○職員の旅費に関する条例の運用方針等について

昭和29年10月9日

総発第499号

総務部長

各部課(室・局・所)長

副出納長

各かい所長

職員の旅費に関する条例(昭和28年条例第56号。以下「条例」という。)が,昭和28年12月25日公布即日施行されましたが,これに伴う旅費に関する規則(昭和29年人事委員会規則第15号。以下「規則」という。)及び職員の旅費の調整基準に関する訓令(昭和29年訓令甲第29号。以下「調整基準」という。)がそれぞれ別添のように公布施行されたので,従来の旅費に関するいつさいの取扱を廃し,新たに下記のように「条例の解釈と運用方針」を定めたからその取扱に遺憾のないようにされたい。

なお,規則の公布について,人事委員会から別添のとおり通知があつたからお知らせします。

第2条関係(用語の意義)

1 「国家公務員等の旅費支給規程第1条に規定する附属の島」とは,本州,北海道,四国及び九州に附属する島をいうものである。

2 「外国旅行」とは,本邦外国間及び外国における旅行をいい,公海(公海に関する条約(昭和43年条約第10号)第1条に規定する公海をいう。以下同じ。)も外国に含まれるため本邦から沿岸又は遠洋漁業のため,公海上に出張することも外国旅行となるものである。

なお,本邦内で完結する旅行の途中たまたま公海を通過しても外国旅行にはならない。

第3条関係(旅費の支給)

職員が他の職務を兼ねその兼ねる職務のための出張については,次によるものとする。

イ 本務として常時勤務する課所のほか兼務として勤務する課所に出頭して執務する場合には,本務たる勤務課所を出発地とする出張として取り扱うこと。ただし,本務たる勤務課所と兼務たる勤務課所とが同一構内等にあるような場合は旅行の事実がないので出張とならないこと。

ロ 兼務たる勤務課所の用務のために出張するときは,その兼務たる勤務課所を出発地とする出張として取扱うこと。ただし,兼務たる勤務課所の用務のために本務たる勤務課所から直接目的地へ出張するときは,本務たる勤務課所を出発地とする出張として取扱うこと。なおイ,ロの場合の旅費は兼務課所において支給すること。

ハ 本務たる勤務課所の用務及び兼務たる勤務課所の用務を兼ねて直接目的地へ出張するときは,本務たる勤務課所を出発地とする出張として取扱うこと。この場合の旅費は本務たる勤務課所において支給すること。なお兼務たる勤務課所へ出頭したのち本務及び兼務たる勤務課所の用務で出張するときは,イ及びロによること。

職員が旅行のために鉄道乗車券等を購入した後で旅行命令等を取り消されまたは死亡したため,旅行の必要がなくなつた場合(その者の扶養親族の旅行について旅費の支給を受けることができる場合には,当該扶養親族を含む。)には,規則第3条に規定する額が支給されることにより,職員に損失を与えないようにするものである。

職員または扶養親族が旅行中における交通機関の事故(列車の顛覆,汽船の難破等)により概算払を受けた旅費額(概算払を受けなかつた場合には,概算払を受けることができた旅費額に相当する金額)を喪失した場合には,当該事故の関係機関から当該事故について金品を顧みるいとまがなかつたほど急激かつ重大であることの証明により,規則第6条の規定による額が支給されるものであること。

第4条関係(旅行命令等)

1 旅行命令権者は,旅行命令等を発しまたは変更する場合には,旅行が条例第7条第8条その他旅費の計算に関する規定の趣旨に合致して行なわれるように留意すること。

2 旅行命令権者は,職員が旅行中傷い疾病により出張地において滞在または帰宅して療養するときは,職員からの変更の申請によらず条例第4条第3項に基づき,変更するものとする。

第5条関係(旅行命令等に従わない旅行)

「旅行命令等に従つた限度の旅行」とは,左のような場合等の旅行をいうものである。

イ 旅行経路は旅行命令等に従つているが,旅行日数が旅行命令等で定めた日数を超過し旅行した場合には,当該旅行命令等による旅行

ロ 旅行日数は旅行命令等に従つているが旅行経路が旅行命令等に従わない旅行たとえば水戸(出発地)―東京都(出張地)―静岡(出張地)―水戸の経路による旅行を命ぜられた職員が静岡での用務の都合上名古屋に立ち寄つて帰庁した場合には,当該命令等による旅行すなわち水戸,静岡間の旅行

ハ 旅行日数及び経路がともに旅行命令等に従わない旅行をした場合には,当該命令等による旅行

第6条関係(旅費の種類)

「鉄道旅行」とは,鉄道事業法(昭和61年法律第92号)に基づく交通機関を利用する旅行をいうものであること。従つて軌道法(大正10年法律第76号)による交通機関を利用する旅行は含まれないこと。

第12条関係(旅費の計算)

