○茨城県被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例

平成26年3月26日

茨城県条例第32号

茨城県被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例を公布する。

茨城県被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例

健康で文化的な最低限度の生活を営むことは,全ての人に保障された権利である。

その理念に基づき,生活に困窮する者の保護について,県をはじめ,それらの者の保護を行うべき実施機関や関係する医療機関,介護機関等は,様々な課題を十分認識し,それぞれの責務や役割を自覚し,共に協力していくことが必要である。

ここに,保護を受ける者と住居や生活に関するサービスを提供する事業者との間における公正な取引ルールを定め,保護を受ける者に不当に不利となる事業活動を規制することにより,保護を受ける者の生活の安定及び自立の助長を図ることを目指して,この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は,被保護者等住居・生活サービス等提供事業に対し必要な規制を行うことにより,その事業を行う者の被保護者等の処遇についての不当な行為を防止し,もって被保護者等の生活の安定及び自立の助長を図り,福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「被保護者等」とは,生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条第1項に規定する被保護者及び同条第2項に規定する要保護者であって同法第24条第1項に規定する保護の開始の申請をしているものをいう。

2 この条例において「被保護者等住居・生活サービス等提供事業」とは,次に掲げる事業(国又は地方公共団体が行う事業を除く。)をいう。ただし,法令によりその開始につき行政庁の許可,認可,免許その他の処分又は行政庁への届出を要するものとされている事業,法令によりその設置につき行政庁の許可,認可,免許その他の処分又は行政庁への届出を要するものとされている施設に係る事業その他これらに類する事業を除く。

(1) 2人以上の被保護者等に対し,住宅又は宿泊所その他の居住の用に供する施設(以下「住居等」という。)を提供するとともに,被服,寝具その他生活必需品,食事又は洗濯,掃除その他役務の提供その他の日常生活上必要なサービスであって1月を超えて継続的に提供されるもの(以下「生活サービス」という。)を提供し,又は生活保護法の規定により保護として給与し,若しくは貸与される金銭若しくは当該金銭が払い込まれる預金若しくは貯金の口座に係る預金通帳等(当該預金若しくは貯金の口座に係る通帳若しくは引出用のカード又は当該預金若しくは貯金の引出し若しくは払込みに必要な情報その他これらに類するものをいう。)(以下「金銭等」という。)の管理を行うサービス(以下「金銭等管理サービス」という。)を提供する事業

(2) 2人以上の被保護者等に対し,住居等を提供するとともに,自己の指定する者に生活サービス又は金銭等管理サービスを提供させる事業

(3) 2人以上の被保護者等に対し,生活サービス又は金銭等管理サービスを提供するとともに,自己の指定する者に住居等を提供させる事業

(4) 前2号の指定を受け,これらの号に規定する生活サービス若しくは金銭等管理サービス又は住居等を提供する事業

3 この条例において「住居等に関する契約」とは,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行う者(以下「事業者」という。)と被保護者等との間で締結される被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約であって,当該事業者が有償で住居等を提供することを約するものをいう。

4 この条例において「生活サービスに関する契約」とは,事業者と被保護者等との間で締結される被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約であって,当該事業者が有償で生活サービスを提供することを約するものをいう。

5 この条例において「金銭等管理サービスに関する契約」とは,事業者と被保護者等との間で締結される被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約であって,当該事業者が金銭等管理サービスを提供することを約するものをいう。

(届出)

第3条 事業者(前条第2項第4号に規定する事業を行う者を除く。次項において同じ。)は,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を開始したときは,事業開始の日から1月以内に,規則で定めるところにより,次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

(1) 事業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名

(2) 事業の種別(住居等の提供又は生活サービスの提供若しくは金銭等管理サービスの提供の別をいう。)

(3) 住居等を提供する事業者にあっては,当該住居等の建物の名称及び所在地

(4) 前3号に掲げるもののほか,規則で定める事項

(5) 前条第2項第2号及び第3号に掲げる事業に係る事業者にあっては,自己の指定する事業者についての前各号に掲げる事項

2 前項の規定による届出をした事業者は,同項各号に掲げる事項に変更を生じたとき,又はその事業を廃止し,若しくは休止したときは,その日から1月以内に,その旨を知事に届け出なければならない。

(被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約の解除に係る規制)

第4条 事業者は,住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約の締結に際しては,次に掲げる事項の定めをしなければならない。

(1) 被保護者等が住居等に関する契約を解除する場合について,予告をしたときは,1月以内で当該契約を解除することができること。

(2) 事業者が正当な事由があると認められる場合に住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を解除するときは,少なくとも6月前にその予告をしなければならないこと。

