○茨城県水上安全条例

昭和48年4月1日

茨城県条例第29号

茨城県水上安全条例を公布する。

茨城県水上安全条例

(目的)

第1条 この条例は,水上における危険を防止するとともに,水上交通の安全と円滑を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「水域」とは,河川,湖沼及び池をいう。

2 この条例において「船舶」とは,機関又は帆を用いて推進する船をいう。

3 この条例において「動力船」とは,機関を用いて推進する船をいう。

4 この条例において「操縦」とは,船舶をその本来の用い方に従つて用いることをいう。

5 この条例において「航行」とは,船舶を操縦して進行することをいう。

(安全航行の義務)

第3条 水域において,船舶を操縦する者(以下「操縦者」という。)は,当該船舶の操舵装置その他の装置を確実に操作し,かつ,周囲の状況に応じ,安全な速力と航法で航行しなければならない。

(動力船の航法)

第4条 動力船の操縦者は,水域において,次の各号に掲げる航法に従い当該動力船を航行させなければならない。

(1) 動力船が,他の動力船と真向かい又はほとんど真向かいに行き会う場合であつて,衝突のおそれがあるときは,動力船は,進路を右に転じて他の動力船の左げん側を通過すること。

(2) 動力船が,当該動力船の右げん側を航行する他の動力船の進路を横切る場合であつて,衝突のおそれがあるときは,他の動力船の進路を避けること。

(3) 動力船が,他の動力船又は動力船以外の船(以下「船舶等」という。)を追い越そうとするときは,他の船舶等を確実に追い越し,かつ,十分に遠ざかるまで他の船舶等の進路を避けること。

(4) 動力船が,動力船以外の船と衝突するおそれがある方向に進行するときは,動力船は,動力船以外の船の進路を避けること。

(5) 動力船が,網,なわ(引きなわを除く。)又はトロール(けた網,まんぐわその他の漁具を水中で引くことをいう。)により漁ろうに従事している船舶等と衝突するおそれがある方向に進行するときは,動力船は,船舶等の進路を避けること。

(小型船舶の操縦者の遵守事項)

第4条の2 小型船舶(船舶のうち船舶職員及び小型船舶操縦者法(昭和26年法律第149号)第2条第4項に規定する小型船舶に該当するものをいう。以下この条において同じ。)の操縦者は,水域において,小型船舶により,人を乗せたゴムボート,水上スキーその他これらに類するもの(以下この条において「ゴムボート等」という。)をえい航するときは,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 適切な見張りをすることができる者を同乗させることその他当該ゴムボート等に係る者の状況を常に把握するため必要な措置を講ずること。

(2) 当該ゴムボート等に係る者に公安委員会規則で定める救命胴衣を着用させること。ただし,当該救命胴衣を着用させることを要しない場合として公安委員会規則で定める場合を除く。

(3) 当該ゴムボート等に係る者が水域に転落し,又はゴムボート等が他の船舶等その他の物件と衝突することのないよう安全な速力で航行すること。

(平31条例27・追加)

(危険の際の措置)

第5条 操縦者は,水域において,航行に危険が予想されるとき又は航行中天候が急変したときは,船舶の出航を中止し,又は安全な場所に避難する等必要な措置を講じなければならない。

2 操縦者は,水域において,霧,もや,豪雨等により,視界が制限される状態で船舶を航行させるとき又は見通しの困難な場所に船舶を航行させるときは,危険を防止するため,汽笛,号鐘その他の警音を発しなければならない。

3 操縦者は,水域において,夜間に船舶を航行させるときは,他の船舶等から視認し得るような燈火を用いなければならない。

(警察官の指示等)

第6条 警察官は,前3条の規定に違反して船舶を航行させている操縦者に対し,当該違反行為を中止すること又は航行の危険を防止するために必要な措置を講ずることを指示することができる。

2 警察官は,前項の規定による指示をするため必要があると認めるときは,水域を航行する船舶を停止させ,及び当該船舶の操縦者その他の乗務員に対し質問することができる。

(平31条例27・一部改正)