1 鉄道旅行,水路旅行,航空旅行または陸路旅行中における年度の経過,職務の級の変更等のため鉄道賃,船賃,航空賃または車賃の区分計算は本条の規定によるものであるが,その他の旅費の区分計算は,次に掲げるところによる。

旅費の種類

年度の区分

職務の級の区分

旅行雑費(定額により支給するものに限る。),宿泊料及び食卓料

4月1日午前零時以後の分は新年度

発令の日から新職務の級相当

移転料及び旅行雑費(実費額により支給するものに限る。)

前年度

旧職務の級相当

着後手当

新年度

新職務の級相当

扶養親族移転料

職員に対する各種旅費の区分計算による

同上

2 前号の場合以外の事由(鉄道賃,車賃等の額が改訂された場合等)における区分計算は前号に準じて行うこと。

第15条及び第16条関係(鉄道賃及び船賃)

1 「鉄道賃」又は「船賃」とは,鉄道事業法第16条又は海上運送法(昭和24年法律第187号)第8条(同法第23条の2の規定により準用する場合を含む。)の規定に基づいて,鉄道運送事業者,旅客定期航路事業者及び旅客不定期航路事業者がそれぞれ国土交通大臣の認可又は同大臣への届出により定める運賃又は料金をいう。

2 「特別車両料金」とは,鉄道事業法第16条の規定に基づいて,旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和61年法律第88号)第1条第1項に規定する旅客会社及び旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)附則第2条第1項に規定する新会社(以下「旅客会社等」という。)が定めた特別車両の料金をいい,旅客会社等所有の特別車両が旅客会社等以外の鉄道運送事業者の線路に運行される場合に,当該鉄道運送事業者が鉄道事業法第16条の規定に基づいて国土交通大臣への届出により定める当該特別車両の料金を含むものとする。

3 急行料金は一の急行券の有効区間ごとに計算するものとする。この場合において,普通急行列車を運行する線路による旅行で普通急行列車の客車の全席が座席指定となつている場合には,普通急行料金と座席指定料金の合計額を急行料金として支給するものとする。

4 特別車両料金の額は,次の区分によるものとする。

(1) 条例第15条第2項の規定により急行料金を支給する区間については,急行列車に係る特別車両料金

(2) 一の旅行区間に急行列車と普通列車とが直通して運転する線路がある場合でその線路を利用する区間の一部に対して急行料金を支給する場合,その線路を利用する区間については,急行料金を支給する当該一部区間の路程に応じた急行列車に係る特別車両料金

(3) (1)及び(2)を除く区間については,普通列車に係る特別車両料金

5 条例第15条第1項に規定する座席指定料金は,一の座席指定券の有効区間ごとに計算するものとする。

6 新幹線の特別急行料金は,条例第15条第1項第2号及び同条第2項第1号に規定する特別急行料金に含むものとする。

7 条例第16条第1項の座席指定料金には,船室の設備の利用料金は含まないものとする。

8 特別船室料金の額は,特別船室料金を徴する船室で指定席と自由席があるものを運行する航路による旅行をする場合には,指定席に係る特別船室料金とする。

9 「公務上の必要その他特別の事情がある場合」とは次の各号に掲げる場合をいうものとする。

(2) 前号に類する場合であつて,任命権者が知事と協議して定める場合

第17条関係(航空賃)

1 航空賃には,旅客取扱施設利用料(空港法(昭和31年法律第80号)第16条第3項(同法附則第5条第1項及び関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律(平成23年法律第54号)第32条第2項において準用する場合を含む。)の規定により空港法に定める指定空港機能施設事業者等が国土交通大臣に届け出て徴収するもの),国内線旅客サービス施設使用料(成田国際空港株式会社が徴収するもの)及び旅客施設使用料(中部国際空港株式会社が徴収するもの)を含むものとする。

なお,地方公共団体が管理する空港における同様の料金についても同じ扱いとする。

2 航空機に係る旅客運賃が宿泊施設の利用に係る料金と一体のもの(以下「パック料金」という。)であり,現に支払つた旅客運賃が明確でない場合にあつては,当該旅行命令の日における航路で最も低廉な片道旅客普通運賃の往復分の額の範囲内で,パック料金から当該宿泊施設を利用する夜数に応じた宿泊料の定額(当該料金に食事代が含まれていない場合にあつては宿泊料の定額から食卓料の定額を減じた額,当該料金に夕食に相当する食事代が含まれていない場合にあつては宿泊料の定額から食卓料の定額の3分の2を減じた額)を除いた額を航空賃として支給する。

3 パック料金にその他の料金が含まれる場合は,その含まれる料金に対応する旅費の定額を減じた額を支給する。

第20条関係(宿泊料)

水路旅行または航空旅行には船賃または航空賃が支給されるが,それらの運賃には通常宿泊料に相当するものが含まれているため宿泊料は原則として支給しない。ただし,次に掲げるような場合には例外として宿泊料を支給することができる。この場合には規則第10条による証明書を添付すること。

