○茨城県地下水の採取の適正化に関する条例
昭和51年12月24日
茨城県条例第71号
茨城県地下水の採取の適正化に関する条例を公布する。
茨城県地下水の採取の適正化に関する条例
(目的)
第1条 この条例は,地下水の採取に関し必要な事項を定めることにより,地下水の保全と適正な利用を図り,もつて県勢の均衡ある発展と県民福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「指定地域」とは,人口若しくは産業の集中に伴い,水の需要が増大し,又は増大が見込まれる地域であつて,地下水の採取による地下水の水位の異常な低下又は地下水への塩水若しくは汚水の混入等の障害を防止するためには地下水の採取の適正化を図る必要のある地域として規則で定める地域をいう。
2 この条例において「揚水施設」とは,動力を用いて地下水(温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉を除く。以下同じ。)を採取する施設(河川法(昭和39年法律第167号)が適用され,又は準用される河川の河川区域内のものを除く。)をいう。
(地下水の採取の許可)
第3条 指定地域内において揚水施設により地下水を採取しようとする者は,その揚水施設の揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上あるときは,その断面積の合計。以下同じ。)が19平方センチメートル以上で規則で定める断面積(以下「基準断面積」という。)を超える場合は,知事の許可を受けなければならない。揚水施設の構造の変更によりその揚水機の吐出口の断面積が基準断面積を超えることとなる場合も同様とする。
(許可申請の手続)
第4条 前条の許可を受けようとする者は,規則で定めるところにより,次の事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
(1) 氏名及び住所(法人にあつては,その名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 揚水施設の設置の場所
(3) 地下水の1日の採取量
(4) 揚水施設のストレーナーの位置
(5) 揚水施設の揚水機の吐出口の断面積
(6) 地下水の採取の目的
(7) 地下水の採取の時期
(8) 地下水以外の水源(以下「代替水」という。)への転換の見通し
(9) その他規則で定める事項
2 前項の申請書には,揚水施設の設置の場所を示す図面その他規則で定める書類を添付しなければならない。
(1) 採取の目的からみて,地下水の採取が季節的なものである場合
(2) 代替水に転換することが明確であつて,地下水の採取が一時的なものである場合
(3) その他規則で定める場合
(許可の条件等)
第6条 知事は,第3条の許可をするに当たり,必要な条件又は期限を付することができる。
(意見の聴取)
第7条 知事は,第3条の規定による許可又は不許可の処分をする場合において,揚水施設の設置の場所,地下水の採取量,地下水の水位の状況等からみて重要と認めるものについては,あらかじめ茨城県地下水利用審査会の意見を聴かなければならない。
(経過措置)
第8条 一の地域が指定地域となつた際,現にその地域内において揚水機の吐出口の断面積が基準断面積を超える揚水施設により地下水を採取している者は,第3条の許可を受けたものとみなす。
(承継)
第11条 採取者からその許可に係る揚水施設を譲り受け,又は借り受けて,これにより地下水を採取する者は,その揚水施設に係る第3条の許可を受けた者の地位を承継する。
2 採取者について相続,合併又は分割(その許可に係る揚水施設を承継させるものに限る。)があつたときは,相続人,合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該揚水施設を承継した法人は,採取者の地位を承継する。
3 前2項の規定により採取者の地位を承継した者は,その承継があつた日から起算して30日以内に,規則で定めるところにより,その旨を知事に届出なければならない。
(平13条例3・一部改正)
(廃止の届出)
第12条 採取者は,次の各号に掲げる場合は遅滞なく,規則で定めるところにより,その旨を知事に届出なければならない。
(1) 揚水施設による地下水の採取を廃止した場合
(2) 揚水施設の揚水機の吐出口の断面積を基準断面積未満とした場合
(許可の失効)
第13条 採取者が前条各号の一に該当するに至つたときは,当該許可はその効力を失う。
(地下水の採取量の減少勧告)
第15条 知事は,地下水の採取の目的,代替水の供給の状況等により地下水の使用を合理化し,又は代替水への転換をすることが適当であると認めるときは,その者に対し当該揚水施設の構造の改善,代替水への転換その他採取量の減少のため必要な措置をとることを勧告することができる。
(措置報告)
第16条 知事は,必要があると認めるときは,前条の規定により勧告をした者に対し,勧告に基づく措置について報告させることができる。
(記録及び報告)
第17条 採取者は,規則で定めるところにより,地下水の採取量を記録し,及びこれを知事に報告しなければならない。
(緊急時の措置)
第18条 知事は,地下水の採取により地下水の水位の異常な低下又は地下水への塩水若しくは汚水の混入等の著しい障害が生じたと認められる場合は,期限及び指定地域のうち区域を定めて,その区域における採取者の全部又は一部に対し,地下水の採取量の制限その他必要な措置をとることを命ずることができる。
2 知事は,前項の措置を命じようとするときは,あらかじめ茨城県地下水利用審査会の意見を聴かなければならない。
(立入検査等)
第19条 知事は,この条例の施行に必要な限度において,揚水施設により地下水を採取している者に対し,報告若しくは資料の提出を求め,又は職員をして工場,事業所その他必要な場所に立ち入らせ,検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は,その身分を示す証票を携帯し,関係人に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(地下水に関する調査)
第20条 知事は,地下水に関し必要な調査に努めるものとする。
(水資源開発等の推進)
第21条 県及び市町村は,長期的な水需要の増大に対応し,必要な水を供給するための水資源の開発又は用水の供給に努めるものとする。
(適用除外)
第22条 この条例の規定は,工業用水法(昭和31年法律第146号)又は建築物用地下水の採取の規制に関する法律(昭和37年法律第100号)の規定の適用がある場合の地下水の採取については,適用しない。
(規則への委任)
第23条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。
(罰則)
第24条 次の各号の一に該当する者は,1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(2) 第14条第2項の規定による命令に違反した者
(3) 第18条第1項の規定による命令に違反した者
第25条 次の各号の一に該当する者は,3万円以下の罰金に処する。
(1) 第10条の規定による届出をせず,又は虚偽の届出をした者
(2) 第19条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず,若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をし,又は立入検査を拒み,妨げ,若しくは忌避した者
(両罰規定)
第26条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し前2条の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。
付則
(施行期日)
1 この条例は,昭和52年4月1日から施行する。
(茨城県行政組織条例の一部改正)
2 茨城県行政組織条例(昭和38年茨城県条例第45号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
付則(平成13年条例第3号)抄
(施行期日)
1 この条例は,平成13年4月1日から施行する。