○茨城県主要農作物等種子条例

令和元年12月25日

茨城県条例第41号

茨城県主要農作物等種子条例を公布する。

茨城県主要農作物等種子条例

(目的)

第1条 この条例は,主要農作物等の種子の生産に関し奨励品種の指定その他必要な事項を定めることにより,需要が見込まれる主要農作物等について,その種子の生産の安定及び品質の改善を図り,もって本県農業者の農業所得の増大に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 主要農作物 稲,大麦,裸麦,小麦及び大豆をいう。

(2) 主要農作物等 主要農作物,そばその他知事が定める作物をいう。

(3) ほ場審査 種子生産ほ場において栽培中の主要農作物等の出穂,穂ぞろい,成熟状況等について審査することをいう。

(4) 生産物審査 種子生産ほ場において生産された主要農作物等の種子の発芽の良否,不良な種子及び異物の混入状況等について審査することをいう。

(基本理念)

第3条 主要農作物等の種子の生産は,県,主要農作物等の種子の生産者(以下「種子生産者」という。)並びに関係機関及び関係団体が適切に役割分担をしながら相互に連携協力して取り組むことが重要であるとの基本的認識の下に,県民の理解を得つつ,需要が見込まれる安全な主要農作物等の安定的な供給に資することを旨として,行われなければならない。

(県の責務)

第4条 県は,前条の基本理念にのっとり,主要農作物等の種子の生産に係る施策を計画的に推進するとともに,必要な体制の整備を図るものとする。

2 県は,前項の施策の推進に当たっては,種子生産者並びに関係機関及び関係団体と連携を図るものとする。

(種子生産者の役割)

第5条 種子生産者は,県が実施する主要農作物等の種子の生産に係る施策に協力するものとする。

2 種子生産者は,主要農作物等の種子の生産に必要な知識及び技術の向上を図り,優良な種子を安定的に生産するよう努めるものとする。

(関係機関及び関係団体の役割)

第6条 関係機関及び関係団体は,県が実施する主要農作物等の種子の生産に係る施策に協力するものとする。

(奨励品種の指定)

第7条 知事は,需要が見込まれる主要農作物等の生産の普及を図るため,県内においてその生産を普及すべきと認められる品種を奨励品種として指定するものとする。

2 県は,前項の指定を行うため必要な調査及び試験を行うものとする。

(採種計画の策定)

第8条 県は,毎年度,奨励品種の種子の生産及び供給に関する計画(以下「採種計画」という。)を策定するものとする。

2 採種計画には,次の各号に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 奨励品種の需要の動向

(2) 前号の動向を踏まえた奨励品種の種子の需要の見通し

(3) その他奨励品種の種子の安定的な生産及び供給に関し必要な事項

(原種等の確保)

第9条 県は,採種計画に基づき,奨励品種の一般種子(種子のうち原種及び原原種を除く。以下同じ。)の生産に必要な原種及び当該原種の生産を行うために必要な原原種(以下「原種等」という。)を自ら生産し確保するものとする。

2 知事は,前項に規定する原種等の生産の用に供するため,原種ほ及び原原種ほを設置するものとする。

3 知事は,第1項に定める場合のほか,必要があると認めるときは,原種等の生産に関する専門的知識及び技術を有する者として規則で定める要件を備えるものに原種等の生産を委託すること,又は他の都道府県からの購入等により,原種等を確保することができるものとする。

4 知事は,前項の規定によって原種等の生産を委託された者が経営するほ場が規則で定める要件を備えるときは,当該ほ場を指定原種ほ又は指定原原種ほとして指定することができる。

5 前項の規定による指定を受けようとする者は,規則で定めるところにより,申請書を知事に提出しなければならない。

(指定種子生産ほ場の指定)

第10条 知事は,一般種子の生産に関する専門的知識及び技術を有する者として規則で定める要件を備えるものであり,かつ,譲渡の目的をもって,又は委託を受けて一般種子を生産する者が経営するほ場が,規則で定める要件を備えるときは,当該ほ場を指定種子生産ほ場として指定することができる。

2 前項の規定による指定を受けようとする者は,規則で定めるところにより,申請書を知事に提出しなければならない。

(審査)

第11条 指定原種ほ及び指定原原種ほ並びに指定種子生産ほ場(以下「指定原種ほ等」という。)を経営する者(以下「指定種子生産者」という。)は,その経営する指定原種ほ等についてほ場審査を受けなければならない。

2 指定種子生産者は,前項に規定するほ場審査の基準に適合した指定原種ほ等において生産された主要農作物等の種子について生産物審査を受けなければならない。

3 知事は,その職員にほ場審査及び生産物審査(以下この条において「種子審査」という。)をさせることができる。

4 前項の職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。

5 種子審査は,指定種子生産者の申請に基づいて行われるものとする。

6 前項の規定による申請をする者は,規則で定めるところにより,申請書を知事に提出しなければならない。

7 知事は,種子審査の結果,規則で定める審査の基準に適合すると認めるときは,指定種子生産者に対し審査証明書を交付するものとする。

(指導及び助言)

第12条 県は,指定種子生産者又は指定種子生産者に主要農作物等の種子の生産を委託した者に対し,主要農作物等の種子の生産の安定及び品質の改善のために必要な指導及び助言を行うものとする。

(優良な品種の育成)

第13条 県は,県に蓄積された知識及び技術並びに遺伝資源を活用して,将来の需要が見込まれる品種の育成に努めるものとする。

(県民の理解の促進)

第14条 県は,地域の農業の根幹を支える主要農作物等の優良な種子は県民の重要な財産であるとの基本的認識の下に,主要農作物等の優良な種子の生産の重要性について県民の理解の促進に努めるものとする。

(年次報告)

第15条 知事は,毎年度,主要農作物等の種子の生産に関して講じた施策の実施状況及び成果を取りまとめ,議会に対し報告するとともに,これを公表するものとする。

(令5条例34・追加)

(財政上の措置)

第16条 県は,主要農作物等の優良な種子の生産の安定及び品質の改善に係る施策を推進するため,必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(令5条例34・旧第15条繰下)

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

(令5条例34・旧第16条繰下)

この条例は,令和2年4月1日から施行する。

(令和5年条例第34号)

この条例は、公布の日から施行する。

茨城県主要農作物等種子条例

令和元年12月25日 条例第41号

(令和5年9月29日施行)