○茨城県地域医療薬剤師修学資金貸与条例

令和6年3月29日

茨城県条例第23号

茨城県地域医療薬剤師修学資金貸与条例をここに公布する。

茨城県地域医療薬剤師修学資金貸与条例

(目的)

第1条 この条例は、県内の病院において薬剤師が不足している状況に鑑み、薬剤師不足地域内の病院において将来薬剤師の業務に従事しようとする者に対し、茨城県地域医療薬剤師修学資金(以下「修学資金」という。)を貸与することにより、地域医療の充実に必要な薬剤師の養成及び確保を図り、もって本県の医療の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「病院」とは、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院をいう。

2 この条例において「薬剤師不足地域」とは、病院に勤務する薬剤師の不足によりその確保が必要な地域として知事が定める地域をいう。

(修学資金の貸与)

第3条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者であって、大学(大学院を除く。以下同じ。)の薬学を履修する課程のうち臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とするもの(第12条第1号において「薬剤師養成課程」という。)に在学するもののうち、薬剤師不足地域内の病院において将来薬剤師の業務に従事しようとする者を対象とした入学試験により入学したものに対し、修学資金を貸与することができる。

(1) 県内の高等学校若しくは中等教育学校又は特別支援学校の高等部を卒業し、又は修了した者

(2) 県内に居住する者の子(前号に掲げる者を除く。)

(貸与金額等)

第4条 修学資金の貸与金額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。

(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第2条第2項に規定する国立学校又は公立学校である大学 月額50,000円

(2) 学校教育法第2条第2項に規定する私立学校である大学 月額100,000円

2 修学資金には、貸与を受けた各月分の修学資金の額につき、当該貸与を受けた日の翌日から当該貸与を受けた者が大学を卒業する日の属する月の末日又は貸与期間が終了する月の末日のいずれか遅い日(第8条の規定により貸与契約が解除された場合にあっては、当該解除の日)までの期間の日数に応じ、年10パーセントの割合で計算した利息を付するものとする。

(貸与期間)

第5条 修学資金の貸与期間は、修学資金の貸与を受けた者(以下「修学生」という。)に係る大学の修学期間以内(当該修学期間が72月を超える場合にあっては、当該修学期間のうち72月以内)とする。

(貸与方法)

第6条 修学資金は、予算の範囲内で契約(以下「貸与契約」という。)により貸与するものとする。

(連帯保証人)

第7条 修学資金の貸与を受けようとする者は、連帯保証人2人を立てなければならない。

(貸与契約の解除)

第8条 知事は、修学生が次の各号のいずれかに該当する場合は、修学資金の貸与契約を解除するものとする。

(1) 退学し、又は退学の処分を受けたとき。

(2) 心身の故障のため修学を継続する見込みがなくなったと認められるとき。

(3) 学業成績が著しく不良になったと認められるとき。

(4) 修学資金の貸与を受けることを辞退したとき。

(5) 死亡したとき。

(6) 前各号に掲げるもののほか、修学資金の貸与の目的を達成する見込みがなくなったと認められるとき。

(在学証明書等の提出)

第9条 知事は、修学生に対し、在学証明書、学業成績表及び健康診断書の提出を求めることができる。

(貸与の停止等)

第10条 知事は、修学生が休学し、又は停学の処分を受けたときは、その日の属する月の翌月から復学した日の属する月までの間、修学資金の貸与を停止するものとする。この場合において、これらの月の分として既に貸与された修学資金があるときは、これを復学した日の属する月の翌月以降の月の分として貸与されたものとみなす。

2 知事は、修学生が留年(一の学年の課程を再度履修することをいう。)した場合において、当該修学生が当該留年の期間に係る修学資金の貸与の停止を希望するときは、当該期間、修学資金の貸与を停止することができる。

3 知事は、修学生が正当な理由がなく前条の規定による求めに応じなかったときは、修学資金の貸与を一時保留することができる。

(返還)

第11条 修学生は、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該各号に掲げる事由が生じた日から起算して1月以内に、修学資金に第4条第2項の規定により計算した利息を付してこれを返還しなければならない。

(1) 第8条の規定により修学資金の貸与契約が解除されたとき。

(2) 大学を卒業した日の属する月の翌月から起算して1年6月以内に薬剤師の免許を取得しなかったとき。

(3) 薬剤師の免許を取得した後、直ちに薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事しなかったとき。

