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更新日:2019年12月9日
当ホームページに掲載されている下水道に関する用語を解説しました。
下水道法で定める「下水」は,市街地に発生するすべての不用な水の総称を指します。
下水を排除するために設置された,下水管・排水渠などの排水施設と,排水施設に接続して下水を処理する処理施設,排水施設と処理施設を補完するために設置されるポンプ施設をまとめて下水道といいます。
行政人口のうち,下水管渠が整備されており,下水道を利用できる人の割合を指します。下水道の整備状況を表す指標として用いられています。
下水を処理する「水処理施設」と,下水から発生する汚泥を処理する「汚泥処理施設」を指します。下水道法では,『終末処理場』を下水処理場と定めています。
終末処理場とは,下水道管渠によって集めてきた下水を「最終的に処理して河川その他の公共の水域または海域に放流するため」の施設を指します。施設名として,『浄化センター』『水処理センター』『アクアステーション』などと呼ばれています。
下水管渠を通ってくる下水の流速を緩めて,下水中の大きなゴミや土砂などを沈殿させるための池で,ポンプ場や下水処理場の入り口に設けられます。沈砂池を通すことで,ポンプの摩耗や処理場内での砂の堆積を防ぐことができます。
下水の一次処理,及び生物処理のための予備処理で,有機物を主とする比重の重いSS分を重力によって沈降させます。この部分を最初沈殿池といい,沈殿地の底に沈んだSS分は初沈汚泥として取り除かれます。
最初沈澱池を通過した下水は,活性汚泥と混ぜられます。下水中の有機物は,活性汚泥中に含まれる微生物の好気的,及び嫌気的反応によって分解されます。微生物によって分解された有機物は,ガス化されるか,微生物内に取り込まれて微生物ごと沈殿することで水中から除去されていきます。なお,好気的な処理を行うもの曝気槽(エアレーションタンク)と言われています。
生物反応槽から流出した活性汚泥と処理水を分離する施設です。ここでは,生物反応槽からの流出水を最初沈殿池内に比べゆっくり流すことで活性汚泥が沈殿し,水と分離することができます。沈殿した活性汚泥は生物反応槽へ返送されたり,余剰汚泥として取り除かれます。
最終沈殿池から流出した水をろ過する施設です。ろ過池では粒径の異なる砂などを何層も重ねたところに処理水を通すことで,微細なゴミを取り除きます。
急速ろ過池を通った水は見た目にはきれいであっても,大腸菌などの病原性微生物は残っています。塩素混和池では,処理水に次亜塩素酸ナトリウムを加え微生物を殺菌してから環境中に放流します。
細菌類や原生動物,後生動物などの多数の微生物を含む汚泥を指します。有機物を吸着したり酸化することに優れ,凝集性もあり沈降性も極めて高い汚泥です。
反応タンク内で活性汚泥を下水と混合し,タンク内を好気的または嫌気的状態にすると,汚泥中の微生物の代謝作用によって,下水中の有機物や,窒素・りんが除去されていきます。この活性汚泥を用いた下水の処理方法を「活性汚泥法」と言います。
活性汚泥中の細菌によって,下水中のアンモニウムイオン(NH4+)が亜硝酸イオン(NO2-)及び硝酸イオン(NO3-)に変化することを指します。硝化を行う亜硝酸菌及び硝酸菌は偏性好気性細菌(専ら溶存酸素がある状態で活動します)と呼ばれる細菌の一群です。亜硝酸菌はアンモニウムイオンを酸化して亜硝酸イオンにし,硝酸菌は亜硝酸イオンを酸化して硝酸イオンにします。
硝化によって生成された亜硝酸及び硝酸は活性汚泥中の脱窒菌によって窒素ガスに変化し空気中に放出されます。この反応を脱窒といい,脱窒を行う脱窒菌は通性嫌気性細菌(好気状態のとき活動せず,溶存酸素がない(無酸素)状態で活動します)と呼ばれる細菌の一群です。
水の酸性とアルカリ性の度合いを示す尺度で,pH7.0を中性とし,それより数値が大きければアルカリ性,小さければ酸性といいます。生物処理により,下水処理場の放流水は概ね中性になります。公共用水域の水質環境基準では,河川・湖沼は6.5以上8.5以下となっています。