(3) 被保護者等が生活サービスに関する契約又は金銭等管理サービスに関する契約の解除の申入れをしたときは,直ちに当該申入れに係る契約を解除することができること。

2 事業者は,住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約の締結に際しては,次に掲げる事項の定めをしてはならない。

(1) 被保護者等が生活サービスに関する契約又は金銭等管理サービスに関する契約を解除することを理由として,事業者が住居等に関する契約を解除すること。

(2) 被保護者等が住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を解除した場合について,被保護者等が当該契約の解除に伴う違約金を支払うこと。

(被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約締結前の重要事項の説明等)

第5条 事業者は,住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を締結しようとするときは,当該契約を締結するまでに,その相手方である被保護者等に対し,次の各号に掲げる契約の区分に応じ,当該各号に定める事項を明らかにし,当該契約の内容を説明する書面を交付して説明しなければならない。

(1) 住居等に関する契約 次に掲げる事項

 事業者の氏名又は名称及び住所

 住居等の提供期間

 建物の名称及び所在地並びに居室の室番号及び床面積

 居室の賃料,共益費,管理費その他の住居等に関して被保護者等が支払うこととなる金銭の額

 契約の解除に関する事項

(2) 生活サービスに関する契約 次に掲げる事項

 事業者の氏名又は名称及び住所

 生活サービスの提供期間

 提供する生活サービスの内容及びその対価

 契約の解除に関する事項

(3) 金銭等管理サービスに関する契約 次に掲げる事項

 事業者の氏名又は名称及び住所

 金銭等管理サービスの提供期間

 有償で提供する場合にあっては,その対価

 金銭等の管理の方法

 被保護者等への報告の方法及び時期

 契約の解除に関する事項

2 事業者は,前項の説明をした者をして,同項の書面に署名又は記名押印をさせなければならない。

(被保護者等住居・生活サービス等提供事業に係る契約締結時の書面の交付)

第6条 事業者は,住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を締結したときは,遅滞なく,次に掲げる事項についてその契約の内容を明らかにする書面を作成して署名し,又は記名押印し,その相手方である被保護者等に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち,重要なものとして規則で定めるものを変更したときも,同様とする。

(1) 前条第1項各号に掲げる事項

(2) 契約年月日

(被保護者等に対する虐待の防止及び自立支援)

第7条 事業者は,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行うに当たっては,被保護者等の権利利益を侵害することがないよう,被保護者等に対する身体的虐待(被保護者等の身体に外傷が生じ,又は生じるおそれのある暴行を加えることをいう。),心理的虐待(被保護者等に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の被保護者等に著しい心理的外傷を与える言動を行うことをいう。),経済的虐待(被保護者等の財産を不当に処分することその他当該被保護者等から不当に財産上の利益を得ることをいう。)その他の虐待の防止に関する取組を推進しなければならない。

2 事業者は,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行うに当たっては,被保護者等の自立支援を促すため,県及び市町村が実施する自立支援に関する施策に協力するものとする。

(報告の徴収及び立入検査等)

第8条 知事は,この条例の施行に必要な限度において,事業者に対し,必要と認める事項の報告を求め,又はその職員に,事業者の事務所,住居等その他の施設に立ち入り,施設,帳簿,書類等を検査させ,その他事業経営の状況を調査させることができる。

2 前項の規定により立入検査その他事業経営の状況の調査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係人の請求があったときは,これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(事業の停止等)

第9条 知事は,第3条第1項の規定による届出をしない事業者が,被保護者等住居・生活サービス等提供事業に関し不当に営利を図り,又は被保護者等の処遇につき不当の行為をしたときは,その事業者に対し,期限を定めて,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行うことを制限し,又はその停止を命ずることができる。

2 知事は,事業者が,第3条第2項若しくは第6条の規定に違反し,かつ,次に掲げる行為をしたときは,その事業者に対し,期限を定めて,被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行うことを制限し,又はその停止を命ずることができる。

(1) 前条第1項の規定による報告の求めに応ぜず,若しくは虚偽の報告をし,同項の規定による立入り,検査若しくは調査を拒み,妨げ,若しくは忌避したとき。

(2) 被保護者等住居・生活サービス等提供事業に関し不当に営利を図り,若しくは被保護者等の処遇につき不当の行為をしたとき。

(勧告及び命令)

第10条 知事は,事業者が第4条第5条若しくは第7条第1項の規定に違反したとき,又は次に掲げる行為をした場合において,被保護者等の生活の安定及び自立の助長を害するおそれがあると認めるときは,当該事業者に対し,住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約の内容を説明する書面の交付,虐待の防止に関する取組その他の必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

