○廃棄物処理施設の設置等に係る事前審査要領

平成10年6月17日

茨城県告示第751―2号

廃棄物処理施設の設置等に係る事前審査要領

1 目的

この要領は,茨城県廃棄物の処理の適正化に関する条例(平成19年茨城県条例第17号。以下「条例」という。)第10条第11条第1項及び第2項に定める一般廃棄物処理施設等の設置計画の周知措置及び設置等の事前協議に関し必要な事項を定め,廃棄物処理施設の設置等に係る事務の適正かつ円滑な執行を図るとともに,廃棄物の適正処理を推進し,生活環境の保全を図ることを目的とする。

2 定義

この要領において使用する用語の定義は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)及び条例において使用する用語の例によるほか,次に掲げるとおりとする。

(1) 自社処理施設 事業者が自ら排出した廃棄物のみを処理するために設置する施設をいう。

(2) 工業団地 次のいずれかの事業により造成される工業団地をいう。

ア 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)による土地区画整理事業

イ 首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律(昭和33年法律第98号)による工業団地造成事業

ウ 都市計画法(昭和43年法律第100号)による開発行為の許可を受けた事業

(3) 工業専用地域 都市計画法第8条第1号に規定する工業専用地域をいう。

(4) 処理施設 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年政令第300号。以下「政令」という。)第5条に規定する施設(市町村が設置するもの及び自社処理施設にあっては,工業団地内又は既存の工場の敷地内に設置されるものを除く。)及び政令第7条に規定する施設(自社処理施設にあっては,工業団地内又は既存の工場の敷地内に設置されるものを除く。)並びに条例第2条第2項に定める指定処理施設,特定小型焼却施設及び積替保管施設をいう。

(5) 市町村長 3による知事の審査に係る処理施設の敷地の境界から,300メートル以内の土地を管轄する市町村の長をいう。

(6) 地元住民等 処理施設が設置されることにより生活環境上影響を受ける恐れのある住民で,原則として,敷地の境界から,300メートル以内に日常生活上使用する土地,住居,工作物を有する者。

(7) 周辺住民 処理施設が設置される敷地の境界から,300メートル以内に居住する住民(事業所を含む。)

3 事前審査の対象者

次に掲げる行為をしようとする者(以下「事業計画者」という。)は,あらかじめ,知事(自社処理施設であって政令第5条に規定する施設,政令第7条に規定する施設(政令第7条第14号イ及びハに規定する最終処分場を除く。)又は特定小型焼却施設に該当する施設にあっては,県民センター長又は県民センター総室長。3ただし書,7(6)ウ及び8(2)オを除き,以下同じ。)の審査(以下「事前審査」という。)を受けなければならない。ただし,知事が別に定める事業に係る行為については,この限りではない。

(1) 処理施設を設置すること。

(2) 処理施設の主要な設備又は処理能力を変更すること。

(3) 自社処理施設(事前審査を受けたものを除く。)を処分業の用に供すること。

(4) 処理施設において取り扱う産業廃棄物又は一般廃棄物の種類を追加すること(生活環境への負荷が増大しないと認められるものを除く。)

(5) 処理施設の位置を変更すること(生活環境への負荷が増大しないと認められるものを除く。)

(6) 処理施設を譲り受け又は借り受けること(既に個人で許可を受けた者が法人成りする場合及び譲渡し又は貸渡しをする予定であることが国又は県の計画において定められている場合を除く。)