イ 公務上の必要により寄港地に上陸宿泊した場合

ロ 公務上の必要により中継地である空港に着陸し降機のうえ宿泊した場合

ハ 機関の故障または燃料不足等のため寄港地に上陸し若しくは不時着陸し降機のうえ宿泊した場合

ニ 暴風雨等により難破したため上陸し宿泊した場合

ホ 病気のため寄港地に上陸し若しくは着陸地において降機のうえ宿泊した場合

ヘ 天災その他やむを得ない事情により上陸または着陸し宿泊した場合

第28条関係(退職者等の旅費)

職員が旅行中退職等の発令があり当該職員がその事実を知るまでに若干の時日を要した場合その発令の日以後は職員としての身分を失うことになるが当該発令の知つた日にいた地までの旅費は,本条により支給されるものであること。

第29条関係(遺族の旅費)

職員が出張または赴任中に死亡した場合旅費を支給するものである。この場合において当該遺族が死亡地に旅行したかどうか関係なく支給されるものであつて外国旅行の場合における死亡手当に相当するものであること。

1年以上勤務した職員が死亡したときその遺族が居住地から生活の根拠地となる地に旅行する場合には,死亡の日における扶養親族一人ごとに鉄道賃,船賃,車賃及び食卓料を条例第24条の規定に準じて支給するものであること。

第30条関係(本邦通過の場合の旅費)

「本邦を通過する場合」とは,旅行の経路の中に本邦の一部が含まれる場合をいうものであること。したがつて本邦の上空又は領海を通過する場合は該当しないこと。なおこの場合における旅費は,内国旅行の旅費が支給されるものである。

第33条関係(外国旅行における航空賃)

航空賃には,旅客取扱施設利用料(空港法(昭和31年法律第80号)第16条第3項(同法附則第5条第1項及び関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律(平成23年法律第54号)第32条第2項において準用する場合を含む。)の規定により空港法に定める指定空港機能施設事業者等が国土交通大臣に届け出て徴収するもの),国際線旅客サービス施設使用料(成田国際空港株式会社が徴収するもの)及び旅客施設使用料(中部国際空港株式会社が徴収するもの)並びに旅客保安サービス料(成田国際空港株式会社及び関西エアポート株式会社が徴収するもの)を含むものとする。

なお,地方公共団体が管理する空港及び海外の空港における同様の料金についても同じ扱いとする。

第36条関係

「別に定める額」とは,次の各号の区分に従い,当該各号に掲げる額とする。

(1) 本邦から外国への赴任 新居住地の存する地域の区分に応じた別表第2の定額により支給する旅行雑費の10日分及び宿泊料定額の10夜分に相当する額

(2) 外国から本邦への赴任 新居住地の存する地域の区分に応じた別表第2の定額により支給する旅行雑費の2日分及び宿泊料定額の2夜分に相当する額

1 12歳未満の子に対する航空賃の額については,当分の間,その移転の際における職員相当の航空賃の額を限度として,現に支払った額によることができるものとする。

第37条関係(死亡手当)

死亡手当地域区分の中には本邦が含まれないため当該外国旅行中に本邦が含まれる場合において本邦で死亡した場合には条例第29条の規定に準じて支給するものとする。

第39条関係(旅行手当)

1 外国旅行において,遠洋または沿岸漁業に従事するための旅行については,旅行手当を支給するものとする。

2 前号に規定する場合に支給する額,支給条件及び支給方法はその旅行の性質に応じてその都度,総務部長に合議し決定するものとする。

「公務上の必要その他特別の事情があるもの」とは,旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する法律(平成13年法律第61号)附則第2条第1項に規定する東日本旅客鉄道株式会社の線路による旅行のうち,次の各号に掲げるものであつて,旅行命令権者が特別急行列車を利用する必要があると認めたものとする。なお,この場合に支給する急行料金は,自由席特急料金とするものであること。

1 常磐線を利用するもの

2 東北新幹線を利用するもの

別添 (略)

職員の旅費に関する条例の運用方針等について

昭和29年10月9日 総発第499号

(令和2年3月30日施行)

体系情報
第3編 員/第6章 俸給・諸給
沿革情報
昭和29年10月9日 総発第499号
昭和47年5月15日 人第312号
昭和49年10月30日 人第518号
昭和50年3月31日 人第133号
昭和54年4月14日 人第202号
昭和60年3月11日 人第80号
昭和61年1月30日 人第52号
昭和62年8月17日 人第462号
平成元年3月2日 人第102号
平成7年12月19日 人第703号
平成8年3月29日 人第262号
平成9年3月3日 人第76号
平成13年3月30日 人第183号
平成13年12月21日 人第660号
平成18年3月31日 人第971号
平成23年3月16日 人第692号
平成25年3月25日 人第584号
平成29年3月31日 人第743号
平成30年12月13日 人第509号
令和2年3月30日 人第1116号