆浴場の衛生及び風紀に必要な措置の基準については,当分の間,この条例による改正前の茨城県公衆浴場法施行条例第4条及び第5条に掲げる基準によることができる。

(平成10年条例第40号)

この条例は,平成11年4月1日から施行する。

(平成15年条例第27号)

(施行期日)

1 この条例は,平成15年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第1項の許可を受けて公衆浴場を経営している者がその際その営業の用に供している施設の構造設備であつて,この条例による改正後の茨城県公衆浴場法施行条例第4条第13号から第15号までに掲げる基準(第5条第1号ア及び同条第3号アにおいて適用される場合を含む。)に適合しないものについては,改築,増築その他の行為による当該構造設備の変更が行われるまでの間は,当該基準は,適用しない。

(令和3年条例第12号)

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第6条第18号の改正規定は、令和3年7月1日から施行する。

茨城県公衆浴場法施行条例

昭和48年7月20日 条例第36号

(令和3年7月1日施行)