(酒気帯び操縦等の禁止)

第7条 操縦者は,水域において,酒気を帯びて船舶を操縦してはならない。

2 操縦者は,水域において,薬物の影響により正常な操縦ができないおそれがある状態で船舶を操縦してはならない。

(平31条例27・一部改正)

(危険防止の措置)

第7条の2 警察官は,船舶に乗船し,又は乗船しようとしている者が,前条第1項の規定に違反して船舶を操縦するおそれがあると認められるときは,次項の規定による措置に関し,その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため,公安委員会規則で定めるところにより,その者の呼気の検査をすることができる。

2 警察官は,前項の検査を行つた場合において,当該船舶の操縦者が前条第1項の規定に違反して船舶を操縦するおそれがあるときは,その者が正常な操縦ができる状態になるまで船舶を操縦してはならない旨を指示する等,水域における危険を防止するため必要な応急の措置を講ずることができる。

(平31条例27・追加)

(危険な行為の禁止)

第8条 操縦者は,次の各号に掲げる区域において,船舶を縫航させ,急転回させ,又は疾走させてはならない。

(1) 人が多数遊泳している水域又は海

(2) 船舶等が漁ろう等のため多数停留している水域

(3) 船舶以外の船が多数回遊している水域

(もり等の使用の禁止)

第9条 何人も,人が多数遊泳している水域又は海においては,もり又は水中銃を使用してはならない。

(放置等の禁止)

第10条 何人も,水域においては,船舶等の航行に危険を生じさせるおそれのある廃船その他の廃棄物を放置し,又は投棄してはならない。

(航行の制限等)

第11条 公安委員会は,水域における危険を防止するため必要があると認めるときは,公安委員会規則で定めるところにより,船舶の航行を制限し,又は禁止することができる。

2 前項の規定により,制限し,又は禁止するときは,公安委員会規則で定めるところにより標識を設置するものとする。

(事故発生の際の措置)

第12条 水域において,船舶の航行による人の死傷又は物の損壊(以下「事故」という。)があつたときは,当該船舶の操縦者その他の乗務員は,直ちに負傷者を救護するとともに,危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2 前項の場合において,当該船舶の操縦者(操縦者が死亡し,又は負傷したためやむを得ないときは,その他の乗務員)は,すみやかに警察官に当該事故が発生した日時及び場所,当該事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及び損壊の程度並びに当該事故について講じた措置を報告しなければならない。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は,公安委員会規則で定める。

(罰則)

第14条 次の各号のいずれかに該当する者は,3月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(1) 第7条第1項の規定に違反した操縦者で,その操縦をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な操縦ができないおそれがある状態をいう。)にあつたもの

(2) 第7条第2項の規定に違反した操縦者

(3) 第12条第1項の規定に違反した操縦者

2 次の各号のいずれかに該当する者は,3月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

(1) 第7条第1項の規定に違反した操縦者で,その操縦をした場合において身体に公安委員会規則で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの

(2) 第8条の規定に違反した操縦者

(3) 第11条第2項の規定による標識をみだりに移転し,又は損壊した者

(4) 第12条第1項の規定に違反した船舶の乗務員(操縦者を除く。)

3 次の各号のいずれかに該当する者は,20万円以下の罰金に処する。

(1) 第6条第1項の規定による警察官の指示に違反した操縦者

(2) 第7条の2第1項の規定による警察官の検査を拒み,又は妨げた者

(3) 第10条の規定に違反した者

(4) 第11条第1項の規定による制限又は禁止に違反した操縦者

(5) 第12条第2項に規定する報告をしなかつた者

4 第9条の規定に違反した者は,10万円以下の罰金に処する。

(平31条例27・全改)

この条例は,昭和48年5月1日から施行する。

(平成4年条例第60号)

この条例は,平成4年4月1日から施行する。

(平成31年条例第27号)

(施行期日)

1 この条例は,平成31年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については,なお従前の例による。

茨城県水上安全条例

昭和48年4月1日 条例第29号

(令和元年7月1日施行)