○茨城県鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止に関する条例
令和5年3月29日
茨城県条例第13号
茨城県鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止に関する条例を公布する。
茨城県鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 鶏舎設備等基準の設定等(第7条―第12条)
第3章 人材の育成(第13条)
第4章 人員及び資材の確保(第14条)
付則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、大規模農場における鳥インフルエンザの発生が養鶏産業に重大な被害を与えているのみならず、その防疫措置が行政機能に重大な影響を及ぼしていることに鑑み、基本理念を定め、県、大規模事業者及び関係団体の責務を明らかにするとともに、迅速な防疫措置を行うために必要な措置その他の鳥インフルエンザの発生の予防及びまん延の防止を図るために必要な措置(以下「発生の予防及びまん延の防止の措置」という。)を講ずることにより、大規模農場で鳥インフルエンザが発生した際の行政機能の低下による県民生活への影響を最小限にとどめるとともに、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号。以下「法」という。)による措置と相まって、養鶏産業の振興を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「鳥インフルエンザ」とは、法第2条第1項に規定する高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザをいう。
2 この条例において「大規模農場」とは、農場(家畜伝染病予防法施行規則(昭和26年農林省令第35号)第21条の5に規定する農場をいう。以下同じ。)であって、その敷地内に50万羽以上の採卵鶏をケージ(鶏を収容するための籠をいう。以下同じ。)に入れて飼養することができる施設を有するものをいう。
3 この条例において「大規模事業者」とは、大規模農場で飼養する鶏を所有する者(当該鶏を管理する所有者以外の者があるときは、その者)をいう。
4 この条例において「関係団体」とは、養鶏に関連する事業を行う者で組織する団体その他の養鶏に関連する活動を行う団体をいう。
5 この条例において「防疫措置」とは、鳥インフルエンザが発生した場合に、まん延を防止するために行うと殺、死体及び汚染物品の処理、消毒その他の措置をいう。
6 この条例において「鶏舎等」とは、鶏舎及び鶏舎に設置されるケージをいう。
(基本理念)
第3条 大規模農場における発生の予防及びまん延の防止の措置は、県、大規模事業者及び関係団体の相互の連携及び協力の下に、推進されなければならない。
(県の責務)
第4条 県は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、大規模事業者及び関係団体と連携して、大規模農場における発生の予防及びまん延の防止の措置を講ずるとともに、大規模事業者に対し、必要な情報の提供、技術的な助言その他の支援を行うものとする。
(大規模事業者の責務)
第5条 大規模事業者は、基本理念にのっとり、その所有し、又は管理する鶏を飼養する大規模農場における発生の予防及びまん延の防止の措置を講ずるとともに、前条に規定する県の措置に協力するよう努めなければならない。
(関係団体の責務)
第6条 関係団体は、基本理念にのっとり、前2条に規定する県及び大規模事業者の措置に協力するよう努めなければならない。
第2章 鶏舎設備等基準の設定等
(鶏舎設備等基準の設定)
第7条 知事は、迅速な防疫措置に資する構造の鶏舎等その他必要な設備に関する基準(以下「鶏舎設備等基準」という。)を定めるものとする。
2 知事は、鶏舎設備等基準を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
(鶏舎等の工事等)
第8条 大規模農場において鶏舎の新設若しくは建替え若しくはケージの新設若しくは取替え(鶏舎内の全てのケージを新設し、又は取り替える場合に限る。)(以下「工事等」という。)を行おうとする者又は大規模農場以外の農場を大規模農場とする工事等を行おうとする者は、当該工事等を行う鶏舎等が鶏舎設備等基準に適合するように努めなければならない。
(1) 工事等の種別
(2) 氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(3) 大規模農場内の鶏舎数
(4) 大規模農場内の鶏舎で飼養する予定の鶏の羽数
(5) 工事等をする鶏舎の名称
(6) 工事等をする鶏舎で飼養する予定の鶏の羽数
(7) 工事等をする鶏舎等の鶏舎設備等基準への適合状況
(8) 工事等の期間
2 前項の届出には、工事等の設計図及び工事等をする鶏舎が存する農場の敷地内の平面図を添付しなければならない。
(指導及び助言)
第10条 知事は、前条の規定による届出があった場合において、必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る鶏舎等について、鶏舎設備等基準の適合に関し必要な指導及び助言を行うことができる。
(報告の徴収及び立入調査等)
第11条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、大規模事業者に対し、当該大規模事業者が所有し、又は管理する鶏を飼養する鶏舎等の鶏舎設備等基準への適合状況について、報告を求めることができる。
2 知事は、この条例の施行に必要な限度において、家畜防疫員(法第53条第3項に規定する家畜防疫員をいう。次項において同じ。)に、大規模農場に立ち入り、当該大規模農場内の鶏舎等の鶏舎設備等基準への適合状況を調査させることができる。
3 前項の規定により立入調査を行う家畜防疫員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
4 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第3章 人材の育成
第13条 知事は、大規模事業者及び大規模農場の衛生管理区域(法第8条の2第1項に規定する衛生管理区域をいう。)において養鶏に関する業務に従事する者(第3項において「従事者」という。)を対象に、発生の予防及びまん延の防止の措置を講ずるために必要な知識及び技術の習得並びに向上を図るための研修を実施するものとする。
3 大規模事業者は、飼養衛生管理者を通じて、第1項の研修の内容を従事者に周知するよう努めなければならない。
第4章 人員及び資材の確保
第14条 大規模事業者は、大規模農場で鳥インフルエンザが発生した場合に備えて、対応計画(法第12条の3第1項に規定する飼養衛生管理基準に基づき策定する対応計画をいう。)を策定しなければならない。
2 前項の対応計画には、防疫措置を行う場合に大規模事業者自らが確保することのできる人員及び当該人員の作業内容並びに調達することのできる資材を記載しなければならない。
付則
(施行期日)
1 この条例は、令和5年4月1日から施行する。ただし、第14条第2項の規定は、同年10月1日から施行する。