(7) その他既に事前審査を受けた処理施設に係る敷地の拡張等の計画の変更であって,知事が特に必要と認めたもの。

4 事前審査の内容

知事は,次に掲げる事項についてその適否を審査するものとする。

(1) 事業遂行能力に関する事項

ア 法第14条第5項第2号に規定する内容に関すること。

イ 経理的基礎に関すること。

ウ 技術的能力に関すること。

(2) 処理施設の構造及び維持管理計画に関する事項

(3) 処理施設を設置する土地の使用権原に関する事項

(4) 地元住民等,周辺住民などの調整状況に関する事項

(5) 処理施設周辺の生活環境の保全に関する事項

(6) 上水道又は簡易水道等の水道水源への影響に関する事項

(7) 地滑り又は土砂崩れ等の災害の発生防止に関する事項

(8) 処理施設周辺の土地利用計画との整合に関する事項

(9) 他法令の手続に関する事項

(10) その他知事が必要と認める事項

5 事業計画者の責務

(1) 計画策定に当たっての説明等

事業計画者は,処理施設の設置等の計画策定に当たっては,知事及び市町村長にその内容を説明するとともに,知事及び市町村長が定めた土地利用及び環境保全に関する計画に適合させるよう努めるものとする。

(2) 地域の合意形成

事業計画者は,処理施設の設置等に当たっては,地元住民等の理解を得るよう努めるものとする。

6 立地条件

事業計画者は,自然環境の保全,災害の防止等を図るため,次に掲げる区域,地域,地区又は土地に該当する場所に処理施設を設置する場合には,関係課と協議しなければならない。

(1) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第5条第1項及び第2項並びに第72条の規定による自然公園区域

(2) 茨城県立自然公園条例(昭和37年茨城県条例第17号)第11条の規定による特別地域及び第21条の規定による普通地域

(3) 自然環境保全法(昭和47年法律第85号)第14条第1項及び茨城県自然環境保全条例(昭和48年茨城県条例第4号)第3条第1項の規定による自然環境保全地域

(4) 茨城県自然環境保全条例第10条第1項の規定による緑地環境保全地域

(5) 首都圏近郊緑地保全法(昭和41年法律第101号)第3条第1項の規定による近郊緑地保全区域

(6) 都市計画法第8条第1項第7号の規定による風致地区

(7) 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第29条第1項の規定による特別保護地区

(8) 海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第1項の規定による海岸保全区域

(9) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の規定により保安林として指定された土地

(10) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の規定により指定された土地

(11) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の規定による地すべり防止区域

(12) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の規定による急傾斜地崩壊危険区域

(13) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第27条第1項の規定により重要文化財に指定された土地,同法第93条第1項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地,同法第109条第1項の規定により史跡名勝天然記念物に指定された記念物の存する地域及び同法第143条第1項の規定による伝統的建造物群保存地区

(14) 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項に規定する河川区域及び同法第54条第1項の規定による河川保全区域

(15) 都市緑地法(昭和48年法律第72号)第5条の規定による緑地保全地域

7 事前審査の手続

(1) 事業計画概要書の提出等

ア 事業計画者は,事前審査を受けようとするときは,廃棄物処理施設の設置(変更)に係る事業計画概要書(様式第1号。以下「事業計画概要書」という。)正本1部及び副本2部(敷地の境界から,300メートル以内に他の市町村の区域を含む場合はその市町村分の副本を追加する。)並びに立地調書(様式第2号)15部を知事に提出しなければならない。

なお,次に掲げる事項により事業計画概要書を提出する場合には,立地調書に代えて関係法令手続報告書(様式第3号)を提出するものとする。

(ア) 3(1)の場合であって,既に同意が取得されている処理施設の敷地内における同種類で,かつ,処理能力の増加を伴わない処理施設の設置の場合

(イ) 3(1)の場合であって,処理施設に係る設置の場所,種類,処理する廃棄物の種類,処理能力及び設備について過去になされた設置許可から変更がない処理施設の設置の場合

(ウ) 3(2)(3)(4)(5)(6)又は(7)に該当する行為の場合

イ 知事は,アにより事業計画概要書の提出があったときは,市町村長に事業計画概要書(副本1部)を送付するとともに,当該事業計画に関する意見を求めるものとする。

ウ 市町村長は,イにより意見を求められたときは,地元住民等及び周辺住民の範囲等を定め,意見書(様式第4号)により知事に回答するとともに,その内容を事業計画者に通知するものとする。

