○茨城県農林漁業災害対策特別措置条例
昭和42年7月10日
茨城県条例第20号
〔茨城県農業災害対策特別措置条例〕を公布する。
茨城県農林漁業災害対策特別措置条例
(昭57条例12・改称)
(目的)
第1条 この条例は,暴風雨,豪雨,長雨,地震,暴風浪,高潮,降雪,降霜,高低温,降ひよう又は干ばつ等の天災(以下「災害」という。)による損失等を受けた農林漁業者及び農林漁業者の組織する団体に対し,被害農林水産物の樹草勢回復,代作等についての助成措置及び農林漁業経営に必要な資金の融通を円滑にする措置(以下「助成措置等」という。)を講じて,農林漁業経営の安定に資することを目的とする。
(昭57条例12・一部改正)
(1) 被害農業者 農業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 災害による農作物,畜産物又は繭の減収量がその農作物,畜産物又は繭の平年における収穫量の100分の30以上であり,かつ,災害による農作物,畜産物及び繭の減収に伴う損失額がその者の平年における農業による総収入額の100分の10以上であること。
イ 災害による果樹,茶樹又は桑樹等(その者のこれらを栽培する面積が知事の定める面積である場合における当該果樹,茶樹又は桑樹等に限る。以下同じ。)の流失,損傷,枯死等に伴う損失額がその者の栽培する果樹,茶樹又は桑樹等の永年作物の被害時における価額の100分の30以上であること。
ウ 災害による農業用施設の流失,全壊又は大破に伴う被害額が10万円以上であること。
(2) 被害林業者 林業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 災害による木材,林業用種苗その他の林産物の流失等による損失額がその者の平年における林業による総収入額の100分の10以上であること。
イ 災害によるその所有するしいたけほだ木,わさび育成施設又は樹苗育成施設等の流失,損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の100分の50以上であること。
(3) 被害漁業者 漁業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 災害による魚類,貝類及び海藻類の流失等による損失額がその者の平年における漁業による総収入額の100分の10以上であること。
(4) 補助対象農業者 農業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害(次条第1項に規定する指定災害をいう。以下本条において同じ。)による農作物,畜産物又は繭の減収量がその農作物,畜産物又は繭の平年における収穫量の100分の30以上であること。
イ 指定災害による果樹,茶樹又は桑樹等の流失,損傷,枯死等に伴う損失額がその者の栽培する果樹,茶樹又は桑樹等の永年作物の被害時における価額の100分の30以上であること。
(5) 補助対象林業者 林業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害による木材,林業用種苗その他の林産物の流失等による損失額がその者の平年における林業による総収入額の100分の30以上であること。
イ 指定災害によるその所有するしいたけほだ木,わさび育成施設又は樹苗育成施設等の流失,損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の100分の50以上であること。
(6) 補助対象漁業者 漁業を主な業務とする者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害による魚類,貝類及び海藻類の流失等による損失額がその者の平年における漁業による総収入額の100分の30以上であること。
イ 指定災害によるその所有する漁船又は漁具の沈没,流失,滅失,損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の100分の50以上であること。
(7) 特別被害農業者 被害農業者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害による農作物,畜産物又は繭の減収に伴う損失額がその者の平年における農業による総収入額の100分の50(開拓者にあつては,100分の30)以上であること。
イ 指定災害による果樹,茶樹又は桑樹等の永年作物の流失,損傷,枯死等に伴う損失額がその者の栽培する果樹,茶樹又は桑樹等の永年作物の被害時における価額の100分の50(開拓者にあつては,100分の40)以上であること。
ウ 指定災害による農業用施設の流失,全壊又は大破に伴う被害額が20万円以上であること。
(8) 特別被害林業者 被害林業者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害による木材,林業用種苗その他の林産物の流失等による損失額がその者の平年における林業による総収入額の100分の50以上であること。