(1) 住居等に関する契約において,予告をしたときは,1月以内で当該契約を解除することができる定めをし,かつ,被保護者等が当該定めに基づいて契約の解除の申入れをしたにもかかわらず,当該契約を解除しないこと。

(2) 正当な事由がなくて,又は6月前までに予告することなしに住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を解除し,又は契約の解除の申入れをすること。

(3) 被保護者等が生活サービスに関する契約又は金銭等管理サービスに関する契約の解除の申入れをしたにもかかわらず,当該申入れに係る契約を解除しないこと。

(4) 被保護者等が生活サービスに関する契約又は金銭等管理サービスに関する契約を解除したことを理由として,被保護者等に対し住居等の明渡しを求めること。

(5) 被保護者等が住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約を解除した場合について,被保護者等に当該契約の解除に伴う違約金の支払を請求すること。

2 知事は,前項の規定による勧告を受けた事業者がその勧告に従わないときは,その勧告に従うべきことを命ずることができる。

(公表)

第11条 知事は,前条第2項の規定による命令を受けた事業者が正当な理由なく当該命令に違反したときは,当該命令に違反した事業者の氏名又は名称,住所及び当該命令の内容を公表することができる。

2 知事は,前項の規定による公表をしようとするときは,当該公表に係る事業者に,あらかじめ,その旨を通知し,その事業者の出席を求め,釈明及び証拠の提出の機会を与えるため,意見の聴取の手続を行わなければならない。

(保護の実施機関との連携)

第12条 知事は,事業者に関する情報その他の必要な情報を,生活保護法第19条第4項に規定する保護の実施機関(以下「保護の実施機関」という。)に提供するものとする。

2 知事は,事業者が第3条から第7条までの規定に違反する疑いがあるとき,又は第10条第1項各号に掲げる行為をしたと認めるときは,保護の実施機関に対し,事業者に関する情報の提供その他の必要な協力を求めることができる。

3 保護の実施機関は,事業者が第3条から第7条までの規定に違反する疑いがあると認めるとき,又は第10条第1項各号に掲げる行為をしたと認めるときは,知事に対し,必要な措置を講ずべきことを求めることができる。

(年次報告)

第13条 知事は,毎年度,被保護者等住居・生活サービス等提供事業に関して講じた施策の実施状況及び成果を取りまとめ,議会に対し報告するとともに,これを公表するものとする。

(令5条例33・追加)

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

(令5条例33・旧第13条繰下)

(罰則)

第15条 第9条第1項又は第2項に規定する制限又は停止の命令に違反した者は,6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。

(令5条例33・旧第14条繰下,令7条例1・一部改正)

(両罰規定)

第16条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,前条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。

(令5条例33・旧第15条繰下)

(施行期日)

1 この条例は,平成26年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に被保護者等住居・生活サービス等提供事業を行っている者に関する第3条第1項の規定の適用については,同項中「事業開始の日から1月以内に」とあるのは,「平成26年11月1日までに」とする。

3 第4条から第6条までの規定は,この条例の施行前に締結された住居等に関する契約又は生活サービスに関する契約若しくは金銭等管理サービスに関する契約については,適用しない。

(令和5年条例第33号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和7年条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、令和7年6月1日から施行する。

(罰則の適用等に関する経過措置)

2 この条例の施行前にした行為の処罰については、なお従前の例による。

3 この条例の施行後にした行為に対して、他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ、又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる罰則を適用する場合において、当該罰則に定める刑に刑法等の一部を改正する法律(令和4年法律第67号)第2条の規定による改正前の刑法(明治40年法律第45号)第12条に規定する懲役(有期のものに限る。以下「懲役」という。)、同法第13条に規定する禁錮(有期のものに限る。以下「禁錮」という。)又は同法第16条に規定する拘留(以下「旧拘留」という。)が含まれるときは、当該刑のうち懲役又は禁錮はそれぞれその刑と長期及び短期を同じくする有期拘禁刑と、旧拘留は長期及び短期を同じくする拘留とする。

(人の資格に関する経過措置)

4 拘禁刑に処せられた者に係る他の条例の規定によりなお従前の例によることとされ、なお効力を有することとされ、又は改正前若しくは廃止前の条例の規定の例によることとされる人の資格に関する条例の規定の適用については、無期拘禁刑に処せられた者は無期禁錮に処せられた者と、有期拘禁刑に処せられた者は刑期を同じくする有期禁錮に処せられた者とみなす。

茨城県被保護者等に対する住居・生活サービス等提供事業の規制に関する条例

平成26年3月26日 条例第32号

(令和7年6月1日施行)