エ 市町村長は,8(1)に定める者以外の者についても同意を取得させようとするとき又は8(1)に定める者の一部若しくは全部の者の同意を不要とする取扱いとするとき(8(2)に該当する場合を除く。)は,7(1)ウの通知を行う前に知事と協議して了解を得るものとする。

オ 市町村長は,ウにより意見の内容を事業計画者に通知したあと,当該事業計画についての地元住民等に対する説明会の開催,8(1)で定める同意の取得を必要とする地元関係者(7(1)エにより新たに同意の取得を必要とされた者を含む。以下,7内において同じ。)の範囲,土地利用計画との整合及び処理施設周辺の生活環境への配慮について事業計画者に対して指導するものとする。

カ 知事は,市町村長と協議のうえ,自ら2(6)に該当すると主張する者を,地元住民等とすることができる。

キ 事業計画者は,市町村長の指導に基づき地元住民等に対する説明会を開催し,その結果を書面により市町村長に報告するものとする。

ク 事業計画者は,関係する法令等について知事及び市町村長の指導を受けるものとする。

ケ 事業計画者は,市町村長からウによる通知を受けた後,8(1)で定める地元関係者の同意を書面(以下「同意書」という。)により取得しなければならない。

コ 事業計画者は,地元住民等から事業計画概要書の閲覧の求めがあったときは,事業計画の概要及び施設に関する書類等を閲覧させなければならない。

(2) 意見交換会の開催

ア 知事は,必要に応じて,自ら又は市町村長,事業計画者,地元住民等の請求により事業計画者と地元住民等との意見交換会を開催することができる。

イ 意見交換会は,知事が主催するものとする。

(3) 現地調査の実施

知事は,(1)アにより事業計画概要書の提出があったときは,計画地の現地調査を行うものとする。この場合において,知事は,市町村長に協力を求めることができる。

(4) 調整状況調書の提出等

ア 事業計画者は,(1)ケにより地元関係者の同意を取得した後,市町村長にその結果について説明するとともに,廃棄物処理施設の設置(変更・譲受け・借受け)に係る地元関係者等の調整状況調書(様式第5号。以下「調整状況調書」という。)正本1部及び副本2部を市町村長に提出するものとする。この場合において,調整状況調書には,それぞれ地元関係者の同意書の写しを添付するものとする。併せて,同意書の正本を提出するものとする。

イ 市町村長は,事業計画者から調整状況調書の提出があったときは,その内容を確認し,その旨を調整状況調書に記載のうえ,正本1部及び副本1部並びに同意書の正本を事業計画者に返戻するものとする。

(5) 事業計画書の提出等

事業計画者は,市町村長に調整状況調書による確認を受けた後,廃棄物処理施設の設置(変更・譲受け・借受け)に係る事業計画書(様式第6号。以下「事業計画書」という。)及び他法令等の確認報告書(様式第7号。以下「確認報告書」という。)の正本1部及び副本25部を知事に提出するものとする。ただし,(6)ア,イ又はウに該当する場合には,正本1部及び副本2部を提出するものとする。

なお,事業計画書の正本には,(4)イにより市町村長の確認を受けた調整状況調書の正本を,また,事業計画書の副本には当該調整状況調書の写しをそれぞれ添付するものとする。

(6) 審査

知事は,事業計画者から事業計画書の提出があったときは,内容を審査したうえで,次に掲げる場合を除き,廃棄物処理施設調整会議(以下「調整会議」という。)を開催して当該事業計画の審査を行うものとする。この場合において,知事は事業計画者に対し,審査に必要な書類の提出を求めることができるものとする。