イ 指定災害によるその所有するしいたけほだ木,わさび育成施設又は樹苗育成施設等の流失,損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の100分の70以上であること。
(9) 特別被害漁業者 被害漁業者であつて,次のいずれかに該当する旨の市町村長の認定を受けたものをいう。
ア 指定災害による魚類,貝類及び海藻類の流失等による損失額がその者の平年における漁業による総収入額の100分の50以上であること。
イ 指定災害によるその所有する漁船又は漁具の沈没,流失,滅失,損壊等による損失額が当該施設の被害時における価額の100分の70以上であること。
(10) 被害組合 指定災害により,その所有し,又は管理する施設,在庫品等につき著しい被害を受けた農業協同組合,農業協同組合連合会,森林組合,森林組合連合会又は水産業協同組合で,知事が認定したものをいう。
(11) 特別被害地域 次のいずれかに該当する区域のうち知事の指定する地域をいう。
ア 旧市町村の区域(昭和28年9月30日現在における市町村の区域をいう。以下同じ。)の全部若しくは一部又は耕地面積が10ヘクタール以上である開拓地区の区域であつて,その区域内において農業を営む被害農業者中に含まれる特別被害農業者の数が当該被害農業者の数の100分の10以上である区域
イ 旧市町村の区域の全部又は一部であつて,その区域内において林業を営む被害林業者中に含まれる特別被害林業者の数が当該被害林業者の数の100分の10以上である区域
ウ 旧市町村の区域の全部又は一部であつて,その区域内に住所を有する被害漁業者中に含まれる特別被害漁業者の数が当該被害漁業者の数の100分の10以上である区域
(12) 経営資金 農業協同組合,森林組合,漁業協同組合(以下「組合」と総称する。)又は金融機関が被害農業者,被害林業者又は被害漁業者(以下「被害農林漁業者」と総称する。)に対し,種苗,肥料,飼料,薬剤,農機具(知事が定めるものに限る。),家畜,しいたけほだ木,漁具(知事が定めるものに限る。),稚魚,稚貝,餌料,漁業用燃油等の購入資金,漁船(知事が定めるものに限る。)の建造又は取得に必要な資金その他農林漁業経営に必要な資金として貸し付ける資金で次に該当するものをいう。
(ア) 市町村長が認定する損失額を基準として知事が定めるところにより算出した額
(イ) 200万円(知事が定める資金として貸し付けられる場合にあつては500万円,知事が定める法人に貸し付けられる場合にあつては2,500万円,漁具の購入資金として貸し付けられる場合にあつては5,000万円)の範囲内で知事が定める額。ただし,激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号。以下「激甚災害法」という。)の適用を受けた場合は,激甚災害法に規定する貸付限度額の範囲内で知事が定める額
イ 償還期限は,6年の範囲内において知事が定める期限以内のものであること。ただし,激甚災害法の適用を受けた場合は,その期限の範囲内のものであること。
ウ 償還方法は,原則として各年均等償還のものであること。
エ 利率は,特別被害農業者若しくは特別被害林業者で特別被害地域内において農業若しくは林業を営むもの又は特別被害漁業者で特別被害地域内に住所を有するものに貸し付けられる場合(漁具の購入資金として貸し付けられる場合のうち知事が定める場合を除く。)は年3パーセント以内,その他の場合は年5パーセント以内のものであること。
オ 貸付期間は,知事が定める期間内のものであること。
カ 既に経営資金の貸付けを受けている者でその償還期限内に再び被害農林漁業者に該当することとなつたものに貸し付ける場合にあつては,貸付限度額にその既に貸付けを受けている経営資金の当該年度に償還が予定されている額(その額が知事が定める額を超えるときは,当該知事が定める額)を加えた額の範囲内のものであること。
(13) 事業資金 農業協同組合連合会,森林組合連合会,漁業協同組合連合会(以下「連合会」と総称する。)又は金融機関が,被害組合に対し,指定災害により被害を受けたために事業運営に必要となつた資金として貸し付ける資金で次に該当するものをいう。
ア 貸付金額は,2,500万円(連合会に貸し付けられる場合にあつては,5,000万円)以内のものであること。ただし,激甚災害法の適用を受けた場合は,激甚災害法に規定する貸付限度額の範囲内のものであること。
イ 償還期限は3年以内,利率は年6.5パーセント以内のものであること。
ウ 貸付期間は,知事が定める期間内のものであること。
(14) 農業用施設復旧資金 農業協同組合,農業協同組合連合会又は金融機関が,被害農業者又は特別被害農業者に対し,指定災害により被害を受けた農業用施設の復旧に必要な資金として貸し付ける資金で次に該当するものをいう。
ア 貸付金額は,200万円(共同利用施設(農業者が共同して利用する農業用施設をいう。以下同じ。)に係る場合にあつては,2,000万円)の範囲で知事が定める額の範囲内のものであること。