(4) 県内の病院において薬剤師の業務に従事しなくなったとき(第13条第1項第1号に該当する場合を除く。)

(5) 薬剤師の免許を取得した後直ちに薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事し、かつ、引き続き県内の病院において当該業務に従事した期間が修学資金の貸与を受けた期間の2分の3に相当する期間(第13条において「義務期間」という。)に達した場合であって、当該期間の2分の1に相当する期間を薬剤師不足地域内の病院において従事しなかったとき。

(6) 薬剤師の免許を取得した後、死亡又は心身の故障により、薬剤師の業務に従事することができなくなったとき(第13条第1項第2号及び第14条に該当する場合を除く。)

(返還債務の履行猶予)

第12条 知事は、修学生が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該各号に掲げる事由が継続する間(第2号及び第4号にあっては、知事が必要と認めた期間に限る。)、修学資金の返還の債務の履行を猶予することができる。

(1) 第8条の規定により修学資金の貸与契約が解除された後、引き続き薬剤師養成課程に在学しているとき。

(2) 薬剤師が専門的な知識及び技術を修得するために受ける研修のうち薬剤師不足地域外の病院(県内の病院に限る。)を実施場所とするものであって、地域医療の充実に必要なものとして知事が認定したもの(当該認定後に知事が地域医療の充実に必要なものとして認定に係る研修を変更する必要があると認めた場合にあっては、当該変更後の研修として知事が認定したもの)(次条第2項において「認定専門研修」という。)を受けているとき。

(3) 大学院の薬学を履修する課程に在学しているとき。

(4) 前3号に掲げるもののほか、地域医療の充実に必要な薬剤師の養成及び確保のため特に必要であると認められる事由があるとき。

(5) 災害、疾病その他やむを得ない事由により修学資金を返還することが困難であると認められるとき。

(返還債務の当然免除)

第13条 知事は、修学生が次の各号のいずれかに該当する場合は、修学資金の返還の債務を免除するものとする。

(1) 薬剤師の免許を取得した後直ちに薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事し、かつ、引き続き県内の病院において当該業務に従事した期間が義務期間に達した場合であって、当該義務期間の2分の1に相当する期間以上の期間を薬剤師不足地域内の病院において従事したとき。

(2) 義務期間中に、業務上の事由による死亡又は業務に起因する心身の故障により薬剤師の業務に従事することができなくなったとき。

2 認定専門研修を受けたことにより薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事できなかった修学生に係る前項第1号の規定の適用については、当該修学生は、前条の規定により知事が必要と認めた期間に限り、引き続き薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事していたものとみなす。この場合において、当該薬剤師不足地域内の病院において薬剤師の業務に従事していたものとみなされた期間は、これを義務期間に算入する。

3 次の各号のいずれかに掲げる事由により薬剤師の業務に従事できなかった修学生に係る第1項第1号の規定の適用については、当該修学生は、引き続き県内の病院において薬剤師の業務に従事していたものとみなす。この場合において、当該県内の病院において薬剤師の業務に従事していたものとみなされた期間は、これを義務期間に算入しない。

(1) 大学院の薬学を履修する課程に在学しているとき。

(2) 災害、疾病その他やむを得ない事由により薬剤師の業務に従事できないとき。

(返還債務の裁量免除)

第14条 知事は、修学生が災害、死亡、疾病その他やむを得ない事由により薬剤師の業務に従事することができなくなったときその他特に必要があると認めるときは、修学資金の返還の債務の全部又は一部を免除することができる。

(延滞利息)

第15条 修学生は、正当な理由がなく、修学資金を返還すべき日までにこれを返還しなかったときは、当該返還すべき日の翌日から返還の日までの期間の日数に応じ、返還すべき修学資金の額と第4条第2項の規定により計算した利息の額との合計額につき年14.5パーセントの割合で計算した延滞利息を支払わなければならない。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、令和7年4月1日から施行する。

2 当分の間、第15条に規定する延滞利息の年14.5パーセントの割合は、同条の規定にかかわらず、各年の延滞金特例基準割合(平均貸付割合(租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第93条第2項に規定する平均貸付割合をいう。)に年1パーセントの割合を加算した割合をいう。以下同じ。)が年7.25パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、当該延滞金特例基準割合に年7.25パーセントの割合を加算した割合とする。

茨城県地域医療薬剤師修学資金貸与条例

令和6年3月29日 条例第23号

(令和7年4月1日施行)