水に溶けている酸素の量です。酸素のない川や少ない川は,いわゆる死んだ川と呼ばれ,魚介類などの生き物が生息出来なくなってしまいます。一般に,魚の生息には最低5ミリグラム/LのDOが必要とされています。
微生物が水中の有機物などを酸化・分解する過程で消費する酸素の量を示す項目です。BODは,微生物を含む試料を20℃で5日間培養し,その間に減少した溶存酸素の量を測ることで測定します。
汚濁の度合いが大きいほどBODは高く,下水処理場の流入水では概ね数十~数百mg/L程度ですが,汚濁物質の沈殿や活性汚泥処理により浄化され,放流水のBODは数mg/Lになります。
薬品(過マンガン酸カリウムなどの酸化剤)が水中の有機物などを酸化・分解する過程で消費する酸素の量を示す項目です。CODは,一定量の薬品を添加した試料を高温で一定時間加熱し,その間に分解した薬品の量を測ることで測定します。
汚濁の度合いが大きいほどCODは高く,下水処理場の流入水では概ね数十mg/L程度ですが,汚濁物質の沈殿や活性汚泥処理により浄化され,放流水のCODは数mg/Lになります。(薬品に過マンガン酸カリウムを使用した場合)
水中の懸濁物質の濃度を示す項目です。SSは,試料を孔径1μmのろ紙でろ過した後に,ろ紙上に捕捉された物質の量を測ることで測定できます。
汚濁の濃度が大きいほどSSは高く,下水処理場の流入水では概ね数百mg/Lですが,汚濁物質の沈殿や活性汚泥処理により浄化され,放流水のSSは数mg/Lになります。
水中の窒素の濃度を示す項目です。水中の窒素はアンモニア性窒素,亜硝酸性窒素,硝酸性窒素,有機態窒素など様々な形態で存在しますが,分解試薬で同一の形態にした後,反応試薬で発色させるなどの方法で測定できます。
下水処理場の流入水では,T-Nのうち概ね半分以上をアンモニア性窒素が占めますが,好気槽で曝気することによりほとんどが硝酸性窒素に変化します(硝化)。さらに,高度処理により硝酸性窒素を気体の窒素に変化させ水中から除去することもできます(脱窒)。下水処理場の流入水中のT-Nは概ね数十mg/L程度ですが,高度処理により放流水では数mg/Lになります。
水中のりん濃度を示す項目です。水中のりんはりん酸態りんや有機態りんなど様々な形態で存在しますが,分解試薬で同一の形態にした後,反応試薬で発色させるなどの方法で測定できます。
下水処理場の流入水中のT-Pは概ね数mg/L程度ですが,凝集剤の添加や高度処理により放流水では0.1mg/L程度になります。
水質の環境基準は,環境基本法に基づいて定められたもので,人の健康を保護し,生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準とされています。環境基準のうち,生活環境項目については,利水目的に応じた水域類型を設け,それぞれの水域類型ごとに,pH,COD等の項目について基準値が設定されています。
水域類型 | A類型(湖沼) | 3類型 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
項目 | pH | DO | COD | SS | 大腸菌群数 | 全窒素 | 全りん |
霞ヶ浦 |
6.5以上 8.5以下 |
7.5mg/L 以上 |
3mg/L 以下 |
5mg/L 以 |
1000MPN/ 100mL以下 |
0.4mg/L 以下 |
0.03mg/L 以下 |
湖沼への栄養塩(窒素,りんなど)の流入によって,湖沼内の栄養塩濃度が増加し,富栄養湖へと移る過程が「富栄養化」と言われています。富栄養湖では,植物プランクトンなどの増殖によって有機物が生産され,水質(CODなど)が悪化するとともに,アオコ等の発生による被害が生じる場合があります。
富栄養化した湖沼などでプランクトンが異常増殖し,水面に浮上する現象を指します。多量に発生したプランクトンは,水面で集積して膜状になったり,緑色の粉をまいたようになると言われています。また,死滅したプランクトンは湖沼の下層部分に沈み分解されます。この分解時に酸素が消費されることで,下層部分の酸素が不足し,魚類や湖底に生きる生物が死滅する場合があります。
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