イ 償還期限は,12年(共同利用施設に係る場合にあつては,15年)以内のものであること。
ウ 償還方法は,原則として各年均等償還のものであること。
エ 利率は,特別被害農業者で特別被害地域内において農業を営むものに貸し付けられる場合は年3パーセント以内,その他の場合は年5パーセント以内のものであること。
オ 貸付期間は,知事が定める期間内のものであること。
(15) 農業用施設 農舎,畜舎,サイロ,堆肥舎,温室,蚕室,農業物乾燥施設,果樹棚,電気牧柵及び農機具をいう。
(昭57条例12・全改,昭57条例34・令6条例62・一部改正)
(措置の指定等)
第3条 知事は,農林漁業経営に及ぼす影響が大きいものとして規則で定める基準に該当する災害を,指定災害として指定するものとする。
2 知事は,前項の指定を行う場合には,次に掲げる助成措置等のうち講ずべきものを定めるものとする。
(1) 樹草勢回復についての助成
(2) 農林水産物の病害虫防除についての助成
(3) 種苗,蚕種等についての助成
(4) 代作等についての助成
(5) 種苗,桑葉等の輸送についての助成
(6) 経営資金,事業資金及び農業用施設復旧資金の融通についての助成
(7) その他知事が特に重要と認めるものについての助成又は資金の融通
(昭45条例17・昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(市町村の助成に対する補助等)
第4条 知事は,市町村が当該市町村の区域内における補助対象農業者,補助対象林業者,補助対象漁業者,特別被害農業者,特別被害林業者又は特別被害漁業者に対して助成をした場合には,当該助成に要した経費の一部について,予算の範囲内で当該市町村に補助金を交付する。ただし,当該市町村が農林漁業者1人当たり1,000円未満の助成をした場合には,当該助成に限り補助金の交付の対象としない。
2 知事は,農林漁業団体が規則で定める事業を行なつた場合には,当該事業に要した経費の一部について,予算の範囲内で当該農業団体に補助金を交付する。
3 前2項の補助金の交付基準等は,規則で定める。
(昭45条例17・昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(昭45条例17・昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(経営資金,事業資金及び農業用施設復旧資金の融通に対する助成)
第6条 知事は,次の各号に掲げる経費の一部について,予算の範囲内で市町村に補助金を交付する。
(1) 市町村が,組合又は金融機関との契約により,当該組合又は当該金融機関が貸し付けた経営資金につき利子補給を行う場合における当該利子補給に要する経費
(2) 市町村が,組合又は金融機関との契約により,当該組合又は当該金融機関が経営資金を貸し付けたことによつて受けた損失をこれに対し補償する場合における当該損失補償に要する経費
(1) 前項第2号の損失は,融資元本の償還期限到来後3月を経過して,なお元本又は利子(知事が別に定める遅延利子を含む。)の全部又は一部が回収されなかつた場合におけるその回収されなかつた金額とすること。
(2) 組合又は金融機関は,当該契約により損失補償を受けた後も,善良な管理者の注意をもつて当該融資に係る債権の回収に努めなければならないこと。
(3) 組合又は金融機関は,当該契約により損失補償を受けた後に,当該融資に係る債権の回収によつて得た金額のうちから債権行使のために要した費用を控除し,残額があるときは当該融資について損失補償を受けない損失に充当し,なお残額があるときは当該契約により市町村から受けた損失補償の金額に達するまでの金額を市町村に納付しなければならないこと。
3 知事は,連合会又は金融機関との契約により,次の各号に掲げる損失又は利子の一部について,予算の範囲内で当該連合会又は金融機関に補助金を交付する。
(1) 連合会又は金融機関が知事の定める特定の組合に対して経営資金の貸付けに充てるための資金を融資した場合における連合会又は当該金融機関が受けた損失。ただし,第1項第2号による市町村の損失補償において,知事が補助対象とした部分を除く。
(2) 連合会又は金融機関が被害組合に事業資金を貸し付けた場合における利子
(3) 連合会又は金融機関が被害組合に事業資金を貸し付けた場合における連合会又は当該金融機関が受けた損失
4 知事は,市町村が,農業協同組合若しくは農業協同組合連合会又は金融機関との契約により,当該組合若しくは当該連合会又は当該金融機関が貸し付けた農業用施設復旧資金につき利子補給を行う場合における当該利子補給に要する経費の一部について,予算の範囲内で当該市町村に補助金を交付する。
(昭45条例17・昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(昭57条例12・一部改正)
(融資額の限度)
第8条 経営資金,事業資金及び農業用施設復旧資金の総額は,指定災害の都度知事が定める額を限度とする。