ア 7(1)(ア)又は(イ)に該当する場合

イ 処理施設の改善若しくは軽微な変更を行う場合又は3(4)(5)又は(6)に該当する行為を行う場合

ウ その他知事が特に認める場合

(7) 調整会議の結果

ア 知事は調整会議が終了したときは,その結果を事業計画者に通知するものとする。

イ 事業計画者は,アの通知により指示された事項があったときは,必要な措置を行い,その結果を書面により知事に報告しなければならない。

(8) 事前審査の終了

知事は,事前審査が終了したときは,その結果を事業計画者に通知するものとする。

(9) 事前審査の手順

事前審査の基本的な手順は,別図のとおりである。

8 同意取得

(1) 同意取得の対象者

7(1)オの同意の取得を必要とする地元関係者の範囲は,次のとおりとする。

ア 周辺住民

イ 処理施設の敷地に隣接する土地の所有者

ウ 処理施設の排水等を放流する水路等の管理者

(2) 同意取得の取扱い

次に掲げる場合は,8(1)で定める者の同意の取得は必要ないものとする。

ア 7(1)(ア)に該当する場合

イ 処理施設の改善又は軽微な変更を行う場合(3(4)に定める事業に係る行為を除く。)。ただし,3(7)で定める既に事前審査を受けた処理施設に係る敷地の拡張等の計画の変更であって,当該変更が処理施設の軽微な変更である場合には,拡張後の敷地を基準として8(1)ア及びイに該当する者(既に同意を取得している者を除く。)から同意を取得するものとする。

ウ 処理施設を工業専用地域に設置する場合。ただし,8(1)ウに定める者並びに当該工業専用地域外に存する8(1)ア及びイに定める者については同意を取得するものとする。

エ 公益上の理由などにより,市町村長がやむを得ないと認めたとき。

オ その他知事が別に定める場合

(3) 同意書の記載事項

同意書には,次の事項を記載しなければならない。

ア 事業計画者の住所及び氏名(法人にあっては,主たる事務所の所在地並びに名称及び代表者の氏名)

イ 事業計画地の地番及び面積

ウ 処理施設の種類

エ 取り扱う廃棄物の種類

(4) 同意書には,同意者の住所及び氏名が自署され,その者の押印がされていなければならない。

9 事前審査の失効

(1) 市町村長から7(1)ウの意見書の提出があった日から起算して3年以内に,事業計画書の提出がない場合は,事業計画概要書は取り下げられたものとみなす。

(2) 知事が7(7)アの通知をした日から起算して6月以内に,事業計画者が同イの報告をしない場合は,事業計画書は取り下げられたものとみなす。

1 この要領は,公布の日から施行する。

3 この要領の施行の際現に旧産業廃棄物施設等の設置に係る事前審査要領の規定により,知事の審査を受けている者に係る事前審査については,この要領の規定にかかわらず,なお従前の例による。

4 この要領は,平成18年11月17日から一部改正施行する。

(平成19年告示第1203号)

この告示は,平成19年10月1日から施行する。

(平成22年告示第396号)

1 この告示は,平成22年4月1日から施行する。

2 この告示の施行の際に現に7(1)アに定める事業計画概要書を提出している者に係る8(2)の規定の適用については,この要領の規定にかかわらず,なお従前の例による。

(平成26年告示第368号)

1 この告示は,平成26年4月1日から施行する。

2 この告示の施行の際に現に7(1)アに定める事業計画概要書を提出している者に係る3の規定の適用については,この要領の規定にかかわらず,なお従前の例による。

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(平26告示368・一部改正)

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(平26告示368・一部改正)

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(平26告示368・一部改正)

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(平26告示368・一部改正)

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廃棄物処理施設の設置等に係る事前審査要領

平成10年6月17日 告示第751号の2

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第7編 生/第4章 環境保全/第2節 公害防止
沿革情報
平成10年6月17日 告示第751号の2
平成18年11月2日 告示第1239号
平成19年9月28日 告示第1203号
平成22年3月29日 告示第396号
平成26年4月1日 告示第368号