(昭57条例12・一部改正)
(昭45条例17・昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(仮渡し資金の貸付け)
第10条 知事は,農業共済団体(農業保険法(昭和22年法律第185号)第3条に規定する農業共済団体をいう。以下同じ。)が農業保険法施行規則(平成29年農林水産省令第63号)第79条の規定に基づく共済金の仮渡しを行う場合には,当該仮渡しに要する資金を,当該農業共済団体との契約により,予算の範囲内で当該農業共済団体に貸し付けるものとする。この場合において,貸付金は無利子とする。
(昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(条例等の違反に対する措置)
第11条 知事は,市町村若しくは農林漁業団体,市町村と契約した組合若しくは金融機関,連合会若しくは金融機関又は農業共済団体がこの条例若しくはこの条例に基づく規則又は第6条第1項第1号若しくは第2号の契約に違反したときは,当該市町村,当該農林漁業団体,当該連合会,若しくは当該金融機関に対し,その交付すべき補助金の全部若しくは一部を交付せず,若しくは既に交付した補助金の全部若しくは一部の返還を命じ,又は農業共済団体に対しその貸し付けるべき資金の全部若しくは一部を貸し付けず,若しくは既に貸し付けた資金の全部若しくは一部の償還を,その本来の償還期限の到来前であつても,命ずることができる。
(昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(報告及び検査)
第12条 知事は,この条例に基づく助成措置等が適正に行われるために必要があると認めるときは,知事から補助金の交付,若しくは貸付けを受けた市町村,農林漁業団体,連合会,金融機関若しくは農業共済団体,市町村から利子補給若しくは損失補償を受けた組合若しくは金融機関又は連合会若しくは金融機関から融資を受けた組合若しくは事業資金の貸付けを受けた被害組合に対し報告を求め,又は職員をしてその事務所に立ち入らせ,帳簿,書類その他必要な物件を検査することができる。
2 前項の規定により職員が検査する場合は,その身分を示す証票を携帯し,関係者に提示しなければならない。
(昭57条例12・令6条例62・一部改正)
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。
付則
この条例は,公布の日から施行する。
付則(昭和45年条例第17号)
1 この条例は,昭和45年4月1日から施行し,同日以降に改正後の茨城県農業災害対策特別措置条例第3条第1項の規定による指定のあつた指定災害につき適用する。
2 この条例の施行日の前日までに改正前の茨城県農業災害対策特別措置条例第3条第1項の規定により指定された区域に係る助成措置等については,なお従前の例による。
付則(昭和45年条例第34号)
1 この条例は,公布の日から施行する。
付則(昭和47年条例第38号)
1 この条例は,公布の日から施行する。
2 この条例の施行日の前日までに茨城県農業災害対策特別措置条例第3条第1項の規定による指定のあつた指定災害については,なお従前の例による。
付則(昭和51年条例第41号)
1 この条例は,公布の日から施行する。
2 この条例の施行の日の前日までにおいて,この条例による改正前の茨城県農業災害対策特別措置条例第3条第2項の規定による指定のあつた区域に係る助成措置等については,なお従前の例による。
付則(昭和53年条例第41号)
この条例は,公布の日から施行し,この条例による改正後の茨城県農業災害対策特別措置条例の規定は,昭和53年6月1日以後に発生した災害につき適用する。
付則(昭和57年条例第12号)
1 この条例は,公布の日から施行する。
2 この条例の施行前において,この条例による改正前の茨城県農業災害対策特別措置条例第3条第2項の規定による指定のあつた区域に係る助成措置等については,なお従前の例による。
付則(昭和57年条例第34号)
この条例は,公布の日から施行し,この条例による改正後の茨城県農林漁業災害対策特別措置条例の規定は,昭和57年7月5日以後に発生した災害について適用する。
付則(令和6年条例第62号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例による改正後の茨城県農林漁業災害対策特別措置条例の規定は、令和6年5月1日以後に発生した災害について適用する。
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○利率等の表示の年利建て移行に伴う関係条例の整理に関する条例(抄)
昭和45年6月30日
茨城県条例第34号
(年当たりの割合の基礎となる日数)
第13条 前各条の規定による改正後の条例の規定に定める延滞金,遅延利息及び違約金その他これらに類するものの額の計算につきこれらの条例の規定に定める年当たりの割合は,閏年の日を含む期間についても,365日当たりの割合とする。